#29
アラームの音で起床。かなり寒いが外で短剣を振り素振りをする。身体が温まって来た所で離れへと戻る。顔を洗い身支度をする。
簡単に朝食を済ませる。午前中は村へと行く。買い物だ。
外へ出て村へと向かう。空を見ると何か雪でも降りそうな気配だ。村に入る。そうだ、もう町だったな。
いつもの食料品を売っている店へと行く。ここの店の名前はロナン食料品店と言うらしい。最近知った。
店に入ると白ワインと赤ワインを500mlづつ。赤ワインビネガーと白ワインビネガーも500mlづつ壺でもらう。担いで店の外に出て収納にしまう。収納は有能だ。
最近は街に来ることもなかったので変わった所が無いか少し散策する。
前よりは人が増えたように見えるな。店は増えていないようだ。道も石畳で歩きやすい。などと考えて歩いていると町の一角で7〜8歳の男児4人が同じ年頃の女の子を囲んで何やら揉めている。
近づくと、
「お前汚ねぇんだよ!」
「そうだ!孤児の文字化け女!」
「どうせ使えないんだ!お前なんて死んでしまえ」と蹴っている。女の子は蹲り頭を抱えると四方から男の子が蹴り出す。
すぐに駆け寄り4人を蹴り飛ばす。
「グエッ」とか「アガッ」とか言って転がり、
「何すんだ、お前!」と殴りかかってくる所をカウンターで殴る。モロに鼻面に辺り鼻血を出して顔を押さえて蹲る。
他の3人も掛かってくるが返り討ち。4人は道端に転がり呻いている。そこに兵士が来て事情を話すと4人の男子は兵士に連れて行かれた。まぁ女の子に暴行を加えて更に領主の息子に暴行しようとしたんだ。説教ぐらいは受けるだろう。まだ蹲りブルブル震えている女の子に声をかける。
「もう大丈夫だ」と声をかけると女の子は顔を上げて、
「本当?」と聞いて周りをキョロキョロ見回す。もう男児達がいないのを確認すると、
「あなたが助けてくれたの?」と聞いてくるので、
「ああそうだな」と答える。
「あなた名前は?」
「俺か?俺は領主の3男のマリスだ」
「あ?え!あのその失礼しました」と頭を下げる。
「ああ特にかしこまる必要はないぞ。名前は?」
「名前はハルよ・・です」
「ハハ、いつも通りで良いぞ」
「は、はい」
「少し立ち入った事を聞いても良いか?さっき文字化けとかガキどもが言っていたようだが」
「そ、そうですね。私は孤児で文字化けスキル持ちです」と俯く。
「そうかもしよかったらステータスを確認させてもらえないか?俺も文字化けスキルと判定されたんだ」
「そうなのですか?」と俯いていた顔を上げる。
「ああそうだ」
「見てもらっても良いですよ。ステータス開示」とステータスを表示させる。そこには、
[ステータス]
名前:ハル(7歳)女 LV1
HP:12
MP:19
STR:10
VIT:8
AGI:8
DEX:12
INT:12
LUK:45
スキル:生活魔法(着火、飲水、照明、堀穴、送風)
固有スキル:『The Guardian of a Castle』(不活性)
なるほど英語か、俺の場合は日本語のカタカナで日本人、ハルは英語かという事は英語圏の転生者か?活性化してみればわかるか。
「名前はハルか、ハルこれから俺が言う言葉を復唱してくれ」ハルは首を傾げつつも、
「うん分かっ・・分かりました」
「じゃあ言うぞ、“ザ・ガーディアン・オブ・ア・キャッスル“」ハルは口の中でブツブツ言うと
「う〜んと、“ざ・がーでぃあん・おぶ・あ・きゃっする“?」と首を傾げながら言うと、
「ああ」と頭を抱えて呻きうずくまる。少し経ち落ち着いて来た所で、
「ステータスを確認してみろ」と言うとステータスと唱えて確認する。すると、
「読める。読めるわ!使い方もわかる!」と涙を流す。
「そうかよかったな」というとステータスを開示してきた。
[ステータス]
名前:ハル(7歳)女 LV1
HP:12
MP:19
STR:10
VIT:8
AGI:8
DEX:12
INT:12
LUK:45
スキル:生活魔法(着火、飲水、照明、堀穴、送風)、料理、清掃
固有スキル:『ザ・ガーディアン・オブ・ア・キャッスル(城の守護者)』LV1(機能・付帯スキル:城の守護結界 結界範囲半径5m、浄化)
拠点の守りに特化したスキルか凄いな。それとどうやら前世の記憶が蘇ったりしていないようだ。文字化けスキルが覚醒しても絶対に前世の記憶が蘇るとは限らないのか。ん?そうだ称号は本人しか見えないんだったか。
「称号はなにか書いてあるか?」
「何もないですね」記憶が戻らないと異世界転生者の称号は付かないと言うことかな?
「そうか、では少し話を聞いてくれないか?」
お読みいただきありがとうございます。
誤字報告ありがとうございます。
感謝を込めて、今日(2021.06.13)12:00と17:00に追加で投稿します。
少しでもおもしろいと思っていただけましたら、ブクマ、評価をお願いいたします!
 




