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#22

アラームの音で起きる。朝6時だ。


短剣を持って素振りをする。少し汗ばんで来た頃にカル爺、アルヴィンと兵士5人が外に出てくる。これから巡回に行く準備をしている。簡単に挨拶を交わし15分程で準備を整えると門から出ていく。


今日は残った騎士2人が稽古をつけてくれる。


朝食を食べて広場へと向かうと騎士2人とアルスとロストもすでに待っていた。


「遅れたか?」


「いえ、まだ時間前です」と騎士アルカス。


「それでは訓練を始めましょう。まずはそれぞれの武器で素振りをお願いします」と騎士マルスは言い、素振りを始めた俺、アルス、ロストを見ていく。


「マリス様は大分鍛錬されている様子なのでアルカスと訓練を行ってください。アルス君とロスト君は私と型から学んでいきましょう」と別れて訓練をする。


「ではマリス様こちらへ」と広場中央へと進む。そこからは木剣に持ち替えて騎士アルカスが構えた剣へと打ち込んでいく。


どんなに力強く打ち込んでもゴムに打ち込んでいるが如く受け止められる。凄い。


「マリス様、マリス様は年齢の割には強い剣戟ですがまだ身体ができていません。まずは力では無く技術を習得しましょう」とケースケースでの捌き方や足の使い方、人相手と魔物相手との違いを説明して実践で教えてくれた。


どうやら騎士アルカスとマルスは男爵家騎士団の中でも上位騎士に相当する騎士らしい。信じられないくらいの剣戟の重さと鋭さ、足捌きや移動の速さ、それに剣戟を受けた際の安定感はさすがとしか言いようがない。勉強になる。


訓練は子供ということもあり午前中で終わりだ。この短い時間でもかなり自分でもびっくりするぐらい技量が上がった。やはり基本は大事だ。ここだけで終わらせるには惜しいので領主館に帰ってからもたまにでいいので訓練をお願いした。即答はできないが領主である男爵と騎士団長であるカル爺に相談して決めると言うが多分大丈夫だろうと言ってくれた。


汗を拭いて昼食を食べに駐屯している屋敷の食堂へと行く。ここでは開拓民の奥さん達が順番を決めて食事を作ってくれる。


そこで5人で1つの机を囲み食事を摂る。食事を終えて出されたお茶を飲んでいると騎士マルスが声を掛けてくる。


「マリス様、少し聞いても良いですか?」


「なんだい?僕で答えられることなら良いよ」


「では聞きづらいのですが、文字化けスキルであるというマリス様がどうして剣術や槍術、そして身体強化を使っているように見えるのかと」


「おい!失礼だろ!」と、騎士アルカス。


「いや良いよ。アルカス」


「はい」と返事はするがまだ騎士マルスを睨んでいる。


「う〜んどこまで話して良いかわからないけど・・まずスキルは持っていなくても得ることができる。ここまでは良いかな」と騎士2人を見ると頷いている。


「普通では剣術や槍術はかなりの訓練をしなければ身につけることは困難だ。ましてや僕は5歳で剣を持って振るにも5歳の体では普通はできない。でもそれを補う方法がある。それが身体強化だ」


「それは分かりますが身体強化スキルは剣術や槍術、体術がレベル2にならないと覚えられないのでは?」


「普通はそうなんだが違う方法で取得する方法がある。身体強化は魔力を使い体が強化されるな」と2人の騎士は頷く。


「アルカスとマルスは上位騎士でかなりの使い手で魔物の気配も判るだろう?」


「はい。カル騎士団長程ではないですが判ります」とアルカス。


「それは魔物が身体から発散している魔力を捉えるからなんだ。僕はたまたま自分の魔力がある位置が分かったんだ。それを身体全体に循環させていたら魔力操作を覚えて魔力感知も覚えたんだ。それから日常で魔力を循環させていたら身体強化を覚えたんだよ。それからは身体強化と魔力循環を使い力を底上げして槍や剣を振っていたらスキルを取得できたんだ」全て本当のことでは無いが良いだろう。スキルは隠しておきたい。それにこれはチャンスかも。


「待ってくださいマリス様。身体強化と魔力循環は重複するのですか?」


「ああするよ。循環させる魔力量を調整することによって強弱もつけることもできる」


「!、マリス様、不躾なお願いですが魔力循環を教えてはもらえませんか」と申し訳なさそうにアルカスは聞いてくる。よし、乗ってきた。多分だが俺が考えている方法で取得が可能となる筈だ。良い機会だ、試させてもらおう。


「良いよ。じゃあまずは身体強化して、その魔力が循環しているのを感じてくれ」


騎士2人は身体強化を発動したらしく目を瞑り魔力を感じとろうとしている。すると、


「はい、身体に魔力が隅々まで行き届いて巡っているのが分かります」とアルカス。


「俺も分かりました」とマルス。


「では身体強化を止めてくれ」2人は身体強化をやめて目を開く。


「次は左胸に手を当てて心の臓が動いているのを感じてくれ」2人は右手を左胸に当てて鼓動を感じとる仕草をする。


「はい分かりました」と鼓動を感じ取れたようだ。


「その近くに魔力が有る。それを探してくれ」そういうと2人は目をつぶり身体の中の魔力を探す。


「これでしょうか?なんとなく在り処が分かりました」「俺もなんとなく」と2人。


「その魔力を少しずつ動かして見てくれ」それから数分2人はうなり続け・・、


「!、動きました」とアルカス。むむむと唸っていたマルスも、


「う、動きました」と言ってくる。


「今度は動いた魔力をゆっくりと身体の中を循環させてくれ」と2人を魔力で強化した目でみるとゆっくりとではあるが魔力が巡っているのが見える。元々身体強化を使っていたせいか、ものにしていくのが早い。


そこそこの速さで循環できるようになった頃、


「では2人共、その状態を維持ししつつ歩いてくれ」と言うと2人は立ち上がり、あっとか、うっとか呻きながら歩き始める。20分も歩いた頃にはスムーズに歩き始める。


「これくらいかな。2人共ステータスを確認してくれ」と言うと2人はステータスを確認すると、


「あっ魔力操作と魔力感知が取れています!!」とアルカス。マルスも同様に取れたようだ。


「あとはひたすら魔力循環して慣れるだけだ」


「ありがとうございます」と2人は言い外に出ていく。外で魔力循環の訓練をするのだろう。


やはり考えは間違いなかったようだ。ふとみると、うんうんと唸っている子供2人がいるが、まぁほっとこう。

お読みいただきありがとうございます。


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