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#16

アラームで起床。顔を洗い今日はパンとスープで朝食をとる。


パンを軽く焼いてオリーブオイルを塗って塩を少し振って食べる。美味い。スープを頂いたら食後にハーブ茶を飲む。うむ、マッタリだ。


魔力循環と魔力隠蔽を維持しながら正門へと向かう。すると、


「待っていたぞマリス!」と朝からウザイぞノラス。


「なんだバカノラス?」


「バカとはなんだ!失礼だぞ貴様!」と激オコなノラス。


「だから何の用だと聞いているんだよ」


「この前は慣れない剣を使ったが今日は槍術スキルを持つ俺が槍を持ってお前を訓練してやる!」


「はぁ」とため息して、ノラスの後ろにいる騎士に目を向けると申し訳なさそうに頭を下げる。しょうがない。付き合うか。


「分かったよ。演習場か?」


「そうだ」とずんずんと歩いていく。


演習場に近づくと青表示が2つと黄色表示多数。少し離れて赤表示1つ。赤表示が1つあるな気を付けよう。


演習場に着くと、


「おはようございます。マリス様」とカル爺。


「ああ、おはよう」


「ほう、成長しましたな」とカル爺。何がだ?んっ、もしかして魔力隠蔽に気づいたのか?


「すごいなカル爺は」


「いえいえ、マリス様こそよくそこまで鍛錬なされた」と言ってくる。やはり魔力隠蔽の事だな。


周りの騎士や兵士は何の事だと小首を傾げている。お前らはまだまだだな。もう1人の青表示を見ると前に正妻が何か言って来た時に母さんの事は本当か?と正妻に聞いた兵士だ。なるほど母さんは色んな人に好かれていたんだな。


「おいっマリス!早く武器を選べ!」とノラス。いちいちウザイ。


今回は槍を選ぶ。折角槍術を覚えたしね。


演習場中央にいき槍を構える。


「お前は俺を舐めているのか?文字化けスキルのお前が槍術を持つ俺に槍で敵うはずないだろう」と鼻で笑う。


「何でも良いだろう。早くはじめろ」と審判役の騎士をみる。すると、両者を確認して、


「初め!」と開始。


魔力を多く循環して身体を強化して槍に魔力を纏わせる。今日は初めから全力で行く。今後、絡んで来ないようコテンパンに打ちのめす。


ノラスが踏み込んで槍をついてくる。それを槍の中央を持って石突側で弾き返しに槍側でノラスの右肩あたりを叩く。


「ぐあっ」と声をあげてバランスを崩したノラスを石突側で左側面を打つ。更に槍側で右側面を連撃で打つ。数発槍先と石突側で打ったところで槍を頭の上に両手で持ち槍をブンブン回す。その回した勢いを殺さずに身体も回転させて遠心力を使い遠心力が乗った所で持っていた槍を少し離して槍先側が遠心力に従い飛び出す。ノラスに槍が当たる瞬間に石突側を掴み更に身体を回転してノラス左側面を撃ち抜く。


ゴギャっとしてはいけない音がしてノラスは吹っ飛んでいく。ゴロンゴロンと転がり止まる。審判を見る。その視線に気がついた騎士がノラスの状態を確認しに行き、


「勝者!マリス様!」と宣言。


カル爺を含めた騎士や兵士がガヤガヤと集まってくる。


「さすがですなマリス様」とカル爺。


「ただ鍛錬が足りないんだろ」


「カカカ」とバシンと背中を叩いてくる。


そこに隠れて見ていたであろう赤表示がこちらに向かってくる。


背後から、


「あの女の息子が偉そうに!」と侍女らしき女がナイフを片手に突っ込んでくるが。バシっと手刀でカル爺にナイフを落とされ拘束される。


カル爺の説明ではノラスの侍女らしい。こいつが有る事無い事ノラスに吹き込んで煽っていたみたい。


後で聞いた話だが母さんは元々はモラニデ村出身の侍女だったらしい。館で働いている所を男爵に見初められてという事。なので面白くない侍女長や侍女は結託して正妻に協力していたのだとか。そんな小さなプライドのために母さんが殺されたと思うと悲しいし虚しい。


カル爺は、


「これで今の館内の膿は無くなりましたな」とか言ってカカカと笑っている。溜め息しか出ないよ。これで終わりだといいなと本気で思う。


この件から騎士や兵士の俺を見る目が変わった。何か影響を与えたらしく演習や訓練に集中して臨んでいるらしい。良かった良かった。


何もないと俺の心が荒むよ。


そんな事があってから数日。襲って来た侍女は奴隷落ち。ノラスは勿論お咎めなし。たまに絡んでくるが無視だ。


そんなある日、夕方正門まで戻ってくると兵士から、


「明日、マールス様が王都から戻ってきます」と言って来た。


長男で嫡男のマールスは10歳。今年から王都の学院に通っている。子爵領を越えた先の伯爵領にも学院はあるが、王都の方が格式が高く、今年は第2王子や公爵家嫡男などが入学しているためにあわよくば顔見知りになれればということで王都の学院に通っている。王都の学院は全寮制だ。今回は7月半ばから9月初めまでの長期休暇となる。


それが戻ってくる。嫡男マールスとはあまり関わりはないが正妻の件もある。警戒はしておこう。


あの性格のカル爺は当てにはできない。何かあれば笑って煽ってくるだろう。頭が痛い。


離れに戻りお湯を沸かして体を拭いて綺麗にする。やはり風呂に入りたい。離れの裏にでも浴室作るかな?まぁ、考えよう。


簡単に食事を済ませたら今日は魔力を枯渇させて就寝する。



明日か何もなければ良いのだが・・・・・。

お読みいただきありがとうございます。


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