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ヲタギャさんはただ推しを崇めたい  作者: ヲタギャの代理人
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第1話

今回は主人公紹介文。

世の中には、理解しがたい趣味を持つ人が多くいる。

それは、アイドルオタクとか、2次元オタクとか、声優オタクの類を指す人もいれば、UFOとか心霊などのオカルト趣味を言う人もいる。

しかし、音楽というのはまた難儀なもので、オペラや歌手がいないクラシックの他に、女性、または男性アイドルだったり、ロックバンドを組んでる人もCDを出したり、またアニメも、声優が歌って踊ったり、声優がバンド組んでミュージシャンとして歌ってたり、世の中の音楽はさまざまな類が生まれている。

しかし、それはすでに受け入れがちになってきたジャンルなのだ。この世には、まだ偏見ダダ漏れがちな音楽ジャンル的なものがある。

それが、ヴィジュアル系、と言われる類である。

男性のみなさまの見た目がド派手でデスボイスが多いために苦手意識を持つ人もいれば、ライブの振り付けがヘドバンだったり逆ダイだったり、あとはボーカルの煽りが怖いとかなんとかで、今日では危ない領域と言われてしまっている。


「だから違うんだって!楽しいよV系のライブ!一果ちゃんも行けば分かるんだってぇぇぇ!」

「いやだから菫子の話でお腹いっぱいなんだっつってんの!あたしヘドバンできないから行かないの!つか、今度アニメのイベ行くんだからそれでいいじゃん!」

「それ一果ちゃんが行きたいからってとったやつじゃんんん!ライブで等価交換しようよぉぉぉぉ!」

「ハ○レンか!」


ウタカタ高校の2年B組の教室にて。泣き喚いている眼鏡少女は、川谷菫子。彼女につっこみをいれている短髪の少女は朝霧一果である。一果は至って普通のアニメ好きで、いろんなアニメを見ては菫子と盛り上がっている腐女子系アニヲタだが、菫子はアニメも声優もイケて、ヴィジュアル系を激推ししている、俗に言うヲタギャである。


「つか菫子、今日CD発売だったよね?インストア行けたの?」

「昨日フラゲしてきました!インストアイベントのトークチケット貰ったし握手会とサイン会もつきました!」

「良かったじゃん、何キレてんの?」

「一果ちゃんが話そらすからだよ!」

「だからやだって。ひよりと行きなよ」

「ひよちゃん予定が合わないんだもん!」


ひよりとは、田宮ひよりという学校1の美女であるために学校のマドンナであり、菫子の唯一のバンギャ友達である。声が聞こえたのか、ふんわり可愛い女の子がやってきて菫子に謝る。


「ごめんね菫子ちゃん……どうしても行きたいライブがあるから……」

「い、いいんだよひよちゃん!ひよちゃんの推しバンなんだし、優先して当然だよ!むしろ一緒に行けなくってごめんね?」

「いいのいいの、菫子ちゃんも推しバンなんだし……次の日、お話聞かせてね?ライブももちろんだけど、セトリ知りたいの」

「もちろんだよ〜!セトリ覚えてくるね!あ、ひよちゃんの方のセトリもお願い!」

「ふふ、分かった」


そこまで言ってもらって、菫子と別れるひより。

一果は菫子に言った。


「ほんと、マドンナと対等に話せるアンタが凄いわ」

「何で?ひよちゃん優しいよ?」

「違う、よく緊張しないで話せんね」

「何言ってんの!?あたしの話についてこれるのひよちゃんだけだし、何より推しに会うほうがよっぽど緊張するよ!あの衣装、しかもフルメイクであの人に目の前に立たれたらもう……!あなたのために、雌豚(わたし)は何でも差し出しますわぁぁぁぁぁ!」


眼鏡を曇らせるほど、顔を真っ赤に染め興奮しながら叫ぶ菫子。一気に注目を集める菫子に、一果は彼女の頭をバシッと叩いて言った。


「落ち着けバンギャ、学校で雌豚叫ぶな。思い出して鼻血出すな」

「一果ちゃんだってBL読んだら鼻血出すでしょ」

「言うな」


自分のハンカチを出して、垂れ流れる幸せの象徴を拭き取る菫子。一果ははぁ、とため息をつきながら菫子を見る。

眼鏡で三つ編みという廃校寸前の林間学校にもいそうな彼女だがバンギャであることに、小学校からの付き合いである一果はとんでもないギャップを感じてしまう。アニヲタだったのは昔からだったのに、何でこうなったのか。

ハンカチをしまうと、菫子はすかさず言った。


「で、ライブ一緒に行ってくれる?」

「やだっつってんでしょ」


菫子による一果、バンギャへの道アプローチは、まだ続く。


次回から本格的に戦います。

多分。

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