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あひるの冒険  作者: ルンバ
4/11

第四話「旅人夫婦」

ーキャラ紹介ー

名前:あひる

性別:女

役職:魔法使い

種族:人間

使用属性 (現在分かっている範囲)

火、水、光、風、無、


性格

少し抜けたとこがあるが正義感が強く

困ってる人を見かけるとすぐに声をかけてしまう、魔法とポーション調合が大好き。

 木々の生い茂った深い森の中、木々の隙間から太陽の光が微かに差し込んでいる、その森にある人によってある程度整備された道を荷物を背負いながら歩く男女2人、男性の頭には丸いツノが生えていて、羊のようなツノをしている、名はぼぼてん、ぼぼてんの隣を歩いている女性の名はちゃびこ、ぼぼてんとは違いツノは生えていない。


「ねぇ、本当にこの道で合ってるんだよね?」

「そこは多分大丈夫だと思う」

「多分って、いくら道ができてると言っても昼なのに暗いし、モンスターも出てきそうだけど......」

「確かに暗いけどそれは木が太陽の光を遮っているからだし、もし万が一魔物が出てきても、その時は僕が戦うから!」


 ぼぼてんは胸を張り、右手で自分の胸を叩いた。


「戦うと言っても攻撃系の魔法全然使えないじゃない!」

「はい、そうでした......」


 胸を張るのは一瞬、そう突っ込まれてしまったら肩を下ろしてしまうのもすぐであった。


「私が前衛、後ろからサポートしっかりしてよね!」


 森の中でそうしゃべりながらゆっくり歩きながら進んでいたその時、森の奥から何か大きなものが木を勢いよく倒しながらこちらへやって来る音が2人に聞こえた。


「この音、何かこっちに向かってきてる?」

「もしかして魔物だったり?」

「そんなまさか、そんなことは......」


 木をなぎ倒しやってきたのは、カマキリの様な巨大な鎌を持った魔物だった。


「あるじゃーーーん!!」


 巨大なカマキリは2人に、その大きなカマで切りつけてくる、2人はその攻撃を避ける。


「こんなでかい魔物、会ったことない!」

「どうする、逃げる?」

「逃げるって言われても、逃がしてくれそうな感じしないけど?」

「じゃぁ戦うしかないね、勝てる気が全然感じないけど! パワーマジック!」


 ぼぼてんは強化魔法をちゃびこに付与した、ちゃびこは剣を構え、巨大カマキリに向かってダッシュした、巨大カマキリの攻撃をかわしつつどんどん間合いを詰めていく。


「でかい分攻撃が遅い!」


 ちゃびこは高くジャンプし、巨大魔物の頭に向かってその剣を振り下ろす。


「くらえ!」


 カキーン......


 手に石を剣で思いっきり叩いた時と同じ感触が伝わる、魔物の頭に刃は通っておらず、剣先が折れていた。


「うそでしょ!?」


 ちゃびこは弾かれた勢いで体勢を崩す、魔物ががちゃびこを切り裂こうとする、その大きな鎌をまともに食らえば良くて致命傷である。


「ちゃびこ!!」


 ぼぼてんはちゃびこに向かって走っていく。


(くそ! この距離じゃ間に合わない! こんな、こんなところで僕たちの旅を終わらせたくない......悪魔でも天使でも誰でもいい! 誰か!)


 その時、その思いに呼ばれたかのように、森の奥から火の玉が大砲のように飛んできた、その火はカマキリの顔面に直撃し、カマキリはその衝撃で倒れた、ちゃびこは体勢を治せずそのまま地面に落っこちたがぼぼてんが下敷きになっていたため、怪我はしなかった。


「危なかった〜、今のは誰が? ぼぼてんがやったの?」

「いやいや! あんな玉、僕が撃てるわけないじゃん」

「それは確かに、じゃあ誰が?」


 すると火の玉が打たれた方向から人影がこっちに向かって来る。


「大丈夫? 怪我してない?」


 そう声を掛けてぼぼてんの方へ走ってきたのはリブから預かった杖を持ったあひるだった。


「怪我はないけど、あなたがあの火の玉を?」

「そうだよ、まぁ流石に一発じゃ、あのカマキリ倒せなかったみたいだけど」


 倒れていた魔物がその巨体を起こし戦う体制に戻った。


「あの魔物、頭と同じで全身硬い、魔法使いさんどうするの?」

「あ〜、えっと確かこういう生き物は関節が弱いんじゃなかったっけ、だったら」


 あひるは風魔法を使い自分の体を宙に浮かせそのまま巨大な魔物に向かって飛んで行った。


「カマイタチ!」


 と、あひるが言った途端、風切音がどこからともなくなり始め気づいた時には魔物の複数ある関節に切り傷ができていく、すると魔物はまともに立てなくなり体勢を崩した。


「チャンス! そこ!」


 あひるが魔物にとどめを刺そうと杖を天に掲げたその時、魔物が「ギエエエエエエエ」と叫ぶと、体全体が赤く染まり体のあっちこっちにあった装甲が剥がれ、身軽そうな見た目になった。


「あれ? もしかしてここから? どうしよう」


 巨大魔物はぼぼてんとちゃびこの方に向かってさっきとは比べものにならないほどの速さで走ってくる。


「速い!」


 あひるは魔物に向かって再び火球を放った、魔物はそれをギリギリで交わされたが、火球が爆発を起こし足止めには成功した。


「それなら......」


 あひるは二人のところへ飛んで行った」


「そこのお二人、ちょっと手伝って欲しいんだけどさっき私がやった様に足の関節全部切って時間稼ぎして欲しい、その後に私がでかいの撃つから」

「え、いきなりそんなこと言われても!......やるしかないか! 魔法かけて!」

「わかった!」


 あひるは再び空中に飛び再び杖を天に掲げた。


「アクセラレーションマジック!」


 ぼぼてんがちゃびこに魔法をかけると

ちゃびこが魔物に向かって走りだす、魔法の効果を受けたちゃびこはとても素早く、50メートルを1秒で走りきれるほどの速さだったが、魔物はちゃびこに対して反応が間に合っていた。


「私のスピードについていけてるなんて! やあ!」


 ちゃびこは隙を突き、足3本の関節を切った、足を切ったことにより動きが鈍くなり、カマキリの足には次々と切り傷ができて行く、しかし魔物の足の傷はどんどん治って行く。


「嘘!? 傷が治癒の早い! あの人まだなの!?」

「そのまま切り続けて! 後少しだから!」


 ちゃびこはそのままカマキリの足を切り続け、動きが鈍い状態をキープさせる


「ちゃびこ、そろそろ魔力切れそう...」


 ぼぼてんの魔力の限界が来そうになったその時。


「よし! 二人とも魔物から離れて!」


 それを聞いたちゃびこは即座にその場を離れる、魔物はちゃびこがつけた深い傷で動けなくなっていた。


「火の精霊よ、その灼熱の炎で大地もろとも私に立ちはだかる壁を焼き尽くせ!」


 あひるの足元にに赤い魔法陣が展開され、あひるからは赤いオーラが滲み出ている、周りの温度も上昇し暑くなっていく、そしてあひるは掲げた杖を強く握り直した。


「師匠秘伝魔法! パート1! ラージエクスプロージョン!」


 その言葉が言い終わると同時に赤いオーラがあひるの頭上に集まり、太陽の様な炎の玉が出現した、あひるはにっこり笑いながら杖を縦に振り下ろす。


「やっちゃえ!」


 炎の玉はゆっくり加速し始め徐々にスピードを上げていく、そのまま魔物は何も出来ずに衝突した、それと同時に炎の玉は大爆発を起こした、爆風は凄まじく、周辺の木々をなぎ倒していく、ちゃびこは剣を地面に突き刺し耐えている、ぼぼてんは吹き飛ばされそうになったがなんとか踏ん張っっている。


「何これ!? 威力高すぎ!」

「まさかこの魔法は! うわあああああ」


 ぼぼてんは踏ん張りきれず吹き飛ばされてしまった。


 しばらく続いた爆風が収まり、どうなったか見てみると爆発の跡は凄まじく、魔物は跡形もなく消し飛び、周りの木々は曲がり、小さなクレーターができていた、クレーターにはまだ燃えてるところがある。


「なんなのこの威力......初めて見た」

「詠唱魔法が使えるなんて、ただの魔法使いじゃない......」


 説明しよう、魔法使用には術式魔法、詠唱魔法、無詠唱魔法の3種類が存在し、術式魔法は紙や地面に魔法陣を書き任意のタイミングで発動することができる魔法。使用魔力が安定させることができるため戦闘で使う人がたまにいる。


 詠唱魔法は魔法を詠唱し、精霊と魔力を同調させることによって効果の強い魔法を使うことができる、ただし体内の魔力を大量に使うため危険であり誰でも使える代物ではないため使える人はごくわずかである、いくら魔力があっても精霊が拒絶すると詠唱魔法は使えない、選ばれたものしか使えない魔法である。


 無詠唱魔法は詠唱魔法とは違い、何も言わずとも魔法を出すことができる、コントロールもしやすく、大半の魔法を使う者は無詠唱を主体としている、使い手によっては詠唱魔法並みの魔法を出すことができる。


「危ないところを助けてくれてありがとうございます! 危うく死んじゃうとこでした」

「いやいや大丈夫だよ、むしろこっちも時間稼ぎしてくれて助かったし」

「あの、その大魔法はどこで?」

「さっきの? あれは師匠に教えてもらった魔法だよ」

「なるほど師匠さんでしたか、じゃあその師匠さんはすごい人なんですね」

「うん、まぁね」

「ところであなたの名前は」

「ストップ!」


 あひるがぼぼてんの質問をぶった切るように止めた、ぼぼてんはくちは開いたまま一瞬固まった。


「かしこまって話すの好きじゃないので敬語は禁止!」

「それは私も賛成!」

「わ、わかった!」

「ところで魔法使いさん、あなたの名前は?」

「あぁ、私の名前はあひる、見ての通り魔法使いで旅人です!」

「あひるちゃんか、私はちゃびこ、こっちの羊がぼぼてん」

「よろしく」

「私達も旅をしているの、私たちはゆったり暮らせるのどかな場所を探してる、あひるちゃんはどう言った理由で旅を?」

「自分探しの旅......かな、私ね師匠に拾われる以前の記憶がなくってね、旅をすれば見つかると思ったの」


 記憶喪失ということを話した一瞬は二人とも驚いていたが、すぐにその驚きの表情は消えた。


「なるほどそれで自分探しの旅か〜、いいわねそういうの! 私たちはゆったり暮らせる場所を探すって言ってもただ世界中を歩き回って旅をしてるだけでゴールが全く見えないんだけどね〜」

「世界中を旅をするのも素敵だよ! 色んな場所を見て回ってそれだけでも十分立派な旅だと思う! うん!」


 あひるはちゃびこの両手を握った、ちゃびこはその勢いに押されて少し後退りをした。


「そ、そう? ああそれよりあひるちゃん、次の目的地とか決まってるの?」

「まだだよ、今日から旅を始めだからまだきまってないよ」

「今日から始めたの!? さっきから驚かされてばかりだね。」

「決まってないんだったら僕たちと一緒に近くの街まで行こうよ」

「ほんと!? 地図とか持ってないからどうしたらいいか分からなかったんだ〜! それはすごく助かるかも! ありがとう!」

「いやいや! 死にそうなところを助けてもらったんだから感謝しきれないよ」


「こっから近くの街まで1日はかかるんだけどね〜」


 あひるは一日という発言に少し驚きはしたが、これが旅だと少し実感させてくれる言葉だった、そしてあひるはちゃびことぼぼてんと共にしばらく一緒に行動することになった。


次回「初めての街」

今回も読んでいただきありがとうございました!

次も読んでくれたらとても嬉しいです!

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