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あひるの冒険  作者: ルンバ
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第二話「魔法」

・ザレイ夫婦の家

 リブとイグルドが暮らしている一軒家、手作りされたその上に二人はかなりの愛着を持っている。

広すぎず狭すぎないその家は、とても住みやすい家となっている、家の周りには深い森になっていて道というものは何もない、動物も虫も寄り付かない不思議な家になっている。


 あひる、リブ、イグルドは食事を終えて食器を片付けて再び席へ着いた、ちなみにイグルドにあひるの記憶についての説明は終えている。


「それじゃあ記憶喪失のあひるちゃんが気になっていたであろう魔法について説明するわね、それでこの魔法のことを説明する前に、魔力について知っておきましょう」


「魔力?」

「魔力って言うのは簡単に言うと、空気中と

体の中にある普段見えない不思議な力、私たちの体内には血液の様に魔力が流れていて

生き物全部に魔力が流れている、そして、体内に流れている魔力の存在は生きる者にとって必要不可欠で、体内にある魔力が限りなく少なくなると、力が入らなくなって立つことも難しくなるの、魔力が体内から完全に無くなると、最悪死んでしまうこともあるわ、ここまでは大丈夫?」

「まぁなんとか」


「よし、で、空気中にある魔力は魔法を出すためにも必要不可欠なんだ、魔法っていうのは体内にある魔力と空気中にある魔力をひもの様に結ばせて出来る、いわば現象みたいなものよ、その現象を意図的に発生させたのが魔法と定義されてるわ」


「へ〜! なんか難しそう」

「まあ深くまで構造を知るとなると、だいぶ難しくなるわね間違いなく、話を続けるわね、私がさっきやったのは体内にある魔力を直接包丁に送ってその魔力を空気中の魔力と結んで包丁に魔法を宿らせたの。」


「ん〜、さすがにわからなくなってきた......」

「まぁ今分からなくてもそのうち分かるわよ、これは練習すれば誰でも出来るようになるし、まぁさっきのレベルまで行くには時間はかかるけどね」

「そう言えばスキル? なんかを合わせたって言ってたよね、スキルってなに?」


「ちゃんと覚えてたのね、スキルって言うのはまぁ、特技みたいなものね例えば、私は料理が得意だから料理スキルが使える、スキルも魔法に近いっちゃ近いんだけどね」

「え? それはなんで?」

「スキルも少量ながら魔力を使うのよ、そこら辺は今説明するとややこしくなるからまた後でね」


「う〜ん、じゃああの素早く魚を切ったのがスキルってこと?」

「そうそう!理解が早くてたすかるわ。スキルを使う時の少量の魔力っていうのは、体内の魔力で、空気中の魔力はほとんど使わないわけ、スキルの殆どが身体能力強化系で、まあ言っちゃえばスキルは身体能力強化系の魔法の総称のことを指すってことね、いけない、ややこしくなってきたわね、まあとりあえずこのくらいでどう?」

「魔法にスキル......よし、決めた! 私魔法使えるようになりたい! だからリブちゃん! 私に魔法とスキルをもっと教えて!」


 あひるのいきなりの発言に2人は驚いた、イグルドは笑い右手を顔を覆った、リブはそれに対し、ポカンとした表情だったがすぐに真剣な表情へ変わった。


「あひるちゃんに魔法を教えるのは全然構わないのだけど、魔法は使い方を間違えれば危険な物、戦争にだって使われてる、楽な道ではないわよ、やるなら覚悟が必要よ」

「覚悟......」


 あひるは息を飲むがリブはクスッと笑った。


「ふふっ、大丈夫よ! ちゃんと教える、確かに人殺しに使われているのは事実だけど、でも魔法は人助けにも使える、つまり使い方さえ間違えなければ大丈夫よ! あひるちゃんは魔法を使っても多分大丈夫だろうし!」

「多分って......」

「私の感よ、よく当たるのよ?」

「ん? つまりじゃあ私に魔法の使い方教えてくれるの!? やったー!」


 あひるはよろこびで跳ねるように立ったがその勢いで椅子も倒れた。


「早速教えたいところだけど今日はもう暗いしまた明日にしましょう、とりあえず今日は布団を出すからそこで寝て」

「わかった、楽しみ!」


翌日......


あひるは、開けられた窓から聞こえる小鳥のさえずりと台所の包丁の音で目を覚ます。

「リブちゃん、イグルドさんおはようございます〜」

「あひるちゃんおはよ〜」

「おはよう、よく寝れたようだな」

「朝ごはんできてるよ、食べたら早速魔法の授業するからね〜」


「まほう......? あ! 魔法! そうだった!」

 あひるはその言葉で一瞬にして目が覚めた。


 食後......家の外にて


「それじゃ早速授業を始めるわよ〜!」

「はい! よろしくお願いします! リブ先生!」

「それじゃあ、まずあひるちゃんの使える属性を見つけましょう!」

「先生! 属性ってなんですか?」


「属性っていうのは、その魔法の種類の様なものね、属性の種類は沢山あってまだ未知の属性も沢山あるの、今回は大まかな5つの属性を、魔道書を使って弱めの魔法を撃ってもらうわね、はいこれ」


 そう言うと、リブはあひるに一冊の少し古くなっている本を渡した。


「これが魔導書? どうやって使うの?」

「私が言ったページを開いて、手から魔道書に魔力が流れていくのをイメージして、そして魔法を出そうと強く考えるの、そうすれば魔法が撃てるわ。今回試す属性は、火、水、木、光、闇の5つね、この5つは一般的に基本の属性だから覚えておいてね。じゃあ火から試しましょうか」

 

 あひるは、リブに言われた通り言われたページを開いた、そこには色々な模様と文字が書かれていた、あひるは魔導書を両手で持ち、手から魔導書に魔力が流れるのを強くイメージした、体からほんの微かに何かが流れているのを感じ取った、すると魔導書から勢いよく炎が出てきて、思わずあひるは本を落とした。


「わぁ!? できた! できたんだよね!」

「すごい、あんな火力久しぶりに見た、あひるちゃん次はもう少し流す魔力量を少なくしてみよう、なかなか難しいかもだけどこの火力のままだとあひるちゃんが危ないから」


 リブは落とした魔導書を拾って別のページを開いてあひるに渡した。


「わかった、やってみる」


 あひるはさっきと同様に魔導書を両手で持ち、魔力の流れをイメージした、今回は一気に流さないように注意しながらした、すると魔導書から水が湧いてきた、最初は少量だったが、あひるが一瞬気を緩めた瞬間、湧き出る水の量が急激に増えて噴水のように水が出てきてしまった、あひるは慌てて魔力の流れを止めたが、あひるとリブはびしょ濡れになってしまった。


「ふふっ、惜しかったわね、でもいい感じだった」


 リブとあひるはクスクスと笑い合った。


「でもびしょ濡れになっちゃったね」

「大丈夫、任せて」


 リブが右手をあひるの方へ出した、するとどこからともなくあひるの周りから風が吹いた、その風はあひるとリブの濡れた服を一瞬にして乾かした。


「すごい、これも魔法?」

「そう、まぁ温かい方が乾きやすいんだけどまだ研究中、じゃあ次は木属性、このページね」

 

 あひるは再び魔力を流してみたが今回は少し感覚が違った、そして魔法は発動しなかった。


「あれ? でない」

「適性がなかったんだよ、なんか感覚違かったでしょ」

「うん、なんか魔力を流しても放出されない感じがした」

「それが魔法の適性、魔法を出そうと思っても発動できない属性があるの、だからこうやってしらみ潰しに適性属性を探してるの」

「なるほど〜、次の属性は?」

「次は光属性、このページね」


 今度は本から光の玉が出現した、その光は思わず目を瞑ってしまう程の強さの光だった、あひるは耐えきれず本を閉じた。


「目がやられちゃうとこだった」

「やっぱりあひるちゃんは魔力量がかなり多いみたいね、初めてこんなに魔力を急激に使っているのにまだ元気なんてびっくり」

「そうなの? まぁ確かにまだ魔法出せそうだけど」

「じゃあ最後、闇属性だね」


 今回もいままでと同じく魔力を流してみたが今回はうまくいかず何も起きなかった。


「今回は木属性と同じ感覚、適性がないってことか」

「そうね、結果は5つ中3つね」

「それって多いの? 少ないの?」

「この5つでこれだけ属性使えるとなるとかなり多い方ね、どうやら魔法使い向けみたい」

「本当!? 嬉しい!」

「この結果出てもっとやる気が出たわ! どんどん教えちゃうわよ〜置いてかれないようにね!」

「はい!」


 こうして、あひるの魔法勉強の日々が始まった、あひるは毎日修行し時には昼寝したりを繰り返して半年ほどが経った、半年の間にあひるはたくさんのことを学び沢山の経験を積んだ。


そしてある日、あひるは変な夢を見る......


第2話「魔法」 完


次回「旅」

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