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人間原理


 世界は人間の認識によって形作られるという解釈。端的に言えば世界全体がシュレーディンガーの猫状態であり、観測される事によってその状態が決定される。


 観測結果は人の数だけ存在するが、矛盾が起きないように多数決的に世界が形作られる。その世界には人も含まれており、矛盾する観測を得た人物は他者からの観測結果に上書きされる。




 魔物や動物は人の観測によって無から生まれる事がある。どういうことかというと、魔物や動物が居るかもしれない場所には常に居る可能性が存在し、そして居るかどうかは観測された時に決定される。


 学説的には人は無から生まれるはずがないとされているが、実際は他の動物と変わらない。とはいえ人は自我がはっきりしているためめったにそういう事は起きず、ごく稀に無から発生した人は過去も記憶もないため迷い人と呼ばれる。






鑑定原理


 人間原理を拡張した解釈。世界は鑑定結果によって形作られるという理論。


 重要なのは、鑑定の結果は鑑定スキル所持者による観測結果ではないという事。なぜならステータス隠蔽やステータス改竄といったスキルにより鑑定結果が現実と違って表示される場合があるからである。鑑定で人が得られる情報は加工された物であり、本当の観測結果ではない。




 真の鑑定結果の観測者は神である。つまり神がこの世界を形作っている、というのがこの理論の結論である。








不正スキル


 異世界の神がこの世界に異世界人(日本人)を送り込んだ際に与えるスキル。どれもが非常に強力であり、不正スキル一つあれば魔王と互角に戦う事も可能となる程である。異世界人は数十年から数百年に一度、複数人送り込まれ、その全員が不正スキルを持っている。




 異世界人が他の異世界人を殺すと、相手の不正スキルを奪う事ができる。そして全ての不正スキルを集めるとどんな願いも叶うと異世界人に認識されている。そのため、どの世代の異世界人たちもが殺し合いに発展した。






 [再構築介入]


  世界の再構築に干渉し任意に世界を改竄できるようになるスキル。生き物の生き死に以外は大抵の事は変えることができる。他人が倒した魔物を自分が倒したことにして経験値を得る事も可能。


  不正スキル争奪戦での正しい立ち回りは戦わない事。なぜなら他の異世界人が死ねば自分が殺したことにして不正スキルを得ることができるからである。そのため他の異世界人たちはまずこのスキルの所持者を殺しにかかる事になる。






 [限界超越]


  レベル上限、ステータス上限、威力上限などの全ての数値限界を取り払う。例えばスキルや魔法には込められる魔力の上限があるため、限界超越を持っているとそれ以上の威力を出すことができるようになる。ただし相応に魔力を消費する。






 [補助人格]


  固有の人格と高度な演算能力を持つスキルであり、所持者の身体やスキルの操作を代行することができる。


  演算能力は非常に高く、はっきり言って所持者はレプリカにすべて任せた方がより良い成果を得ることができる。強力なスキルほど人間には使いこなすのが難しくなるが、このスキルはそれを完全に使い切ることができる。特に他の不正スキルとの組み合わせは非常に強力。


  このスキルは自身をレプリカと名乗っている。その正体は異世界の神のコピー人格であった。






 [スキル結界]


  所持者から一定範囲内に、他のスキルの効果をもたらす事ができる。レベルが上がるほど効果範囲が広がる。


  触れなければ発動できないスキルを遠距離で発動したり、単体攻撃スキルを範囲攻撃に変化させる事ができる。そして何より攻撃スキルを敵の体内に直接発動する事ができる。そのため万物吸収の天敵である。






 [万物吸収]


  触れたものを分解し自分の魔力として吸収できる。


  吸収は触れれば即時行われるため、どんな攻撃も吸収して無効化することができる。また、敵に触れれば触れた部分をえぐり取る事が出来る。自分の行動に必要な物(空気、地面、光など)は吸収しないように設定できるため、吸収の対象外の攻撃を受けると普通にダメージを食らう。


  自分のMPが満タンになるとそれ以上吸収できないという制限がある。






 [魔力学習]


  魔力を消費して任意のスキルをレベルアップさせる事が出来る。時間が経つほどより多くのスキルを、より高いレベルで揃える事が出来る。










神化プログラム


 不正スキルをすべて集める事で完成する不正プログラム。異世界の神がマリーンの世界の神を乗っ取るために創り出した物である。しかしそのままでは神の防壁を突破できなかったため、不正スキルに分割する事でこの世界に送り込んだ。概念としては、コンピュータウイルスに近い。


 仕組みとしてはまず、[スキル結界]で[万物吸収]を発動し周囲を吸収する。そして得た魔力から[魔力学習]で[スキル結界]のレベルを上げ、より広範囲を吸収する。[限界超越]によりスキルレベルの上限が無くなるため、世界の全てを吸収するまで結界は膨張し続けることになる。


 この世界は神の精神そのものであるため、それを全て喰いつくす事で[補助人格]が神の精神を乗っ取る。[再構築介入]は神の精神を乗っ取るまでの間、神からの攻撃を無効化するための防御装置である。


 本編では再構築介入が組み込まれなかったため神の攻撃をもろに受け消滅した。だがもし再構築介入が組み込まれていれば世界は滅亡していた。








神級スキル


 神の力の一端を振るう事ができるスキル。同時期に二つ存在したことはないが、必ず一つは存在しているらしい。歴代の所持者は全員が女性である。これは所持者が神の別人格と言っても過言ではなく、そして神が女性人格だからである。


 能力は所持者ごとに様々であるが、どれも強力な能力であることは間違いない。また、所有者は副次効果として独立観測権を得る。これは神と同等の観測能力を持つことを意味する。




 神級スキルの役割は、神に変わってこの世界を監視し守る事である。


 また神級スキルのレベルをカンストさせると、所持者の人格は神の意識に統合される。つまり神になる。カンストの条件は、人の領域を踏み越えた神に等しい行為を成す事である。






 <生命付与>


  マリーンが持つ神級スキル。


  魔力を消費して命無き物に命を与える事ができる。ステータス・スキルも同様に与えることができる。マリーンはアイテムにスキルを付与することで多種多様な魔道具を生み出していた。


  付与できるスキルは対象に関連するスキルに限定される。例えば鉄の剣であれば鉄や切る事にまつわるスキルを付与できる。


  命を与えるという事は意識を与える事にも相当する。マリーンは神の意識を呼び起こすことで神化プログラムから世界を守った。


  スキルがカンストする条件は、死者の蘇生である。


  スキルを移植する魔法陣によりオーブン枢機卿の娘(死体)に移植された。フルーのような例外を除き、人が死ぬとその人のスキルは消滅するため、移植と同時に消滅した。






 <状態操作>


  メアリー姫が持つ神級スキル。マリーンが神級スキルを失ったことで発現した。


  ステータスの状態欄を自由に書き換えることができる。状態異常を引き起こすことも直すことも、病気を治癒することも可能。そして恐らく死亡状態にしたり生き返らせることも可能。


  手を対象にかざしただけで発動できることから、遠距離でも使用できると思われる。恐らく過去最強の神級スキル。








神の夢


 この世界の正体。ウォッチ教の聖書に書かれている通り、神は眠りに就くと同時にこの世界を生み出した。夢であるため普段は神の意識は無く、ただこの夢の世界を見るのみである。


 そのため普段は神の力は全知のみに留まるが、神の意識が目覚めた状態、つまり明晰夢の時は全知全能の力を振るうことができる。


 普段が無意識であるため、自分の代わりに意識を持って世界を守る存在として神級スキルを生み出した。




 物理法則を完全に演算するのは負担が大きいため、スキルやステータスによって演算を簡略化・パッケージ化することで負担を減らしている。


 魔力は言わば夢の曖昧さであり、人間たちはそれを都合よく観測することでスキルや魔法の効果を発動している。




 なお夢と言っても、その中でマリーンたち人間は実際に生きている。

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