【夜間調査 3回目】
遅くなりまして申し訳ないです。
とりあえず、結構大変なことになってます。
がんばれ、主人公。
次は、生徒会長目線で進む予定です。
自分の姿を大きな姿見に移した私は思わず口の端が引き攣るのが分かった。
うっへぇ、と何とも情けなくて心底嫌そうな心の声が零れ落ちたけれど聞いている人はいない。
鏡に映る自分は、相変わらず見慣れた容姿で半袖のYシャツも結構馴染んでそれっぽくは見える。
でも、これはあくまで“普通”の目線で見た私だ。
霊視モードに切り替えると、一気に見慣れた体に絡みつくように纏わりつく赤黒い靄や壊死しているかのように黒くなった左の指先から肩。
よくよく見ると左側だけではなくて右の指先もうっすらと変色し始めている。
赤黒い穢れの靄は私の足首や首にも薄ら巻き付いて見えた。
「―――…紐だ」
考えるより早く口から零れ落ちた言葉になるほど、と誰に言うでもなく納得する。
薄くてかなり見え難い赤黒い靄は完全に死体についていたひも状の痣と一致した。
動く右手でそっと首に巻きついているように見える薄く淡いそれに触れようとした瞬間の事。
「ッ……なにをしている!」
切り裂くような声。
思わずバッと体を反転させて振り向けばそこには険しい顔をした禪がいた。
涼やかな目元と普段変わらない整った顔に浮かぶのは焦燥。
落ち着いているどころかあまり抑揚がなく感情が乗らない声には動揺がしっかりと乗せられて、私に届いた。
「禪……?」
イマイチ状況が呑み込めなくて姿見の前で固まる私との距離を禪の長い足が容赦なく詰めて、気づけば目の前にYシャツと制服のズボン姿の彼が立っていた。
ドアの入り口には鞄が落ちている。
「――…首を絞めていただろう。赤紫もしくは赤みを帯びた黒い紐のようなものを使って」
「わた…俺はただ首に痣っぽいのができてたからちょっと触って確かめようとしてただけだよ。ほら、紐なんか持ってないし、その辺に落ちてもいないし」
パッと首から右手を離して掌を見せた。
私も見たけど手に紐も痣もない。
続いて自分の周りに視線を向けてみるけれど紐状のものはどこにも存在していなかった。
禪も私の指摘ではたと我に返ったらしく周囲に目を向けた後訝しげな顔をしている。
「気のせい、だったのか……?いや、それにしては……」
「まだ死ぬ理由もないし自殺なんかしないって」
仕事の途中だしね、と笑ってみせると禪はまだ納得はしていないようだったけれど、全身私を見回した後諦めたように息を吐いた。
禪はそれからドアの辺りに落としたらしい鞄を回収して制服から普段着に着替え始める。
流石にじーっと人様の着替えを見るわけにもいかないので、霊刀を取り出して机の上に置いてみた。
(振ることはできそうだけど、力は殆ど入らないから…諦めて呪符だけで行くべきかな)
シロは勿論連れて行くつもりだけど今日はチュンも連れて行くつもりだ。
引き出しから呪符を引っ張り出して種類ごとに並べた所で、着替えを終えたらしい禪が無表情のまま私と私の机を見て動きを止めた。
「まさか、その体で調査に行くという訳ではないだろうな」
「行くけどそんなに酷い?痣とか目立つかもしれないけど動かないのは左腕から肩までで、歩けないわけじゃないし――…式もいるから見回り位なら大丈夫だよ。流石に霊刀を振り回すのはできないから苦手な呪符を主にするけどね」
霊刀は持っているだけでもある程度の牽制にはなるし、護身用にはもってこいだから置いていく気はないけど。
「あまり時間はかけられないから七不思議の場所だけ見て回るつもりだけど、シロの報告次第かな」
「報告?」
「点呼には行けなかったけど、その間にシロを呼び出して学校を見回ってもらってる。ついでに穢れが発生してたら退治するように指示も出してるから…戻ってきたら場所を教えてもらうつもり。本当なら直接見てみなきゃダメなんだけど、変な発生の仕方してるし放っておいて良いことがあるとは思えないからさ」
須川さんが学校からいなくなって起こった変異は、どう考えてもおかしい。
七不思議の場所で起こるのはまだ理解できるけど複数個所もしくは全ての場所で同時に起こらない上に、一回目より二回目、と徐々に数もしくは質が悪化しているような気がする。
倒せる限りは倒さなければという強い使命感に突き動かされるまま私はシロに命じた。
「今日から、コインを探そうと思う。確証も保証もないけど出来るだけ早く見つけないといけない。須川さんにも言われていたし、きっとコインを見つけることで何かが変わる筈だから」
「優、今日は休んだ方がいい。気づいてるんだろう、何が起こってるのか」
スッと目を細めた禪に“ああ、聡い子だなぁ”なんて感想がじわりと心に湧き上がってくる。
必要以上の言葉はいわないけれど私の身を案じてくれていることだけは十分にわかったから、有難く気持ちだけは受け取っておく。
「わかってる。でも、どうにもならないし……こーなったのは自分のミスだから気にしないで。本当なら禪と二人で調査に行くこと自体やめておいた方がいいんだろうけど、靖十郎みたいな生徒が出るのだけは避けたいから」
協力してもらっていいかな、と尋ねると疲れたようなため息が一つ、返事の代わりに返ってきた。
◇◇◆
校内の雰囲気は、やっぱり変わらない。
部屋で報告を待っていた私たちの元に、式神のシロは真っ白な体毛の一部を汚して帰還した。
怪我をしたのかと慌ててチェックをしたんだけど、どうやら付着した汚れは“穢れ”を退治した時についたものだったようで寮の外に出た時に御神水で洗い流した。
「シロの報告によると今回穢れが発生していたのはロッカー付近で他の場所での派生はなかったみたいだね。他も見廻ってくれたみたいだけど特に気配はなかったって」
「そうか。で、コインを探すと言っていたが場所はどこだ」
「探しやすそうな花壇がいいんじゃないかな。広いから何かあればすぐにわかるし」
拠点までは遠いけれど、寮には比較的近い。
しっかりと地面に根付いている雑草を踏みしめながら花壇がある方向へ足を進める。
纏わりつくような風と汗を掻くほどでもないけれど確かにある暑さに首元のボタンを一つ外した。
「にしても山の中に建てられてるだけあって、夜になると真っ暗だね」
夏の花火大会の時には寮の屋上に上がる許可が特別におりるそうだ。
夏休み中盤だからこそ、屋上から見る花火を楽しみに帰寮する生徒も少なくないと靖十郎から聞いたことを思いだす。
学校自体が街から遠いからかイベントが多く設けられているんだとか。
冷たく重い印象を受けるコンクリートの壁をたどる様に進めば、例の中庭が広がった。
暗さに慣れてきたお蔭かどこに何があるのかはなんとなくわかるし、月明かりが射すこともあるのでそれ程困りはしない。
「んじゃ、早速コイン探し始めようか。タイムリミットは10時まで。疲れたら自由に休憩。で、途中で何かが湧いたらそっちの対処優先ってことで」
「わかった。探すのは花壇で良いんだな?」
「ああ、手汚れるだろうから軍手貸すよ。あとは…園芸用シャベルとかもあるから好きに使って」
花壇横の踏み固められた土の上に持ってきた道具を並べる。
ポーチの中から大き目の軍手と自分用の軍手を取り出した所で酷く呆れたような視線を向けられていることに気付いた。
「えーと……なに?」
「本当に、調査をして大丈夫なのか」
視線が私の首と左手に固定されているのに気付く。
(なんか禪の様子がおかしいと思ったらコレが原因だったのか)
変な話だけれど私以上に私の状態を気にしている人がいるというのは嬉しい。
物心つくかつかないかの時に両親を事故で亡くして、育ての親である祖父母も高校生の時に亡くなったから実質天涯孤独というヤツで。
そういう家庭事情があるからか、私には“帰る場所”がない―――…そんな感覚があったんだけど、今は違う。
思い浮かぶのは縁町で暮らす暖かくてちょっぴり世話焼きな商店街の人たちに仕事で知り合った少し変わった面白い仲間、家族の様な式と私の帰る場所である“正し屋本舗”と須川さん。
「何度か死にかけたこともあったけど“帰る場所”があるって思えば自然と戻ってこれたんだよ、だから大丈夫。それに今は“仕事”中で禪や封魔、靖十郎だけじゃなくて色んな人を正しい状態にする為にここに居るんだから早々死んでなんかいられないし」
あと四日もすれば須川さんも戻ってくる。
須川さんがいれば、大概どうにでもなるので安心だと言ったんだけど禪の表情はますます硬くなるばかりだ。
「須川先生は…―――」
「ん?」
「いや、なんでもない。僕はあちらから探すから優はこちら側から探してくれ」
何かを言いかけた禪を見上げると一瞬綺麗な紫色の瞳が揺らいだ気がした。
月明かりを背負って立っていたから表情は分かりにくかったけど、なんとなく、それだけは見て取れて。
(ホントにどうしたんだろう…?)
心配になって声を掛けようか迷っているうちに、禪は私に背を向けた。
禪の手には軍手と小さなシャベルが握られていて直ぐに花壇へ向かって小さなシャベルで土を掘り起こし始めたので声を掛けるのは止めたんだけど……あの時、須川さんの名前に反応したのが気になった。
(私には言えない伝言とか指示とか受けてたりして)
ありそうだなぁ、なんて思いながら私も花壇にシャベルを突き立てる。
浅く表面を掘り起しつつコインがないか探していく、という作業を無言でただ繰り返す。
途中で禪が川蛍を喚び出してくれたので視界は良好だった。
私の方もチュンを呼んで念の為上空から何かあれば知らせるように指示を出した。
土に薄く鋭利な金属が射し込まれる音、ぶちっという雑草の根がちぎれる音、時折吹く風が草木を揺らす音や虫の声。
夏特有の空気と暗くどこか底冷えするような冷気に悪寒を覚えつつ、私たちは無言で作業を続けた。
「―――…そろそろやめようか。残りは三分の一だけど、もう10時だし」
よっこいしょ、としゃがんだ状態から立ち上がれば少しだけ足がしびれているような、重たいような感覚に見舞われた。
とどめに関節からパキっだのポキッだの年相応の、疲れた社会人らしい音が鳴った。
右手だけでもと大きく伸びをしたところで軍手を外しながらこちらへ歩いてくる禪がじっと物言いたげに花壇を見ていた。
「チュンとシロはもう還すから禪も川蛍を還していいよ。帰りに見られたら大変だし、帰るだけなら月明かりもあるし問題ないから」
気付いてはいたけれどここで聞くことでもないし、何かが分かっているようでもなかったので片づけをしながら禪からシャベルと軍手を受け取った。
道具を腰に付けたポーチに仕舞った所で動かない左腕のことを思いだす。
(気にしてるみたいだし、原因があの井戸だっていうならちょっと様子だけでも見てみようかな)
パンパンと片手で膝や膝下についた土を払い落としてから丁度川蛍を還した禪を見据える。
禪は少し前から何かを考えているようで私の視線に気づく様子はない。
普段なら直ぐに気づいて無表情ながらに“なんだ”って短く言葉を催促してくるのに。
「――…禪。寮に戻る前に“枯れ井戸”の様子を見に行こうと思うんだ。禪はどうする?予定外だし時間も時間だから先に帰っていてもいいよ」
「枯れ井戸に一人で行くのか。その腕で」
「見てくるだけだし、チュンも反応してなかったから穢れや浮遊霊の類はいないだろうから大丈夫。いざとなればシロを喚ぶ」
「何の為に」
「何のって言われると困るけど本当に様子を見るだけだって。腕がこうなった原因が何かわかるかもしれない。前に行った時は夕方だったし、時間帯が違えば“視え方”も違う」
あの時は何もいなかったけれど今はどうだろう。
少なくとも今日は井戸に近いロッカーで“穢れ”が湧いたし、何かあるかもしれない。
幸い、この花壇がある場所から枯れ井戸はそう遠くないから丁度いいんだよ、と普段のように告げると禪は懐から呪符を取り出して私の先を歩き始める。
「僕も行こう。今の状態で一人にする訳にはいかないからな」
私の返事も待たずに禪はズンズンと月明かりに照らされる夜道を進んでいく。
さらりと揺れる短い黒髪とすらりと高い禪の背中は凛としていてつい見惚れてしまう。
(私なんかよりよっぽど頼り甲斐があるっていうか、自然に後をついていきたくなるっていうか)
羨ましい、と口にしてしまう前に足を動かした。
禪は迷うことなく枯れ井戸のある方向へ突き進んでいくので私としては必死だった。
何せ、身長も足の長さも違うんだから。
禪の大股の一歩が私にとっては普通に歩く二歩分だし、禪の場合は体力も私以上にあるわけで。
必死に追いかけているとあっという間に枯れ井戸へ続く大きなフェンスの前に立っていた。
ぜーぜーと肩で息をしつつ、涼しい顔で汗一つ書いていない禪を睨みつける。
ここまで禪は一度も速度を緩めてくれなかったし、返事もしてくれなかったのだ。
睨みつけるくらい大目に見てほしい。
「っはぁ…身長も足の長さも違うんだから少し気遣ってくれてもよくない?」
八つ当たり気味に不満を漏らす私を見もせずに禪はフェンスの扉にかかった2つの南京錠の内の1つに小さな鍵を差し込んでいた。
(なんで禪が鍵を持ってるんだろう?生徒会長だから、かな)
それにしたって夜間調査にここの鍵を持ってきている時点でおかしい。
まぁ、私もここに来る気なんてさっきまでなかったこともあって、途中で鍵がかかってることもすっかり忘れていたんだけどさ。
「ねぇ、なんでここの鍵を禪が持ってるの?生徒会長ってボイラー室の点検とかもしなきゃいけないとか」
「偶々だ。それより確認したらすぐに戻るぞ」
固い声に戸惑いつつ頷けば、2つ目の南京錠が外されたところだった。
鍵をポケットにしまったらしい禪が唯一の入り口を開けてこちら向いたので、気を引き締めて先に入口をくぐった。
直ぐに禪が私の背後に着く様に入って、月明かりすら射し込まない闇へ私たちは足を踏み入れる。
元々、夕方でも薄暗い場所だ。
「想像以上に暗いね…辛うじて視えるけど」
暗闇に目が慣れるまで少しの間足を止める。
背後には禪の気配がするので安心感はあった。
「川蛍を喚ぶか」
「いや、目は慣れてきたし…確認するだけだから平気。でもまぁ、一応喚び出す準備だけはしておいて。枯れ井戸が見え難かったら頼むから」
「わかった」
しっかり聞こえる禪の声に私は闇の中を進む。
闇、と言っても濃淡だけはなんとなくわかるもので、コンクリートの壁はやや明るく、フェンスの奥に広がっているであろう森は一際深い闇色だった。
カサカサと乾ききった木の葉が私達に踏まれて音を立てるけれど、それ以外の音はない。
虫の声も、風の音も、木の葉が擦れる音も。
「空気が少しおかしい気がするんだけど」
「気がする、ではなく明らかに普段とは違っているな」
「やっぱり?うーん…どうしようか、そこの角曲がったら井戸ってとこまで来てるけど」
そっと指をさしてみるけれどこの暗闇だから禪からは見えないだろうけれど、と思いながらも井戸の方を指差すと禪がぐっと近づいてきたのが分かる。
「念の為に川蛍を喚ぶ。少し待っていろ」
聞こえてきた声は耳のすぐ横からだった。
背中から熱をジワリと伝わってくるので私の背中にくっ付いて頭の上、というか顔の横から覗き込んでいるのだろう。
視線だけ動かすとちらりと整った禪の横顔が見えた。
(ち、近い!流石にこれはちょっと心臓に悪い…!ああ、びっくりした)
想定外の接近具合に心臓が荒々しく血液を全身に送り出し始めたのを感じつつ、キュッと唇をかみしめる。
「―――…川蛍、先導を」
囁くような程よく低い声が耳元で空気を震わせる。
すると、私の指先に小さく淡い光がふわりと現れた。
慰めるように優しく強弱を繰り返す青みを帯びた川蛍の光を見て禪が離れていく。
「できるだけ早く済ませてくれ。ここにはあまり長居したくない」
こくり、と首を振った私に満足したらしい禪のホッとしたような安堵の吐息が妙に耳についた。
ふわふわと目の前を照らす川蛍の光を追いながら私は、井戸に通じる最後の角を曲がった。
まず初めに枯れ木が視界に入った。
次に枯れ井戸がどっしりと湿った濃い闇の香りを纏ってそこに在る。
ボイラー室の、白い入口が妙に浮いて見える。
“穢れ”の姿も形跡も、霊の痕跡すらもないのに、肌で感じる温度が異常を訴えていた。
ひんやりとを降り越して冷え冷えとした空気にごくりと生唾を飲み込む音が響いた。
ソレは私から発せられたのか、禪から発せられたのかわからない。
カタカタと何かが揺れる音が聞こえて視線を落とすと右手が震えて、腰に下げた鞘入りの霊刀を小さく小刻みに揺らしている。
( どうしよう、物凄く怖い )
逃げ出したいのに動けない。
意思に反して目が恐怖の元凶を探そうと落ち着きなく暗闇をさまよっている。
川蛍は私の前から禪の側へ移動していたから、広がってるのは深い黒。
「――…優?おい、どこへ」
背後から戸惑った声が聞こえる。
禪の声だ。
何をそんなに狼狽えてるんだろう、と考えた所で自分の足が一歩一歩井戸へ近づいているのが分かった。
戻ってこい、とか何をしている、とか怒鳴るように切羽詰った禪の声。
声は、出ない。
体が思うように動かない。
乾いた木の葉を踏みしめる音が自分の足元から聞こえているの自覚しながら、抵抗できないまま私の体は闇の中にひっそりと息を顰めるように存在する井戸へ向かって行く。
カクンッと膝が折れて視点が急に低くなった。
正座するように座り込む私の前には枯れ井戸があって中は見えないけれど、手を伸ばせば簡単に届いてしまう距離だ。
白い息が口から生み出されては溶けていく。
寒い、と簡単で切実な感想が浮かんでくるけれど声には出なかった。
聞こえていた禪の声がくぐもって、まるで水の中から聞いているみたいに酷く聞き取りにくい。
井戸の中から何かが這い出そうとする音が聞こえてくる。
怖い筈なのに怖くないと思う自分もいて、感情も思考も持て余している私の前にソレは現れた。
暗く湿った井戸の中からツルリとした体と細い瞳孔を持つ金色の目は…――――
「 わがめ のあめ はういか れきのた めこのた めあらず 」
遠のく意識の中で何かが私の体を“使って”いるような感覚は在るのに、考えるという力も気力も猛烈な眠気に溶けていく。
―――… 水 の 泣 く 声 が し た 。
ここまで目を通してくださってありがとうございます!
ふわっとなんちゃってホラーで進みますので怖くないですよー。たぶん。




