番外編 【君と買い出し】
無駄に長いです。
靖十郎の苦手なものの話。
靖十郎が案内してくれたのは、比較的真新しい店が並ぶ商店街通りだった。
左右は喫茶店とテイクアウト専用のドーナツ屋で、ドーナツは帰りに買うことを心に決めて入店した。
店内は広く明るい作りで女性客が数名とカップルが2組。
店員さんは女性二人と男性一人で男性の方はバイトらしく名札に研修中の文字があった。
商品も完成しているものもあったけれど、店側が推奨しているのは自分で石を組み合わせるオリジナルのブレスレットやストラップだ。
「へー、こういう所入ったことなかったけど結構いろいろあるんだな」
「店によって雰囲気とか扱ってる商品の質に違いはあるけど、入って見るだけでも結構面白いよ。基本的に俺は自分で好きな石を選ぶんだ―――…ちょっと靖十郎、手貸してくれない?」
ブレスレット用の石が置いてある場所へ移動して隣にいる靖十郎に声をかけると首をかしげたたま片手を私に向けて差し出してくれた。
「ありがと。えーと……うん、大体わかった。まだ選ぶのに時間かかるから適当にぶらついてても大丈夫…って、顔赤いけど熱中症にでもなった?」
靖十郎の手首に自分の指を回してサイズを図ったのはいいんだけど、手は男性らしい骨っぽさがある中々に逞しいものだった。
ちょっぴり感心しつつ手を離した私から逃げるように靖十郎が離れたのを見て、トイレでも我慢していたんだろうか、なんて思いながら石に向き直る。
(靖十郎と封魔、禪の三人と…須川さんと葵先生にも作ろうかな。須川さんは必要ないとは思うけど贈り物すると機嫌良くなるし。呼び戻された理由が理由だから機嫌とっておいたほうが良さそうなんだよねぇ)
寮の中でも怪奇現象が起こった時からお守りを渡すことを考えていたので今回の買い出しは正直、ありがたかった。
手製の符なんかも役にはたつけど持ち歩くのには向かないからね。
(でもパワーストーンなら制服着てても問題なくつけられるし、人に見られても大丈夫。ついでに濡れても平気っと)
「靖十郎のやつからいくか。男物の石はここで揃いそうだし」
ざっと全体的に石を見渡してから靖十郎のことを考えて、勘で“これ!”という石を探す。この方法は私にとっては一番わかりやすくて、対象者にあったものを選ぶことができるんだよね。
一つ選んでしまえばあとはスムーズで、封魔、禪、須川さんと葵先生のものを選んでいく。
入れ物はちゃんと分けて、選んだ石が混ざらないように気をつけた。
全員分を選び終えた頃には結構時間が経っていて、店内を見渡すと少し離れた位置でペンダントトップを眺めていた靖十郎と目があう。
「ごめん、待ったよね。終わったよ」
「へぇ、なんか俺にはよくわかんねぇけど結構な量買うんだな。金足りるか?」
「気合入れて持ってきてるから大丈夫。靖十郎は何か面白そうなものあった?」
「おう、こういう店には初めて入ったけど結構面白いもんだなー。なんか、一つ一つに意味があったりさ、見てるだけでも時間潰せるっていうか」
「わかるわかる。種類も形も大きさも色々あるから見てて結構飽きないんだよねー。男物でもペンダントトップとかピアスとか、変わったものでカフスボタンやネクタイピンっていうのもあるみたいだよ」
ほら、と女性のコーナーほど大きくないけれど、小さくもない男物のコーナーを指差す。
すると店に入った時にはいなかった高校生くらいのグループがいてあーでもない、こーでもないと話をしている。
「ちょっと買ってくるから外で待っててよ。次は靖十郎の見に行く?シルバーアクセだっけ」
「わかった。じゃあ、その後にゲーセン行こうぜ」
軽く今後の話をして会計を済ませようとしたんだけど、レジ近くにある高い石が展示されている鍵付きのショーケースの中にあった不思議な石に目が止まる。
じぃっとそれを見ていると女性の店長らしき人がああ、と視線の先の石をみて納得したように頷いた。
「あの石が気になるようなら見せましょうか?かなり珍しい石で当店では初めて仕入れることができたんですよ。まぁ、希少な石なので結構な値段なんですけどね」
接客用の笑顔を浮かべた女性店長は鍵を開けて男物のブレスレットが二本できるかできないか、という量の石が入った器を取り出した。
置かれた石は、とても不思議で、綺麗で、妖しかった。
「セイクリッドセブンという石で、水晶をベースにアメジストとスモーキークォーツ。インクルージョンとしてゲーサイト、レピドクロサイト、カコクセナイト、ルチルが一つの原石にまとまっているんです。カットする部分によって見え方が違うから面白いでしょう?」
そう、笑う店長には悪いけれど説明はほとんど右から左へ抜けていた。
高い透明度の水晶にアメジストが溶け込むように混ざって、綺麗な紫色が際立った石。
漆黒の宝石に似たメタリックな輝きを持つインクルージョンが無造作に、けれど絶妙に入り込んでいるもの。
金魚を閉じ込めたような朱色と金の針のようなものが入り込んだ艶やかさにも派手さがあるもの。
虹色に光り輝く、水晶のようでそうでない、不思議な石。
じぃっと不思議な石を眺めていて思い浮かんだのは、我が上司様の顔だった。
指が吸い寄せられるように石に触れていて彼が持つにふさわしいと第六感のようなものが判断した石をつまみ上げていく。
ひとつ、また一つと器に石を移す私を店長さんが驚いたように見ているのがわかる。
値段は見ないまま、先ほど選んだ須川さん用の石を返却して代わりに珍しいという石を買う。
「あ、これでお願いします。支払いは一括で」
滅多に使うことのないクレジットカードで会計を済ませて、必要なゴム紐なんかも一緒に買った。
会計を済ませた私は靖十郎を先に行かせて正解だったな、なんて苦笑する。
正し屋で働いてなかったら目をひん剥くような値段だし。
ああ、どうしよう須川さんに金銭感覚が似てきてるかも。
店を出た私は隣の店のドーナツを衝動買いならぬ衝動食いしてから、靖十郎お気に入りだというシルバーアクセの店に行った。
「シルバーアクセってこういう感じの店で売ってるんだ」
「おう。今はネットでも売ってるからそっちで買うヤツも多いみたいだけど、俺はやっぱ現物みて買いたいんだよな。サイズ感だけじゃなくって写真だけだと実際つけたときになんか違うってなることあるじゃん」
「確かにサイズとか一応確認するんだけど実際届いてみると首傾げることになるのがたまにあるんだよね。時々通販でケーキとか頼むんだけど結局冷凍になってるから想像と違ったりすることが結構あってさー」
「……優って飯食う量少ない割りに食い意地張ってるよな。俺ガチで封魔とスイーツの話で盛り上がってんの見てちょっと引いたし」
「いやいや、封魔ほどの情熱はないって。ただ美味しいものが好きなだけで」
そんな会話をしながら店内を見て回り、時々靖十郎の“どっちがいい?”っていう問いかけに答えたりしながら結構楽しくウインドウショッピングを楽しんだ。
普段は絶対に足を踏み入れないタイプの店だったから貴重な経験をしたなーっていうのが正直なところだけど。
店内にいたのは男子高校生や男子中学生といった若い男の子ばかりだったのは、言わずもがな。
まぁ、今後は行く予定はないかな。
「んじゃあ、次はゲーセンだな。優ってゲームとかすんの?」
「うん、するよ。RPGとかパズルゲームとかアイテム調合する感じのが好きでさー、高校の時は結構やってたなぁ」
「高校の時って変な表現の仕方だな。優、お前今高校生じゃん」
「(やっば、ついうっかり)ちょっと言い間違いしただけだよ。前の高校でってこと。前の高校だとあんまり、その、友達と遊ぶってことなかったから」
確かちょっと不幸を背負ってる系の設定だったはず!なんて考えながら言葉を付け足すと靖十郎から可哀想なモノを見る目を向けられた。
「そ、そっか。けどまぁ、これからは俺や封魔がいろんなところに連れてってやるしさ、色々やろうぜ。ゲームはテレビ持ち込み禁止だから俺の家に来ないと遊べねぇんだけど――…あ、ここがゲーセンな」
話しながら商店街を進んでいると店先にUFOキャッチャーが並んでいる店が見えてきた。
靖十郎曰く、ここはUFOキャッチャーの種類も豊富で景品も取りやすい良心的なゲームセンターらしい。
ここは若者から高齢の人まで幅広い年齢層の人が楽しそうに思い思いの景品を取ろうと悪戦苦闘していた。
賑やかな音と照明の店内でざっと店内を見て回った私は集めている、というか抱き枕として愛用しているシリーズのぬいぐるみを見つけたので悪戦苦闘してようやく手に入れた。
靖十郎は私が一つのぬいぐるみを取る間に3つほどクッションやら時計やらをゲットしていて、思わず二度見したんだけどこういうのは得意なんだよなって笑ってた。
「はー…結構久々に来たけど面白かったな。次、どうする?まだ帰るには早いし、封魔の買い物だってそう時間かかんねぇだろ?」
「どっかで時間潰すっていってもこの辺知らないんだよね。まぁ、戻ったところですることもないから出来るだけ街にいたいけど…そうだ、丁度見たい映画があったんだけどどうかな。この時間からなら間に合うだろうし」
気になっていた映画のタイトルを話すと靖十郎もちょうど見たかったと言ってくれたので私たちは近くの映画館に向かって、陰陽師を題材にした青春長編映画を堪能。
ついでに、お揃いのクリアファイルを買った。
属性的には和風ファンタジー物だけど映像も綺麗だったし、面白かった。
「この映画は当たりだったな。俺、原作小説も漫画も読んだけど再現度すっげぇって思ったし、やっぱ刀で化け物斬ってくのはかっこいいよな!アクションすげーし、CGもマジっぽかったしさ」
「思ってた以上にリアルだったよね。原作は小説しか読んでないけど映像だとわかりやすくて、色々フィクションは入ってるけど戦い方とか使ってるのって本物っぽかったし」
興奮する靖十郎に私も映画の内容を思い出しながら感心して頷いた。
ぶっちゃけ、この映画の原作者って”視える”人なんじゃないかって考えてたんだけど、これは間違いなく視えてる人の犯行だ。
劇中に出てくる化け物はそのまんま“穢れ”だし、ラストの方に出てくる強大な敵は間違いなく“堕神”だもん。
使う呪文や道具は全て現実に使っているものに似通っているし、退治の方法や修行も実際に取り入れられている手法なのだ。
須川さんなんか、作者を見て内容を察したらしく「彼も好きですねぇ」なんて苦笑してたっけ。
クリアファイルに描かれているのは5種類のイラストなんだけど、私も靖十郎も同じタイミングで同じ式神のモノを指差していて笑ってしまった。
「にしても、可愛かったね、狛ちゃん」
「だよなー。俺、昔から犬飼いたくてずーっと親に強請っても親父が転勤族だからダメだっていわれて泣く泣く諦めたっけな。まぁ、代わりにインコ飼ってたけど、鳥も鳥で可愛いんだよ。手乗りになったし」
「俺も生き物は好きなんだけど、飼ったことはなかったな。あ、でも今犬と鳥がいるよ」
飼っているというか使役しているっていう方が正しいんだけど、いることには間違いないのでそういえば靖十郎は目を輝かせた。
今度見せて欲しいとのことだったので、依頼が終わって機会があれば見せてもいいなぁなんて考えつつ談笑していると街にチラホラと高校生くらいの女の子や女性が増えてきた。
周りを見るといつの間にか女性が多く集まりそうな店がたくさん並んでいる。
楽しそうな彼女らを眺めつつぼんやり歩いていると私に隠れるように靖十郎が身を縮めてピタッと体を寄せている。
「……?靖十郎、ええと、なにか苦手なものでもあった?」
たまらずに足を止めて振り返ると顔を引きつらせて脂汗を浮かべて挙動不審気味に周囲を警戒していた。
うん、かなりの不審者具合。
なんだかなーと思いながらも茶化す気にはなれなかったのは彼から滲み出る雰囲気が本物の怯えを含んでいたからだ。
何か変なものでもあるかな?と思って視線を周囲に向けてみたんだけど、一向に変な店は見当たらない。
うーん、と首を傾げつつ先ほど見かけたレトロな喫茶店まで靖十郎の手を引いて行く。
手を握ったときビクッと震えてたけど、気づかなかったふりをした。
……なんかお化け屋敷に入ったあとの女の子みたいな反応だな、靖十郎。
お店のドアを開けた瞬間に鼻をくすぐったのはコーヒーの香り。
一昔前くらいの懐かしい歌をBGMに数組のお客がいる店内はゆったりとした空気が流れる非常に居心地のいい場所だった。
壁掛時計をみると時間は三時を少し回ったところだ。
「(君さ、確実に私より女子力的な数値高いよね、反応とか)パフェがある!パフェ頼もう。靖十郎は?いらない?じゃあ、メロンソーダー飲みなよ、久しぶりに目に鮮やかな緑が見たいし。俺は炭酸苦手だからいらないけど」
「なんだそれ」
「やっと笑った。にしても結構歩いたし、ここで休んだら果物とか買ってバス停に戻ろうか」
この時間に戻れば丁度夕方くらいにはなるだろうし、ゆっくりシャワーを浴びて購入した石のメンテナンスを終わらせることもできそうだ。
軽く浄化してからじゃないとブレスレットは作れないから、完成するのは多分明日になるだろうけど。
(まぁ明日も休みだし、時間は十分にあるからいいけど)
月曜日からは夜の調査も再開だし七不思議の検証も本格的なものになることは確定だから今のうちに休んでおかなきゃな、なんてのんびり考えつつカウンターの向こう側で注文した作られているパフェを眺めていると私の正面に座っていた靖十郎が気まずそうに顔を上げた。
「聞かないのか?」
「―――何を、って言いたいところだけど、聞かないよ。俺にだって話せないことくらいあるし、なにより靖十郎と長年一緒にいるってわけじゃないからさ」
気軽に聞けるような信頼関係はまだ、全然出来ていないと思っている。
というか、私側の問題で信頼関係を築くのはすごく難しいと思ってるんだよね。
だって私“仕事中”な上に色々偽装してるわけだし。
気にしないで、と笑顔を浮かべてお冷を飲んでいると靖十郎は少し目を見開いて、くしゃっと笑った。
「はは。優らしいな、それ。まぁ、でも…優ならいいか。別に隠してるわけじゃねぇし比較的広まってることだからさ」
言いにくいことなら別に、と言うより早く靖十郎がテーブルの上で組んだ自分の手を見つめながら答えた。
固く握り締められた靖十郎の手は小刻みに震えている。
「俺さ、中学二年の時にストーカーされてたんだよな」
「……うん?」
「やっぱそうなるよなー、まぁ俺もさ何で俺だったのかはわかんねぇんだけど、同時に二人の女から。一人は女子高生で一人は社会人だった。どっちも派手目な感じでさ、初めは挨拶される程度だったんだけど、どんどん会う頻度が増えて、手紙とか電話とかメールとか教えた記憶がないのに送られてくるようになって、最後には家の前とか出かける先で待ち伏せしてたんだよ」
それは、と絶句する私に疲れたような笑みを浮かべた靖十郎は年相応には見えない、どこか達観したような妙な落ち着きがあった。
「ストーカーが二人だったからか、互いにヒートアップしてさ…最終的に俺、拉致られて目の前で二人が俺の前で殴り合いの喧嘩した挙句、女子高生の方が社会人の女を包丁で刺して…そっから記憶がないんだよ。気づいたら病院で、警察に事情聴取されるは家族には心配かけるわで散々。幸い、学校は全面的に俺が被害者だったってのもあって出席日数とかテストとか受けなくて済んだんだけど―――…まぁ、そんなことがあったから明るい茶髪に派手目の格好した女子高生とかキャバ嬢って感じの若い女の人が苦手でさ」
それを聞いて、靖十郎が私の陰に隠れた原因が漸くわかった。
さっき、周囲にいた女の子達は皆おしゃれで、中には髪を染めてピアスやネックレス、短いスカートって感じのどちらかといえば派手目な感じが多かったっけ。
女性も賑やかで若い、どっちかって言えば恋愛に重きを置いてそうな人が多かった。
「もしかして靖十郎が男子校を選んだ理由って」
「情けないけど、当たり。あ、言っとくけど恋愛対象は男じゃないから。これ話した後、なんかそっち系の先輩とかに迫られて大変だったんだよ」
「なんていうかそれでも女の子を嫌いになってない靖十郎は凄い」
「凄いってか、俺だって恋愛はしたいし彼女も欲しい。欲しいんだけど…一緒にいるのが封魔だろ?だから寄ってくるのそっち系が多くてさ」
そう遠い目をしている靖十郎に私は何も言わず注文したメロンソーダを勧めた。
オネーサンの奢りだ、遠慮なく飲み給え。
「見た目で判断するのは良くないってのは分かってんだ。でも、どうしても、こう体が拒否反応を示すんだよ。いや、茶髪だけならまだいい。でも雰囲気とかあんじゃん?もっとこう、元気系とか清純系とかさ…俺下手すると魔法使いコースだよな」
メロンソーダを一気に半分位飲み干して、机に突っ伏した彼を生温かい目で眺めていると彼は小さく息を吐いた。
ってか、魔法使いって言い得て妙な。
そういう話をチラッと聞いたことがあるけど、あれ多分ブラックジョーク的なノリだよね?女だからそういうのあんまりわかんないけど。
「俺が言うのもなんだけど深く悩まない方がいいんじゃないかな、きっと。それに人生長いわけだし、どこでどんな人に出会うかなんてまだわからないんだからそんなに思い悩まないほうがいいよ。あんま悩むとハゲるって言うし」
「おう。まぁ、わかっちゃいるんだけどな。でも、うん、優には話せて良かったと思う。お前の傍ってなんか居心地いいし、何年も一緒にいるような感じ?」
不思議だよな、なんていつもと変わらない笑顔を浮かべた靖十郎にホッと胸を撫で下ろして想像以上に大きかったパフェを二人で分けて食べた。
少しゆっくりした私たちは喫茶店を出て、靖十郎馴染みの八百屋さんで新鮮な果物を買ってバス停に向かう。
私と彼のリュックは買い出しの品でいっぱいだし、両手はUFOキャッチャーの戦利品や果物でふさがっている。
「結構重たいけど大丈夫か?なんだったら少し持つけど」
「平気平気。かさばるものは多いけど、重くはないよ。なんだかんだで靖十郎が重いもの持ってくれてるし、ちょっと疲れたけど楽しかった。機会があったらまた一緒に出かけてくれる?商店街もっとじっくり見たかったし」
バスの中でもそんな話をしながら今日一日を振り返って、また靖十郎と盛り上がった。
寮に帰る頃には私たちは出かける前より少しだけ距離が縮まったような気がして、少しだけくすぐったいような気持ちになった。
買い出したリストに書かれたモノを配って、最後に封魔へ買い出しの品を渡した私たちは暫く色々な話をしながら夕食まで話し込んだ。
この日は特に、変わったことも怖い現象もなく平和で至って普通に楽しく過ごすことができた。
変な世界に足を突っ込んでると、こういう何気ない日常がとても愛おしく感じるんだよね。
ここまで読んでくださってありがとうございました。
次は…ちょっとホラー要素入れる予定です。いや、ホラー要素…なのかな。