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最強で最弱な神の力を宿した少年の下剋上物語  作者: 柊木叶葉
漂着から旅立ちまでの物語
9/14

第八話~朝の出来事~

朝、ユウは目覚めると皆が寝ているのを見て一人の外出しようとする。

その時、後ろからゴソゴソと音がしてカオスが目をこすりながらやってくる。

「早いのう…まだ眠い、ふぁ~」

と欠伸をしている。

「起こしちゃったか、それとも俺が離れるのは分かるのか?」

「どちらもじゃのう。なんだ、お主はひとりで出かけたいのか?」

「いや、カオスがいた方が都合がいい。少し外で話せないか?」

「いいがの…」

と言って、二人は部屋を出ると、まだ刺すように冷たい朝の空気を吸いながら道路を歩く。

「まだ少し寒いの」

「あぁ、そうだ、お前は宇宙の根源なんだろ?なら、この寒さを吸い取ることなんてできないのか?」

「できない…ことは無いがの。恐らくお主は死ぬぞ?」

「そうか、残念だな」

「案外あっさりしてるの…」

「何も分からないからこそさ…だが、一つだけ知りたい。俺の能力の一つは直感でいいのか?」

「ミアは上手いことを言っておったな、プロセスを飛ばして答えを得る能力か…言い得て妙だが大体正解じゃ。」

「じゃあ昨日東の街に行かなきゃって思ったのは何なんだ?ミアの話では南の街へ行った方がいいという話じゃなかったか?」

「あぁ、あのことか…クククッお主も案外小心者じゃのう。気にしておったのか?」

「俺の能力によって分かることはは本当に正しいのか、と思ってな…」

「正しいぞ」

スラリと言われたセリフに身を固まらせる。

「じゃあ、なんであの時止めなかった?」

「契約したではないか、お主は儂を(たの)しませると」

ユウの脳裏にカオスの力を宿した時の記憶がフラッシュバックした。

あの時は必死だったが、そういえば言っていた…

神獣フェンリルからミアを守るためにユウはカオスと契約を交わした。

「俺は俺の命を賭けてお前を愉しませる…か」

「そうじゃ、だから面白い方向に行け、お前の運命じゃと思ってお主も愉しむが良い」

何故か柔らかい声になって言われたことが心を落ち着ける。

「じゃあ帰って皆を起こしてくるか。」

「うむ」

そう言って二人は宿に帰ると三人が出迎える。

「「「おかえりなさい!」」」

「遅かったじゃあありませんか」

とミアが頬を膨らませて言う。

思わず笑ってしまう。

ミア達と居ることを楽しんでいる自分に気付いたからだ。

「何ニヤニヤしているのですか?まぁこんなに可愛い子達に囲まれていたらしょうがないですけどッ」

とむくれたように言うクロノ、昨日話していたら随分と打ち解けてくれた。

「ユウ?もうお食事届いてるよ?早く食べよ!」

とガイアが腕をつかみながらはしゃぐ。

「お主もなかなか幸せじゃのう」

とカオスにニヤニヤされる。

それに笑みで返すと、肩を(すく)められる。


「「「「「いただきます!」」」」」

という合図に合わせて一斉に朝食が始まる。


この朝食が終わればいよいよ下剋上の始まりである。






第一章完結です!引き続きユウ達と一緒に旅を楽しんでいただけたら幸いです。

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