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最強で最弱な神の力を宿した少年の下剋上物語  作者: 柊木叶葉
南の街ソルト
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十二話~宇宙創造~

宇宙創造(ビッグバン)

と唱えた瞬間世界が白く染まっていった。


「ユウさん!」


とクロノが叫ぶが、我に返ったように動き出した時間の中では、化け物が襲ってくる前の平穏な海が横たわっているだけだった。

ユウがクラーケンという魔獣のところで何かを唱えると辺りが白く染まった。

その後、その光がおさまり目を開けると時間は動き出していて、同時にユウやカオスの姿も魔獣クラーケンと共に姿を消していたのだった。


「……ウソ…ウソでしょ、そんな…」


浜辺にいた人は何があったのか把握出来ずに、キョロキョロとしていたが、やがてクラーケンがいなくなったと分かると歓声をあげ始めた。

どうやら自分達で撃退できたと思ったらしい。

その時、気を失っていたミアとガイアが起きる。


「あれ……クラーケンは?私は…?ユウさんは何処です?」


クロノの目に涙が浮かんでくる。


「ユウさんは…ユウさんはミアを助けようと捨て身の攻撃をクラーケンに仕掛けました…」

「え……?」

「ユウは死んじゃったの?」


ガイアがふと呟いたセリフが二人の心を(えぐ)る。

ミアとクロアの心中に自責の念や後悔が駆け巡る。

どうすることも出来なくて、3人は仕方なく宿屋に戻ることにした。


一方、ユウは…見知らぬ空間に迷い込んでいた。


「ここは……何処だ?」

「お主も馬鹿よのう。自分の放った技に巻き込まれるなんて、まぁここはお主が作り上げた宇宙と言ったところかの。」

「皆がいた世界は?!無事なのか?」

「あぁ、ここは次元が違うからな…世界線が異なると言ってもいいかもしれん。」

「俺は、もうあの世界には帰れないのか…」

「どうなんじゃろうな…戻ることはできないでもないかもしれんぞ。」

「戻れるのか?!」

「確かなことは言えんがな、それも後で検討するとして、どうじゃ?お主が創ったこの世界においては、全知全能に加えてこの世界を思い通りに出来るが。」


一見とても魅力的に見えるが、自分の中にある物しか生み出せないということと同義である。

いや…待てよ?自分の思い通りに世界を作り変えられるなら、俺があの島に迷い込んで来た以前に住んでいた世界の、とんでもなく有用な物を作れるんじゃないか?それをあの世界に持っていけば…


「それは可能じゃよ、まぁ、あまりにもデカイ物は次元の穴を通り抜けられないだろうがな。」


といつもの通り心を読んで答えてくれる。


「分かった。じゃあ、あの星でいいか」


と教科書で見た地球に近い星を選び、その星に人間を栄えさせてゆく。

文明レベルを元いた世界まで引き上げると、差異はあれど、似たような現代世界が現れた。

こうしてみると、まるで世界を造るゲームの様で面白くなってきた。

だが、実際に何でも手に入る今の状況になってしまうと、何を持ってけば良いか分からなくなってしまう。

「取り敢えず、ディアボロスを倒せるような武器が欲しいな…」

とはいえ、どれほどの力を持っているのか分からないのでまず手始めに、ミアが使う二振りの短剣を造る。

最高の技術を詰め込むと物凄いギミックが付いた刀になってしまった。

ガイアやクロノには何が良いだろう…と思ったがあれは魔法であるので、科学とは相容れないかもしれない、と思ってミアの分も含めた戦闘服を作ることにする。

温度調節機能、物理防御機能などがついた無駄に高機能な服が出来上がった。

最後に自分の武器を作る。

考えてみると、強敵の度に一々宇宙創造してたら…


「間違いなく死期を早めるな」


カオスが深く頷く。

それは嫌なので、仮想地球の文明を進めてショットガンを改良していく。電気を使わない銃の方が良いだろうと思ったからだ。弾は、どれだけあればいいのか分からないので千個ほど作った。


いよいよ準備が整い、荷物をまとめるとカオスの次元接続が完了したようで、目で合図された。

荷物を持って黒い穴に入る……


急に視界が明るくなり、目を細めた。

そこは間違いなくあの浜辺の沖合で、つまり海の上だった。

海にはまだ自分達が宇宙創造をしてから時間が経っていない証拠である、クラーケンのカードが波間に漂っていた。

そんな事を考えながら海に落ちていく……











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