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だから俺は同居したくなかった!  作者: ヤマトの山羊
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少女。やはりストーカー気質

 いつ帰ってくるのだろうか。発信機の場所は春斗さんが通う駅の近くの喫茶店で反応している。私の約束を破ってまでの用事とは一体なんだろう。春斗さんが言うには、急用ができて今生徒会の手伝いをしているらしいが・・・発信機を付けといて良かった。いつでも居場所を把握できるとは、こんなにも有難い事なのか。

 支度を済ませ家を出る。何が目的かと言うと・・・・・いや、言うまでもない。


 悪寒が体を駆け巡る。嫌な何かを悟ったっぽい俺は不意に後ろを振り向く。しかし、そこには誰も立っていない。胸を撫で下ろし、注文したミックスジュースをストローで吸い上げる。

 注文した品が二つあるのだが、どうしてももう一つが来ない。その事にイラついているのか、前の椅子に座っている先ほどの少女が愚痴をこぼす。

 「まだなの?ここの店雰囲気だけね。ったく、いくら時間経ってると思ってるのよ」

 まだ注文してから5分程度なのに、この苛立ちよう。本当に一級Sランクなのか?俺の知ってる一級Sランクは、素直で優しくて、何でもできて少しヤンデレストーカー気質だが、この優秀さ。俺の鈴とは段違いだな。

 「何私を見てにやけてるんですか?気持ち悪!早く食べたら帰りたいのに」

 「それってやっぱり、誰かの新しい家か?」

 「そうよ。何またにやけてるの?本当に気持ち悪いわね!」

 こいつのご主人様が可哀想になって来るぜ。俺なら速攻帰らせて二度と会わない様にするけどな。もしかしたら相当の物好きなのかもしれない。

 しかし・・・早く飲んで帰りたいのだが、爺さんが寝ている。そりゃ注文も来ない訳だ。それに気付いた少女も呆気にとられた表情で固まる。

 「コンビニで何か買ってやっからよ、店出ようぜ。な?」

 曖昧な返事を返した少女は、さっきまでの威勢も何処へやら。明らかにテンションが下がって、黒く淀んだオーラを放ちながら店を出て行く。寝ている爺さんの隣にお金を置き、外に出た少女を追いかけ、ぎこちないままコンビニへ向かうのであった。


 

 あれれ?春斗さんがコンビニへ入っていきましたよ?どうしてかな?

 完全に誰かと一緒に歩いているスピードで歩いている。私には全てお見通しだ。歩く平均のスピードを把握している私には確実にわかる。これは少女と歩いていると。

 怒りがピークに達し、手に持っている切符を握りつぶす。周りの帰宅帰りの学生やサラリーマンが驚いた眼でこちらを眺めてくるだけで、さらに怒りが増していきとうとう私は叫ぶ。

 「春斗さんは・・・・私の物よおおおおおおおおお!!!!!!」

 目的の駅に着き、ドアが開くと同時に猛ダッシュ。ぐしゃぐしゃになった切符を少女パワーで元に戻し、突っ込む。黄色いアレが開く前に飛び越え、春斗さんのいるコンビニへと人を掻き分けながら走る。

 「はぁぁぁああああるぅぅぅとぉおおおおおおおおおおおおお!!!!!!」

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