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だから俺は同居したくなかった!  作者: ヤマトの山羊
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少女、新たに現る

 学校につくなり、昨日の騒動の事でクラスからの質問攻めにあい、中々勉強に集中できないでいた。別に勉強が好きな訳では無い。実のところ、今回の期末テストの点数が最悪な結果で終わったからだ。数学と科学は安定のクラス1番だったが、現代文とその他2教科が赤点。完全に補習ギリギリゾーンに立っていた。

 今からでも勉強して、次の中間に間に合わせる事で、次回の総合一位に上り詰めてみせる!


 今日からは、夏休み前なので授業は無い。しかし、勉強は怠らない!皆が夏休みに向けての内容を聞くさなか、俺はただひたすら赤点だったテスト内容を振り返る。夏休み前の内容なんて去年もやったろうし大丈夫だろ。誰も聞かないで寝てる奴もいるしな。

 勝手に申請無しで免許を取るなとか、勝手にバイトするなとか、迷惑行為するななどの毎回聞く内容を無視しながら次の教科に手を伸ばす。

 「ちょっと待って。そろそろ先生が怒るよ?」

 肩を手で叩かれ、横に振り向く。

 隣の席の吉澤よしざわ 稀沙きさだ。あまり喋らない印象だったので、少し戸惑いながら教材を読む手を止める。すると少し俺に微笑みかけた気がした。今の時代、化粧の濃い顔面を晒す女子が多い。こんな女子は珍しい。他の女子は隠れてスマホをいじったり、普通に喋って笑いだしたり、学級崩壊レベルだ。いつもより五月蠅いのは夏休み前なので授業がないためか?

 

 バンッ


 「おいてめぇら!!私語を慎め!!授業じゃないからって、騒いでいいとは・・・・言ってないぞ!!」

 いつもは静かな、なよなよした先生がここまで怒るなんて、学校始まって初めてだ。顔は通常でもイケメンでも性格が性格なので、女子からはちょっかいをくらっている。しかし今は、イケメンの顔がもっとイケメンになり、男らしくなっている。すごい豹変だ。

 周りの女子は口々にカッコイイなどと、まるで股を濡らしてやがる様な発言をこぼす。

 「次騒いでみろ・・・・・・大人の力使うからな。わかったか!!!!!」

 お・・・大人の力?まぁ、内申点を引いたりとか、家族に報告したりだろうが、今言われると何かエロイ妄想が頭に広がる。同人誌の読み過ぎだ。

 女子の大半は黙り、男子の大半はポカーンと先生を見る。すると先生は急に真顔に戻り、いつもの先生に戻る。

 「じゃあね、次は夏休みの宿題をくばるね☆」

 

 はーい



 学校が終わり、急行の電車に間に合うように猛ダッシュ。早く帰って鈴と買い物に行きたい。

 「間に合え。うぉおおおおおおおおおおおおおお」

 次の角を曲がるとすぐに駅だ。残り一分、間に合うのか?

 「俺の足!もっと早く動け!うおおおおおおおってあぶね!!!!」

 角を曲がった先に少女が立っていた。ぶつかりそうになるのを緊急回避し、何とか相手を怪我させないですんだ。

 機嫌の悪そうな少女に怪我が無いか聞こうとする。すると小声で何かをブツブツ言ってる声が聞こえる。

 「もう少しで、怪我をしたって嘘ついて・・・ごにょごにょ」

 なっ!当たり屋少女か!?ここは早く逃げないと!

 しかし目の前に、乗るはずだった電車が通過する。走った意味が無いではないか!!

 絶望的な状況に体全部の力が抜ける。地面に寝転び荒い息を抑え込むのに必死でいると、何かが落ちているのに気付いた。

 「これ君の・・・・あ。もしかして君・・・」

 俺は、少女資格の生徒手帳を拾い上げ気付く。

 この少女もまた、一級Sランクであると。

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