少女にヤンデレ属性が!?
警察の粋な計らいで今日は公欠扱いになった。今日はゆっくり鈴と話ができる。少女資格の事、そして何故俺を選んでくれたのか。
目を合わせようとしてくれない鈴の俯く顔に、少し不安を覚える。何か隠し事でもしているのだろうか?しかし、会ってまだ一週間。簡単に何か言えとも言えない。でも、一つ屋根の下で一緒に暮らしてるんだ。できれば教えて欲しい。
「なぁ、いい加減顔を見せてくれよ。改まって話をしよう。な?」
しかし、鈴は一向に顔を上げようとはしない。ここまでくると心配になってくる。
痺れを切らした俺はとうとう立ち上がり、鈴の両肩をぐっと掴む。華奢な体には少し痛いだろうか?
「・・・・・・・・・ぅう・・・・・・・ぅううう・・・・・グスッ」
泣いてるのか?畜生、女の子の扱い何て俺に分かる訳ないだろ!どうしよう。ここは、いっちょギャグでもして和ませるか。これしかないだろ。
「鈴、ほら。こっち見て」
顔を上げる鈴に俺は、体全体で龍の形を作り上げ、必死にモノマネをくりだす。
「一つ・・・願いを言え・・・」
渾身のモノマネを披露して少々疲れた俺は龍の形を戻そうとした時、鈴は不意に口を開いた。
「私を。お嫁さんにしてください」
そのままの状態で固まる俺をしり目に鈴は、俺の体に抱き付く。困惑する俺はただひたすら、時間と鈴に身を預ける。初めて異性に抱き付かれたのだ。緊張し、鼓動が早くなる。
駄目だ・・・理性が・・・爆発してしまう!
俺の早くなる鼓動を感じたのか聞こえたのか、鈴はさらに強く抱きしめ始める。
「春斗さん。私はずっと前から、資格を受ける前からずっと、ずっと心奪われていました。貴方のものにならせてください」
資格を受けるずっと前から?どう言う事だ?何か、問題が増えていくぞ!?資格についても何もまだ詳しく聞いてないのに。
「な、なぁ。聞いてもいいか?ずっと前っていつだ?」
「覚えて・・・・・・ないのですか?」
「すまん。もしかして、結構・・・」
「いえ、覚えてなくて当然です。10年前ですから」
すると体の力を弱め、スッと離れていった。もう少し抱きしめて貰いたかったが。
しかし、内心今もドキドキしている。あんな頬を赤らめながら、少し吐息交じりで誘惑されそうな声と顔で言われると、ドキドキしない方がおかしい。
鈴はそそくさと部屋から出ていき、再度手帳を持ってきた。中々の高級そうな素材のカバーに包まれた少女資格一級Sランクのカードとバッジ。手帳にはびっしりと少女資格の心得が書かれていた。
「すごいでしょ。これ覚えるのに、7ヶ月かかったんですよ」
7ヶ月で覚えれる量なのか!?250ページびっしりと書かれたのを7ヶ月で覚えれるとは。さすが超優等生。無意識に拍手をしていた。
ペラペラとページをめくっていると、あるページに目がいった。
「何だこれ」
「あああああああ!!ダメええええええええええええ!!!!」
一瞬で俺の手に握られた手帳を奪い取る。しかしバッチリ俺は見た。ある2ページに、俺の写真と細かく何かを書いてある文字を。
慌てふためく鈴に一瞬恐怖を覚えたが、ここまで思ってくれてると逆に興奮して来た。
必死に弁解しようと口を開けるが、何を言っているのか呂律が回っていないため分からない。俺は別にいいんだ。うん。ちと怖いけど。
「ごめんなさい。今すぐ破り捨てますから!許してください!」
「だあああ!止めろ!別に大丈夫だよ!見なかった事にするから!別に気にしてないし」
半泣き状態の鈴を落ち着かせる。結構手間かかるのね・・・この子。
「何書いてあるかは、気に・・・なるけーどねぇ」
「決して、お顔がカッコイイとか、一日何回トイレに行ったとか、私と目が合う回数を書いてる訳ではございません!!」
なるほど。うん。なるほど。
これで興奮する俺は頭がおかしいのか?