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(おまけ1)~ファミレスにて~

一番最初のおまけです。

第三話その後のファミレスでの会話をSS風にして書いてみました。

 ここは駅前にあるファミリーレストランの禁煙窓際テーブル席。


テーブルの上にはドリンクや大きなポテトフライが乗り、そんな席では五人の高校生がそれをつまみつつ雑談を楽しんでいる最中であった。


奏 「私はそんなに優秀ではないぞ?」


夏葉「またまた~そんなこと言う人に限って優秀なんですよっ」


皐月「確かに気になりますね……」


 丁度、誰が一番頭が良いのかという話題のようだ。


灯 「奏は去年、成績優秀者生徒だった」


奏 「あ、あかりん!」


皐月「凄いじゃないですか!」


夏葉「ほら~。あたしの目に狂いはありません!」


奏 「……こうなるから言いたくなかったんだ」


誠人「でも本当に凄いですよ、どんな勉強しているんです?」


奏 「ほとんど勉強はしていないぞ。各教員の対策と勉強の手順を覚えるだけで点は取れるからな」


皐月「私なんて頑張っても数学が出来ないのに……」


夏葉「あたしは数学が一番得意ですっ!」


皐月「良いですね……。城井さんはどの教科が得意なんですか?」


誠人「う~ん。どの教科もまずまずに出来るのでどれが得意とか無いですかね?」


奏 「確かに少年は頭がよさそうだな。今度勉強会でも開こうか。中間考査もある」


皐月「それは良いですね」


夏葉「賛成ですっ」


誠人「僕も良いと思いますよ」


 そして話題は一区切りし別の話題へと移る。


奏 「部長として一つ聞こうと思っていたことがある」


誠人「なんですか改まって」


奏 「大したことでは無いのだが、みんなの好きなゲームのジャンルを聞きたい。ゲーム研究部に置いておくソフトなどを多少でも反映するつもりだ」


誠人「ゲームですか……」


夏葉「あたしは格ゲーが好きですっ! だからこの学校にゲームの部活があると知った時はもう!」


奏 「確かに夏葉女史の別館で部室を探している時の迫力といったら凄かったな。思わず声をかけてしまったが正解で良かったよ」


皐月「すいません。格ゲーってなんですか?」


奏 「ん。格ゲーというのは対戦型格闘ゲームの俗称で、プレイヤー同士が自らが使用するキャラクターを決めて対戦するというゲームだ」


皐月「なんか難しそうなゲームですね」


奏 「人の向き不向きが左右されるゲームの典型的だな。一応有名タイトルは置いておくから一度プレイして見ると良い。あかりんはノベルゲーの他に何か要望はあるか?」


灯 「……特に無い。奏の好きなようにして」


奏 「――あかりん。もう一度言ってくれ。主に後の方を」


灯 「っ? 特に無い。奏の……」


誠人「あーーっ。そういえば千代川さんはどんなゲームが好きなんですか?」


奏 「……少年」ジィー


 表情を変えてはいなかったが一瞬怒りという感情が現れたのを彼らは気付いていなかった。


皐月「わたしですか? わたしは弟とゲームをプレイするぐらいなので……。アクションゲームとかパズルゲームですかね」


夏葉「メイちゃんは弟が居るんですか! あたしも弟が欲しいですっ」


皐月「ええ居ますよ。なのでわたし個人ではあまりゲームはやらないんですよ」


奏 「そんなに気にすることはない。自分で楽しさを見つけてやるのがゲームだからな」


夏葉「そうですねっ。ねえ、今度メイちゃんの弟に会いに行っても良い?」


皐月「勿論構いませんよ。弟も喜ぶと思います」


夏葉「やったですっ」


 大きくガッツポーズをする。


奏 「それで少年はゲームをやったりするのか?」


誠人「僕もあまりやらないですね……」


奏 「ふむ、ゲーム初心者が二人か。なら丁度良い!」ガタッ!


誠人 皐月「え?」


奏 「私、詩集院奏がゲーム研究部のゲームによるゲームのための心得を二人に伝授してやろう!」


誠人「……部長、ここファミレスです」


奏 「うん? 気にするな」


誠人「(こういう人だった……)」


皐月「でも一体何を教えるんですか?」


奏 「ふむ、まずはゲームを楽しむという事を教えよう」


夏葉「ほうほう」


誠人「例えばどんな感じですか?」


奏 「今言ってしまうと面白くないだろう?」


灯 「……」コクン 


皐月「確かにそうですね。今から楽しみにしておきます」ニコ


灯 「……」もぐもぐ


 灯がもくもくとポテトを咀嚼している姿を見て奏は一人、恍惚の表情をしていた。


奏 「(持って帰りたい……)」うずうず


誠人「(奏さんがダメな人になってる)」


灯 「……? 何?」


奏 「続けて、どうぞ」ニコニコ


灯 「……」もぐもぐ


夏葉「かなちゃんが変ですっ」


誠人「多分、その内帰ってくると思うから……」


皐月「それまで私達で喋っていましょうか」


 それから二十分ほど経って――


奏 「ハッ! つい見とれてしまった」


誠人「(つい?)」


夏葉「かなちゃん、おかえり~」


皐月「戻ってきて頂いた所ですが、私はそろそろ私用があるのでお暇しようかと……」


奏 「うん? ああ、もうこんな時間か」


誠人「早いですね……。今日はもう解散しましょうか」


夏葉「残念ですっ」


灯 「……また来れば良い」


奏 「あかりんの言うとおりだ。またみんなで来よう」


夏葉 皐月「はいっ」


誠人「(今日会ったばかりなのに何故かみんな仲が良いよな……)」


そんな様子を一人不思議に感じている誠人であった。



 これはとある町にあるファミレスでの会話。


      ありふれた日常の物語。


    だけど彼にとっては少し特別な。


        そんな物語。

読んでくれてありがとうございます。

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