表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/11

門番Aと呼ばれる勇者曰く、“表示”は便利だ。


 勇者生活いちにちめっ、そのよんっ!



 目の前にあった階段をどんどんと上り、王様の居場所を目指す。NPCな衛兵に訊けば、王様は三階の謁見室にいるらしいのだ。……めんどくさいから、謁見室ぐらい一階に作ってくれよな。

 ちなみに、さっきから文句たらたらだった門番Cも、さすがに今は黙っている。そらそうだ、生まれて初めて『立つ』以外の行為をしたのだ。いくら疲労を感じない身体でも、精神的な疲れは溜まるだろう。

 そのうち慣れさせてくしかねぇな。コイツには、俺の代わりに戦ってもらわなければならないのだから、鍛えねぇと。


 そんなバカで自己中(自覚アリ)なことを考えながら階段を上りきり、やっとのことで謁見室に辿り着く。こっからが、王様とのご挨拶である。めんどくせぇから任せたぜ、門番Cっ!


「……王様に粗相のないようにな!(王様! こっ、この度、勇者様に連れられ、パーティに参加することとなった門番Cでありますっ!)」


 ぷっ!! こ、これはウケる! なにこれ、王様本人に向かって『王様に粗相のないよいにな!』だって? 超おもしろいんですけど、超おもしろいんですけどぉぉ!!


「おぉ勇者よ、死んでしまうとは情けない」


 そしてなぜ王様は勇者が死んで、王城にワープさせられて復活した時の言葉しかしゃべれないわけ?! やばい、やばすぎる! 腹筋崩壊するっ! これもバグの影響か?!

 つか、王様が内心でなにを思ってるのか、非常に気になるのは俺だけでありましょうかっ!!


「王様に粗相のないようにな!(お、おい、勇者様! 助けてくれよっ!?)」

「いいえ」

「王様に粗相のないようにな!(なしてぇぇ?!)」


 ふっ……哀れな。ニヤケ笑いが止まらない。

 その後俺たちは、言葉が通じないのに『王様から“銅のつるぎ”とやくそう×5と200Gを渡された!』という表示で話を進められ、王城から出る事となった。



 最近、“表示”の便利さに気付いた俺の名は門番A。門番Cを巧みに操り旅に出る、姑息な(自覚アリ)勇者サマさっ!



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ