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月今宵のこころは、アルテミシアの風のように

作者: 逢乃 雫

寄せては返す


波のように季節は



景色に少しずつ


秋をちりばめながら



澄みゆく


空の青を花びらに映す



ルリマツリに


彩られた小径の先で



足早に駆けゆく


夕陽のやわらかな



光の中に


見つけた笑み栗が



秋をまたひとつ


こころへ届けるように




大地にそよぐ


やわらかなススキの



穂は移りゆく


季節を見つめる袖振草(そでふりぐさ)



夕月夜の丘に


吹きゆく茜色の風に



アルテミシアは


銀の葉に


月を映し出すように




月今宵の


光はやわらかに



空に広がりゆく


瑠璃色のビロードに



星座は秋を


ちりばめながら



天馬とともに


アンドロメダが(そら)


渡りゆくとき



満ちゆく月は


道を明るく


照らす光となって




月今宵の


光はあたたかに



満ちては欠けて


欠けては満ちていく



こころも


月のひとときのように



寄せては返す


風のさゆらぎは



月の光を


こころの砂浜へ


やさしく届けるように




この惑星に


寄り添うように



月が夜を


照らす光は


太陽から受けとった光



日々の中で


感じたやさしさ


ひとひらのぬくもり



それをまた


この月のように


つないでいけるように



寄り添う言の葉が


そこに、あると信じて




夢はきっと


満ちて輝くのではなくて



叶えようと歩んでいく


一歩ずつも


また輝きとなって



満ちていくときも


月の見えない夜も



自分らしさと


こころの月を、磨いていけたら




澄みゆく空を


こころへと映す道に



またひとつ


秋を、感じながら



月今宵の宙に


アルテミシアの、風はやわらかに




















月今宵つきこよい」は、中秋の名月(十五夜)のことで、2025年は10月6日となり、7日にかけて満月となります。ススキは「袖振草そでふりぐさ」とも呼ばれ、初秋に花が咲き「心が通じる」の花言葉があります。


ルリマツリ(瑠璃茉莉)は、秋にかけて青い花が咲き「ブルームーン」とも呼ばれ、花言葉は「いつも明るく」です。


ヨモギは、学名の「アルテミシア」がギリシャ神話の月の女神に由来し、初秋に咲く花には「幸福」の花言葉があります。ぐりは、実った栗が笑むように開く様子です。


季節の星や花をモチーフに詩を描かせていただきました。お読みいただき、ありがとうございます。


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― 新着の感想 ―
この詩全体を通して寄せては返す波、満ちては欠けゆく月のような柔らかな風が吹いていてその風に揺らめく言の葉が織りなす情景の中で、漂えました。秋をちりばめてゆく月の女神の 光が澄んでゆく空に一層綺麗に見え…
今回も美しい言葉選び、4行目からすでにノックアウトされました! 「秋をちりばめ」なんと綺麗な表現… 「銀の葉に月を映し出す」もたまりません! 繰り返し出てくるアルテミシア、女神さまに似た名前だけどなん…
秋に関する言葉が優しく散りばめられていて、とても穏やかな気持ちで読ませて頂きました。 夏から秋に移ると気温が下がっていくこともあってなんだかすこしだけ寂しい気持ちになりますが、秋には秋の美しさがありま…
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