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異世界転生したけどまた幼馴染とのんびり暮らしたい  作者: 黒井あたる
第2章 戦の兆し
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第20話

 あの後カレーも完成していよいよ実食となったんだけど、太陽と瑠奈の2人がボロボロと泣きだして大変だった。なんでもこっちに連れてこられて鑑定の儀が終わった後すぐ追放されたのでまともな食事をしていなかったとか。最初の頃はフェンリル様が生きたイノシシを足で押さえつけて『食え』と言われて呆然としたらしい。『どうした?こうやって食うんだ』と言って噛みついてブチィっと引きちぎってムシャムシャしてるのを見てまたさらに呆然としたらしい。フェンリル様よ…。


 その後なんとかナイフを入手してもらってきれいに解体とまではいかないけど、なんとか肉を切り出して火を通して食べるとこまではいけたらしい。ただ、それ以上食事が進化することはなかったとか。かわいそうに…。


 そして今は姫様のお願いをきくために森に来ているよ。森というか整備されてて果樹園ぽい感じかな。なんかかぼちゃサイズの黄色い身が樹になってたりする。


「カイトさんに燃やしてもらいたいのはこちらです。この蔦が不用意に傷つけると瘴気を発するので焼き斬って燃やすしかないのですが、最近生えてきたのが炎耐性が強いのか燃えないのです。」

「なるほど。触ってみても?」

「傷さえつけなければ大丈夫です。」


 触ってというか魔力をあてて燃やすものを確認する。


「ちょっと試してみますね。」


 刀を抜いて刀身に蒼炎を纏わせる。うん、良い感じだ。地面から1メートルくらいの高さで蔦だけをスパっと切る。すると切られた所に蒼炎が宿り、蔦を辿って上下にどんどんと燃やしていった。


「すごい、こんなにあっさり…。」

「皆さん、周囲に散らばって蔦のある場所や燃えた蔦で他に燃え移ってないかとか確認してください。」


 そう言って地中を走り続ける根を燃やしてる蒼炎を感知して追う。


「地面を見ながらどこに行くのですか?」

「さっきの炎が根を燃やしていってます。あの樹にある蔦のとこに出てきますよ。」


 そういうと樹の根元から蔦を燃やしながら蒼炎が上がってきた。


「え、すごい…。地中で根まで燃やして?というか地中で消えないんですか?」

「燃やす対象が無くなるか僕が解除するまで消えません。」

「こっちの樹の上の蔦は全部燃えました!燃え移り無しです!」

「ちょっと想像以上でした。なんとか根から切り離してさえもらえればなんとかしようと思っていましたけど…。」


 その間にも根を燃やす蒼炎は枝分かれして四方八方に伸びていき把握するのも困難な状態になる。


「随分根が伸びてるね。まぁ他のものは燃やさないはずだし…。他にまだ燃えてない蔦ありますか?」

「こっちにあります!」


 そっちに行ってスパっと切る。


「こっちにもあります!」


 そっちにも行ってスパっと切る。いやぁ、この刀いいなぁ!あの時じいじに披露した居合斬りやったらすごいことになりそう。


「こっちも全部燃えました!樹は無事です!」


 という報告があちこちから上がるようになると、根を燃やし進んでる蒼炎のほうも落ち着いてきて、最後には一つだけになった。一見何も無い所に向かっているようだが…


「この方向って…。」

「こっちに向かってるんですか?まさか!」


 ああ、あった。世界樹の根元にちょこんと顔を出した蔦らしきもの。炎が追い付いてきてすぐ燃やされたけど危ないことろだったね。この蔦、意思でもあるんだろうか?


「実はこの蔦、邪神が関係しているんです。」


 また考えてることバレバレだったか。


「あの蔦が伸びていこうとしてたのは、おそらく邪神が封印されている所。」


 そう言って姫様は世界樹を見上げた。え、邪神封印してるのここなの!?


「はい、次元こそ違うとこに封印されてるんですが、入り口はこの上にあります。」

「なんでまたこんな重要な場所に?」

「封印の結界を術者がいなくても維持できるように世界樹の力を借りているのです。」

「なるほどね。さすがに術者が死んだ後も永遠に続くなんてそんな魔法ないか。」


 詳しく聞いたところによると、邪神の封印の入り口を虫も通さぬ警戒具合で里長含む10人程で常に警戒しているらしい。里長は、リーネフ国初代国王の父が産まれた時以来下りてきていないらしい。そして度々この蔦が生まれ、樹に巻き付いて樹の持つ養分を吸い広がろうとするのだとか。今回燃やせなかったことでかなりの広がりを見せ、世界樹の足元まで到達したことにより、蔦の目的は封印を壊すことかもしれないということになり、世界樹の根元を定期的に巡回する部隊を作ると言っていた。普段は恐れ多くて根元にはいかないらしい。


「というわけで、蒼炎も消えたし一件落着かな?」

「そうですね。カイトは血族とはいえだいぶ離れた子孫ですし子を()しても問題ないですね。」

「問題大有りです!何言ってるんですか姫様!?」

「ちょっと待てカイト!おとなしくしていればどういうことじゃ!妾のほうが先に予約していたじゃろうが!」

「そんな予約もされてません!」

「私は勇者様に教えてもらったフリンがいいかな?」

「ララノア?あんたも何言ってるの?」

「お母様もこれだけの魔力だし気づいてると思うけど、絶対に会わせるわけにはいかなくなりましたね。カイトがお義父さま(おとうさま)になってしまいます。」

「なんだここ、やばい人しかいないのか…。」


 俺はハーレム主人公じゃないぞ。アリシア一筋だ。と呟くカイトだった。

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