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異世界転生したけどまた幼馴染とのんびり暮らしたい  作者: 黒井あたる
第2章 戦の兆し
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第18話

「おーいみんなー!緊急事態だヤバイのが来る!太陽は瑠奈をお姫様抱っこ!瑠奈は太陽の首に手をまわして!ララノアさんは前に向き直って足元見る!」

「はい!」

「ん、何もないけど?」


 ガッ!ガッ!


「うわぁ!飛んでる!?」

「太陽…。」

「……」


 お姫様抱っこされて頬を染めてる瑠奈をじーっと見るララノア。


「どうして同じ女の子なのにこんなに扱いが違うのー!首根っこ掴みやすいように下向かせたなー!」

「はいはい、ララノアさん方向の指示よろしくね。」

「あっ、このまま真っすぐでいいよ。」


 ララノアさんて時々ものすごく素直で面白いね。あと太陽と瑠奈はどういう関係なんだろね?3人の首根っこ掴むのは無理なので、思わずあんな指示出しちゃったけど、瑠奈は喜んでそうだからまぁいっか。


「ララノアさん、あとどれくらい?」

「この調子だともう少しかな。」

「真っすぐフェンリル様の所行くかと思ったけど途中で曲がってこっちに追尾してきた。まずい、追いつかれそう。」

「いったい何が来てるんです?」

「神竜って言ってた。」

「ひぃっ!カイト急いで!もっと早く!」

「よし、じゃあもっと飛ばすよ!」

「きゃあ!」


 太陽にしがみ付いて頬を染めてる瑠奈をじーっと見るララノア。


「カイト、私もしがみ付きたいからお姫様抱っこにして!」

「無茶言わないでくださいよ。」

『待つのじゃー!』


 そっと後ろを向くとでっかいドラゴンがもう視界に入るとこまできた。


「やばいやばい!ララノアさんまだなの?」

「そこ!あの二つ並んだ樹のとこで止めて!」

「みんな、私の後ろに付いてきて!」

「よし!これでたすか――」

「いいにおいするのじゃ!それにこの魔力!美味しそうなのじゃ!」

「あ、神竜様もきちゃった。」


 カイトの首元に抱き着いて背中に張り付いた幼女がいた。


「これが世界樹か、すごいな。」

「本当にすごいですね。ここからじゃもう枝が広がってて上が見えませんね。」

「世界樹に傷つけたりしたらダメですからね、気を付けてくださいよ。」


 こんな神聖な気配の樹に傷なんてつけられませんよ。飛んで上まで登ったりしたら怒られるかな?


「ところで太陽、クラスメイトって何人いたの?」

「え?……全部で40人でした。」

「そうなんだ。その中で友達とか気になる人はいる?」

「小・中と一緒で仲良かったのが2人います。」

「そっか。帝国でどういう扱い受けてるかわからないけど、異世界あるあるの隷属化パターンだったら最悪だね。うちの国は禁止してるけど、帝国は奴隷がいるらしいからね。」

「……」

「最悪のパターンでも、信じて支えてあげるんだよ。この世界で放り出されたらどうなるかわかるよね。」

「それはもちろんですけど、どうしたらいいですかね…。」

「うーん、ここにきて帝国が強気で攻めてきたのは召喚が成功したからでしょ。ということはいずれ戦場に出してくると思うから、見つけたら拉致して監禁しよう。」

「そうですね。このまま帝国においとくわけにはいきませんからね。」

「頭ガジガジと嚙みつかれてヨダレまみれになってるのに全く同様しないで会話してるカイトってすごいね。ランカスターって皆そうなの?」

「妾をここまで無視したヤツは初めてなのじゃ!こうなったら首に噛みついてやるのじゃ!」

「そこはダメ!」

「あちち!あつい!?」

「お、やっと離れた。」

「なんじゃその炎は!?妾に火傷させるじゃと?」


 お、ちゃんと効いたみたい。竜形態とどれだけ耐性が違うのかわからないけど、これが効くならなんとか戦えるかな?


「あーごめんごめん。ポーションあるよ?」

「まぁよい、これくらいすぐ治る。」

「それで、神竜様はどうしてこちらに?」

「うむ!やっとこっちを見たな!これはもう決闘するしかないのじゃ!」

「しませんからね。さっきの話聞いてましたよね?やることが沢山あるんです。」

「むぅ、つれないのぅ。しょうがないのじゃ、其方もまだ子供だし待つのじゃ。」

「ありがとうございます。」


……………………


「よく来てくれましたね。私が世界樹の上部に行っていて不在の里長に代わり里のことを任されてるメリルフィリアと申します。お気軽に姫様と呼んでくださいね。」


 あれ?そこは短縮してメリルとかフィリアとかいうところじゃないの?しかし、これはまた金髪碧眼のすごい美人さんだ。ララノアさんが2番目の美少女って言ってたけど、もしかしたらこの人が1番なのかな?


 それに、姫様の右肩に15センチくらいの人型の何かが乗ってるんだけど、あれも精霊?それとも妖精?


「カイト・ランカスターです。よろしくお願いします。」

「ランカスターでしたか。私の肩に居る精霊も見えているようだし、私達の一族に間違いありませんね。」

「やっぱりそうなんですね。」

「私の弟の血筋になりますね。」


 ん?里長の息子が人間と子をなしてその子が初代国王になったんじゃなかったっけ…。えぇ、エルフってそんなに長生きなの?


「なるほど。私達の一族はハイエルフなので寿命というものが無いのですよ。」

「ハイエルフ!というかララノアさんもそうだったけど、俺ってそんなにわかりやすいですか?」

「貴方にくっついてる精霊が貴方の感情を察して動き出すのですよ。」


 まじかぁ、ってことはエルフには何考えてるかバレバレなの?


「私達以外はそこまでではないですよ。リリィ優しい風をお願い。」


 お?なんか風が吹いてきた。


「このように精霊にはお願いをして聞いてもらいます。貴方も精霊に好かれてるようですしお願いきいてもらえるでしょう。」

「なるほどです。精霊について調べたかったけど、うちには書物が全くなくて諦めてました。」

「下級精霊とはいえ感情のままに動かしていると危険ですので精霊を抑えられるようにしたほうがいいですね。」

「わかりました、頑張ってみます。」

「明日お願いしたいことがありますので、今日は好きなことをしてゆっくりしてください。部屋も用意させてますので。」


 太陽はうっかり姫様に目を奪われてしまい、その横顔を瑠奈がジト目で見つめていた。その向いでは、神竜様がクッキーみたいなお菓子をもらっておとなしく頬張っているのだった。

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