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2.乾いた絵の具は二度と使えない

この作品は完結しています。

最後まで投稿予定ですので、ぜひ読んでいって下さい。

 ◆


 気付けば、白木さんと二人で夜まで絵を描いていた。

 僕は立ちっぱなしで疲れた。


「そろそろ下校か。ミカケ君、帰ろうか」

「うん。絵の具を洗わなきゃ」

「洗わなくて良いよ! また明日、私が使うから!」

「ダメだよ。油絵具は乾くと二度と使えないんだ」

「え! 嘘! じゃ、今日作った絵の具の色は」

「うん。また一から作り直しだよ。てか、また明日描くの?」

「当たり前じゃん! 描き終わらないと気が済まないってもんよ!」


 そんな横暴な。

 僕の白の絵の具の枯渇が凄いんだけど。


「と、に、か、く! 約束通り、コーヒー奢るから着いて来て! 取り敢えず、一本目!」

「に、二十本も要らないから!」

「ダメ! 私が決めたからにはそうさせていただきます。毎日一本! 約束ね?」


 約束、ね。

 あと二十日間も、白木さんからコーヒーを奢られなければならない、と。


「ほら、早くしないと学校が閉まるから! その前に自販機まで行かなきゃ」


 白木さんはスカートを靡かせて、笑った。

 僕も、出来るだけの笑みを浮かべてみた。


「ミカケ君、気持ち悪い笑い方するね」

「う、うるさいなぁ」


 こちとら、なかなか笑わないんだよ。


「そういえば、白木さんはこの部室に何しに来たの?」

「うーんなんだっけなぁ」

「白木さん、この部室の物資を撤去しに来たんでしょ?」

「それは違うけど」

「じゃあ、何しに来たの?」


 白木さんはそっぽ向いた。

 その後、てててっと走ると、


「しーらない!」


 と笑った。

読んでいただきありがとうございます。

よろしければ、ブックマークをぜひよろしくお願い致します。

次回の投稿は6/23 21:10の予定です。

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