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12話 姉妹


 女性の顔は真っ赤になっていた。そしてなんかブツブツと小さな声が聞こえた。


 「やっぱり無理、私には無理、無理無理無理」


 そんな小さな声が聞こえていた。俺はとりあえずこの俺よりも明らかに緊張している女性の気持ちを解きほぐすために適切な会話を試みることにした。



 「こんにちは、何カップですか?」


 「・・・・・・」


 女の呟きがピタリと止まった。その後、会話が始まることはなかった。どうやら俺は失敗したようだ。


 そして長い夜が明けた




・・・・・・・・・・




 はずはなかった。無限とも思われる気まずい沈黙の続く中、女性は突然何かを思い立ったかのように立ち上がった。立ち上がった背丈はそれほど高くなく、座っている俺よりも頭一個分高いくらいだった。多分身長150センチくらいだろう。


 見ていると女性はおもむろに俺の前に移動し、そのまま俺の膝の上に向かい合わせで座った。


 「ど、どうぞ」


 女性は俺の膝の上に座り胸を突き出していた。悲しいことに・・・近くで見るとそれは絶壁だった。背が低いため上から胸元があっさりと見えた。


 下着には本来なら肉が詰まっている筈だが、なぜか切ない隙間がパカパカと空いており中のサクランボが見えた。カーネルと色は同じピンクだった。



 なんだろう、絶壁を見たら少し落ち着いてきたな。俺は膝に座る女性を紳士的に扱おうと思い優しい声をかけた。


 「クラストリプルA、だが才能と伸びしろを感じる。まだ先は長いが・・・君は美しい。個性を活かせば何も問題はない」


 女性は膝の上でプルプル震えていた。なんだろう、これ見たことあるな・・・着替えてる最中のリサを見た後にこんな反応があったような・・・



 その時だ。ガチャリという音がした。


 「ヤッてる?」


 さっきの女が入ってきた。残念なことにまだヤッていなかった。


 「お姉ちゃん!なんで入ってくるの!」


 「いや、どうせお互い緊張してろくにヤレないんじゃないかなーって思ってさ、混ざりに来たの」


 女は明け透けにイヤらしいハンドサインをしながらそう笑っていた。というか・・・姉妹なのか?確かに顔は似ているな。身体つきは正反対だが。姉の方は165センチくらいありそうだ。胸はFか。素晴らしい。


 その時俺の脳裏に電流が走った。姉妹・・・同時・・・だと?気付けば萎えていた股間もまるで前世で言うところのチョモランマかのように隆起していた。


 「歓迎しますよ、お嬢さん。さあ、どうぞこちらへ」


 俺は童貞の癖に姉妹同時プレイという異次元殺法に心を焼かれていた。これは逃せない。俺の童貞を捨てる戦場はここだ!俺はこのために生きてきたんだ!生きててよかった!っと思わず興奮して感涙していた。


 女は俺の呼び声に答え、俺の隣に密着して座った。さっき俺を散々翻弄したおっぱいがそこにあった。


 おかえりなさい


 心の中でそう思わず呟いていた。




・・・・・・・・・・




 「じゃ、やろっか。アリシアは邪魔だからどいてどいて」


 「私が今からしようとしてたんだけど」


 「ええ?嘘でしょ。服すら脱いでないじゃない」


 「・・・・・・」


 図星だった。妹の方はひたすら無言で何もしなかった。かろうじて膝の上に座りはしたがその後は再び固まっていた。


 いや、ほんとに経験ないんだろな。俺以下の経験値しかないと思うと優しくしてあげたいなと思う。そう思い優しく眺めていたら、妹のアリシアさんがおもむろに服を脱ぎだした。豪快な脱ぎ方だった。色気は感じなかった。


 なんだろう、これ最近どっかで見たな。あ、あれだ。詩音だわ。詩音の黒い服のキャストオフに似てるんだわ。


 俺は思わず一人納得していた。だが、脱いだあとに現れた肉体は詩音とは大違いだった。詩音山が標高89キロを誇る山だとしたら、目の前の絶壁は標高71センチくらいだった。近所の公園の砂山以下の存在がそこにあった。


 「お客様、この子はあれですし・・・とりあえず私としてから考えませんか?多分ヤッてたら混ざりたくなると思いますし・・・というわけで押し倒しますね」



 気付けば俺は何故か抵抗すら出来ず、女に押し倒されていた。柔らかいおっぱいは魔性だった。


 「ヨナお姉ちゃん!」


 ほほう、ヨナさんと仰るのですか。素敵なお名前ですね。そんなことを考えながら俺は次は何をしてくれるのだろうか?と童貞のくせにワクワクとしていた。




・・・・・・・・・・




 凄かった。色々凄かった。ヨナさんが乱れるのは想像がついたが・・・アリシアがまさかあんなになるとは・・・やべえ。


 アリシアは初めての癖に最後らへんはものすごくイヤらしい声と表情をしていた。虐めると声はさらに大きくなりとんでもなく嗜虐心がそそられた。


 今は流石に力尽きたのかベッドの端っこで力尽きて寝ていた。可愛い寝顔だった。見ててムラムラした。



 俺は一つの真理に目覚めていた。


 おっぱいは別に無くてもいいのかもしれないな。大切なのは反応だな。


 「ねえ、続きしよ?」


 姉のヨナはまだ満足してないらしい。恐ろしい。合計十回以上出したんだが。我ながら初めての相手にあんなにがっついて良かったんだろうか?明らかに最初は怯えていた気がする。


 でもなあ・・・ヨナさんの方がアリシアの脚を開かせて・・・いいからとりあえず突っ込めとか言うんだよな。アリシアも怖がってはいたが、やめようか?って聞いたら首をブンブン横に振るし・・・大丈夫だったと思いたい。後が少し怖いな。


 そんなことを考えていたら気付けば俺の上に跨っているヨナさんがいた。相変わらずクスクスとこちらを見ながらこちらをいやらしく見ていた。小刻みに腰を前後に振っていた。


 「ねえ、気持ちよかった?」


 「すごく」


 「そっか、良かったね。初めての感想は?」


 「生きてて良かった。最高だった」


 「それは良かった。それなら安心して代金請求できるしさ。煽ったのは私だけど初めてのアリシアにあんなにするなんてちょっと酷かったと思わない?」


 「それは・・・まあ」

 実際やってる最中はケモノだった。煽られたし抵抗も一切しなかったとはいえ酷いことをしたかもしれない。


 「で、お願いがあるんだよ。私とアリシアをさ、街の外に逃してほしい。あなた達外から来たんでしょ?あなた達の住んでいる街に連れて行ってほしい。お願い。また同じことしたいでしょ?」


 なるほど、何で俺にそんなにサービスするんだろうと思ったらそういうことか。納得がいった。こんなある意味終わっている街で誰も生を終えたくはないだろう。だが、街からは出せても・・・俺たちの街には連れていけない。腕輪の転送機能はつけている人間にしか働かない。複数人の転送はできないのだ。


 「すまない。俺達の住んでいる街に連れて行くのは難しい。だが、この街の外に連れ出すのは可能だと思う。今後もこの街の周辺のゾンビやグールは倒す予定だ。今すぐではないが、それで納得してくれないか?約束は守る」


 「街に連れて行くのは・・・無理なの?」


 「ああ、それは無理だ」


 「そっか、残念。やっぱ期待し過ぎたかな」


 「すまない。出来ることはするよ。これだけのことをしてもらったんだしさ」


 「うん、了解。じゃあデキることをしてもらおうかな。ちょっと元気ないし・・・これ飲もうか」


 俺はヨナの差し出した飲み薬を飲んだ。している最中にも飲まされた興奮剤の類だろう。そして俺の意識は気付けば少しずつ遠ざかり・・・いつしか眠りについていた。




・・・・・・・・・・




 フーッフーッフーッフーッフーッ


 誰かの荒い吐息が聞こえる。なんだろう?何をそんなに興奮しているのだろうか?頭がボーッとしている。身体もだるい。無理もない。あれだけ激しく色々としたんだ。


 でも、そろそろいい加減起きないと・・・俺は起きあがるために床に手をついて起き上がろうとした。


 何故か床に手は当たらなかった。俺の手がなぜかなかった。



 え?なんで?目の錯覚だよな。





 無い・・・無い・・・無い・・・俺の手がない!


 ぼやけていた俺の意識が覚醒した。


 目を開けた俺がそこで見たものは地下室のような場所の床と、俺の目の前に置いてあるイスに座っているヨナさん。ヨナさんはクスクスとした笑顔でこちらを見つめていた。意識を失う前にも見た笑顔だった。




 そして、緊張か興奮かその両方か知らないが、ずっと荒い息をしながら、その両手に大きな斧を構えて俺の足元にアリシアが立っていた。



 聞こえていた荒い吐息の主はアリシアだった。



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