2話 本部
何事もなく本部についた。本部はまずは大きな城門、門をくぐると庭園、そしてその先には大きな城のような建物が見えた。城と言ってもラブホテルの方ではない。普通の西洋風の城だ。
何事もなくついたのが心底意外だった。来る途中にモンスターに襲われるくらいは覚悟していた。今まで散々な目に合わされた身としては意外だ。中に入ってからが本番なのだろうか。
とりあえず焼肉店ですらあんな目に遭わされたんだ。この島では何があってもおかしくない。そう俺が童帝を捨てれても・・・
仮にこの島で童貞を捨てるとしたら相手はあの黒い女か魔法少女の二択になる。ギリギリのラインで黒い女に天秤の杯は傾いていたが出来れば避けたい選択肢だった。
前世から大切にした童貞は心から愛する相手に捧げたかった。出来れば俺のことが好きで好きでたまらない姫騎士か魔法少女・・・いや、辛い現実を知った俺からは魔法少女という選択肢は許されていなかった。
脳内に強烈に魔法少女の姿が刷り込まれた結果、俺は魔法少女と聞けば可愛い魔女っ子の姿ではなくてコスプレをして左目に眼帯を付けた筋肉ムキムキの変態爺の姿を想像するようになっていた。俺には魔法少女で妄想に耽る自由はもうどこにも許されていなかった。
遺された姫騎士か聖女に捧げたい。なんなら全身タイツ姿の忍者でもいい。俺はそんなことを考えていた。
さて、入るか。俺から夢を奪い去った魔法少女が地獄の門の前で手招きをしている。黒い女もその横に立っている。やだなあ、心底やだなあ。
城門には門番がいた。
その門番は・・・俺の目がおかしくなったのだろうか・・・露出の多い白いワンピースのような服装をした女性が左右に一人ずつ立っていた。
武器は持っている。だが服装は白いワンピースだ。ヒラヒラしていて生地は薄い。よく見るとなんか中身が透けそうな・・・やめておこう。危険には近寄ってはいけない。下着はつけているのだろうか?ブラのラインは見えない。
・・・それにしても美人だな。似ていたが姉妹だろうか?ふう、姉妹同時か・・・悪くない。むしろいい。
俺はそんなことを考えながら城門をくぐった。
・・・地獄の門じゃないといいなあ。
城門をくぐり庭園を歩いた。先には大きな城のような建物がある。建物の入口には先ほどと同じように門番が左右一人ずつ立っている。
そして先ほどと同じように白いワンピースを着て槍を持った美人が二人立っていた。
なぜか顔も似ていた。四つ子?・・・いやまさかな。夢の5人同時プレイか。コントローラーが足りないな。
城内に入り長い通路を歩いた。他にも部屋はあるだろうが、今要件があるのは組織のトップの人間だ。
俺は売られていく牛のような気分になりながら、黒い女とコスプレした変態爺の後を歩いていた。
ミニ・スカートなので変態爺の勝負下着がたまに見えた。吐きそうだった。俺はなぜあのときこの下着に一万札を入れてしまったのだろうか?心底不思議でならない。あの怪しい腰つきの誘う踊りに騙された。精神操作の能力でもあるのか?
それにしても、なぜ服装が黒い女と逆じゃないのだろうか?逆ならば俺は多分ホイホイついていったはずだ。見た目だけは良かったんだ。精神はドス黒い暗黒色に染まっていても見る分には関係ない。プライベートでは一切関わりたくない存在だったが見る分には問題なかった。
なんなら酷い目に散々遭わされた分、視姦してやりたかった。脳内でひたすらエロい目に遭わせてやりたかった。
そんなことを考えながら歩いていたら黒い女と変態爺の足がとある部屋の前で止まった。
ここか・・・豪華な扉だ。謁見の間?と言ったら大げさだろうが、そんな雰囲気を受ける扉だった。
そして先程と同じく左右には立っている女が一人ずついる。容姿も瓜二つだ。服装も同じだ。六つ子?いや、ないな。そっくりさんだろう。夢を超えた伝説の七人プレイか。そこまで行くと身体が保たないな。
持っている武器は剣だ。中では槍より使いやすいのだろう。
見ていると左右に立っていた女が扉を開けた。大きな音を立てながら扉が開いていった。
黒い女と魔法少女は中に入るように俺に促した。二人は外で待っているようだ。
ふう、中にはどんな人がいるんだろう。諦めて静かに俺は中に足を進めた。




