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重要フラグ①全裸の変態との出会い


 目の前には全裸の変態がいた。



 その身には何も纏っていない。まるで一人暮らしの家で風呂に入りそのままめんどくさいから何も纏わずに過ごす・・・そんな自然さを感じる全裸だった。この全裸には年季が入っていた。そんじゃそこらのありふれた全裸ではなかった。



 見た目がいいだけに残念だ。可哀想に・・・とても哀れだ。流石にこれは同じ女として哀れみを感じる。久しぶりに私は誰かをある意味可哀想だと思った。ちょっとだけゲンナリした。




・・・・・・・・・・




 私はシオンと国の中を旅していた。といってもすぐに戦場に戻れるように近場だ。異世界転移してから4年経つがすっかり私とシオンはニコイチになっていた。フレンドフレンド。


 ちなみに一緒にいるのはシオンが心配でこっそり護衛をしているというのもある。公式にはシオンが私の護衛なのだが、私もシオンを守りたいから私達はお互いに守り合う関係だった。なんせこの世界は糞みたいな世界だからな。いつ誰が死んでもなんの不思議もない。大切なものは側にいて守るのが一番だったんだよ。



 さて、旅に出るきっかけだ。王様とすっかり仲良くなった私は茶飲み話をしていた。そしてその度に昔話や面白い話を聞くのだ。今回はたまたま面白い話だった。




 「王様、お小遣いください。もしくは何か面白い話してください」



 「・・・うむ。こんな話がある」



 王様はいつものごとく玉座に座っていたが、微妙に角度が傾いていた。疲れることでもあったのだろうか?たまには肩の力を抜いて休めばいいのだよ。相変わらず王様は真面目だった。多分そのうち禿げるな。



 まあ、そんな感じで私は王様から情報を入手していた。



 言っておくがこれは楽しんでるから息抜きでもあるけど、同時にそれは情報収集兼勉強でもあった。


 魔王軍との戦いは厳しい。そして会ったことはないが魔王は強い・・・はずだ。


 王様と茶飲み話をしていて詳しく知ったのだが、魔王が最後に戦場に出てきたのはもう800年ほど前の話らしい。死んだという話はない。ただ、戦場には出てきていないということだ。



 800年も姿を見ないのなら死んでる可能性の方がひょっとしたら高いかも?そういう話なら召喚したときにその話も教えてほしかった。最初に聞いてた数百年と800年の違いは大きいよ。数百年だとせいぜい200年から300年くらいの話だと思うよ。まあ、それでも人間基準だと長いんだけどさ。



 ラスボスのハードルがだいぶ違うと思います!!お祖父ちゃん(王様)!孫(自称)は怒るぞ!プンプン!


 ひょっとして魔王は病気(不眠症)か何かで既に死んでいて・・・軍団長が今の魔王軍のトップなんじゃないか?あるいは横並びの軍団長同士で話し合っての合議制?


 可能性としてはありうる。少しだけ私から肩の力が抜けた。そんなありがたい話も聞いた。



 話がだいぶ横に逸れた。今回旅に出ようと思った話はこれだ。



 「この世界には眠り姫がいる」



 そんな話だった。



 いつから眠っているかは誰も知らないらしい。気づいたら凄く昔からそこにいた。どこの誰なのかもわからない。



 さて、眠りの力は人類が魔王を倒すためにずっと探し続けていた力だ。


 そして眠り姫の情報。


 魔王を倒すのに何か役に立つのではないか?何か魔王と関連性はないか?そう思うのも当然だろう。


 真剣に調査されたこともあるが謎は謎のままで何もわからなかったらしい。おそらく魔王とは関係なくずっと寝てるだけじゃないか?結局はそう結論が出た。


 そんな何をしても起きずにいつまでも眠っている女の話だった。



 とある森の中に眠り姫はいる。一瞬迷いの森的な話なのかなと警戒したが、普通に案内板があった。



 とても美しい女性だと言うことで、男性の人気が高いらしい。少なくとも何百年もの間、周囲に住む男たちから定期的に参拝されてお供えものを置かれたり大切にされているらしい。


 寝てるだけのくせに貢物・・・くそ、同じ女として少しだけ嫉妬した。


 「私の方がかわいいよね、シオン」


 とりあえずそんな絡み方をシオンにはした。


 無言で頷いていた。ちなみにシオンは見たことがないらしい。まあ、私の方が可愛いのは当然だよ。自負がある。なんせ私は勇者だからな。




・・・・・・・・・・




 眠り姫は美しかった。贅肉は一切なく引き締まった身体。美しいというよりは可愛いと言った方が良いかもしれない顔。形の良い胸、括れた腰、点数をつけるなら100点満点中・・・98点くらいはあった。


 うん、これは人気が出るのもわかる。すっごい美女だわ。ちょっと嫉妬する。



 ただ、一つ問題があった。眠り姫は全裸だった。服を一切着ていなかったのだ。乳首も性器も見事なまでにもろ出しだった。ちなみにポーズはよつん這いだった。端的にエロいポーズだった。後ろから見ると穴が2つともよく見えた。ほう・・・未経験だな。



 「ブフッwwwwwwww」



 思わず噴き出した。


 これは酷いwwwwww周囲の男が定期的に参拝してお供物?wwwww違う!www


これ!www男たちは全裸を楽しみに来てるだけ!www


 絶対信仰心とかじゃない!www単なるスケベ心だ!www



 私はそう確信した。


 すごいな・・・こいつ数百年の間ずーーーっと見知らぬ男たちに全裸を見せて男たちに性の歓びを与えていたのか。しかもよつん這いのポーズで。


 これ、透明のガラスみたいな岩の中に入ってるからセーフだけど無かったら絶対にヤラれまくってるな。



 うん、これは眠り姫じゃないな。セイジョだわ。


 漢字で書くと性女ね。決して聖女じゃないわよ。



 ひとしきりそんなことを考えながらプルプルと笑った。その後冷静に考えると・・・



 哀れだ。あまりにも哀れだ。


 哀れむ気持ちが湧いた。シオンはずっと微妙な反応をしていた。聞いたらやっぱり他人にこんな風に見られるのは嫌らしい。




 私はとりあえず眠り姫ならぬ性女を見ながらシオンとランチをすることにした。



 「うーん、シオン・・・あの腰つきエロくない?」



 「・・・・」

 無言だった。



 あのエロい腰つきはやっぱり性女だな。私はそう判断した。


 ランチを食べた後、楽しい時間を提供してくれたお礼を性女に言って私達は家に帰った。


 楽しいピクニックだった。ちなみに眠り姫のバストは小さかった。



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