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10話 業坂



 「書けたのか?」


 百点満点の回答をして余裕を見せていた浩平が俺にそう問いかけてきた。何なら俺の答案用紙をチェックしてやろう・・・そんな雰囲気を感じた。


 「ああ、全部ではないけどな。希望の場所は埋めたよ」

 俺は少し気後れを感じながらそう答えていた。


 「貸してみろ。あんまり埋まってないな」


 「それでいいんだよ。ところで浩平、待ち時間で吸血鬼退治について話さないか?」


 「ああ、そうしよう。そうだな、この店には性体験だけが目的で来たんじゃない。この店に来たのは吸血鬼退治の作戦のうちだ」


 浩平の顔は真剣そのものだった。



 「既に店員に話は通してある。お前の身体のサイズに合う黒いランジェリーとガーターベルトと女性物の服やウィッグを売ってくれとさっきの店員には伝えた。なんせ金は山ほどあるからな。楽な交渉だったよ。プレイ終了後にお前に渡してもらえるように頼んでおいたから受け取って試着してサイズに問題がなければ持ち帰ってくれ。吸血鬼退治に使うぞ」



 「浩平」


 「なんだ?」


 

 「ひょっとして俺はさっきの店員に女装趣味の変態野郎だと思われている可能性があるんじゃないか?」


 「その可能性はあるな」



 「追加で質問だ。俺とお前の関係性はどう思われていると思う?」


 「変態趣味の同性カップルじゃないか?」



 気づけば俺は頭を抱えていた。



 「ああ、あとは体臭の強い子を頼んでおいた。なんせ相手は吸血鬼だ。女装しても体臭が男だとバレるかもしれない。できる限り相手に体臭をお前の肉体につけてもらえるプレイをしてもらえるように頼んでおいたよ。もちろんおしっこもつけておいた」



 なるほど、女装を嗜む変態の上に重度の体臭フェチの上におしっこ好きか。ただでさえ深かったカルマがどん底まで落ちた気がする。ある意味業の坂を落下した気がする。



 ふと、どこかから視線を感じ振り返るとそこには長年エッチな店に通い続けた末に、普通のプレイでは満足できない上客カモに向けるような暖かい目をした店員がいた。




・・・・・・




 「やあやあ、ご指名ありがと!お客さんすっごい若いね!何才?こういうお店はよく来るの?」


 「初体験です。19になります」



 あれだけ特殊な注文をしたにも関わらず、フレンドリーな対応だった。巻いたセミロングの茶髪がよく似合っていた。オタクに優しい感じのクラスで二番目か三番目くらいに可愛い感じのギャルだった。スタイルもかなり良い。胸はDカップくらいだろうか。胸元がだるだるの服を着ているせいか谷間が動く度にチラチラと見えていた。ブラジャーの色は黒だった。



 「同い年じゃん!いやあ、普段おじさん相手ばかりだしちょっと照れるね!」


 「おじさんが多いんですか?」



 「そうそう、三十後半から上だと八十歳くらいの人かな」


 「なるほど」



 なんだろう。礼儀正しいのだがハキハキとしている上にテンションが高いせいかエロさを感じない。落ち着きがないのか、話しながら女は常に身体を揺すっていた。おっぱいが揺れるから正直少し有り難い。感謝。



 胸への視線を感じたのか女はガバっと上着を脱いでいた。その瞬間、獣の臭いがした。



 臭い。体質なのだろうか?おっぱいを見れて嬉しい気持ちもあったが匂いのせいか嬉しさは半減だった。俺は反射的におっぱいを揉みながらそんなことを考えていた。



 「おっぱい好き?」


 「ちゅき」



 初めてのおっぱいは獣の臭いがした。


 プレイ中に判明したが、女の源氏名は妹と同じリサだった。うん、萎えた。




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