牧場生まれの俺は異世界転生して最強を目指す
のどかな風が頬を撫でる。揺れる草花が体を攫う。まるでさっきまで昼寝をしていたかのような心地だ。俺はゆっくりと目を開ける。まぶしい。目が痛くなりそうになりながらも、目はその光に順応していった。ようやく今の明るさに慣れた目には雲一つない青空が映っていた。
俺の記憶が正しいと仮定すればなのだが、つい先ほどまでここらでは雨が降っていたはずだ。それにも関わらず、俺の服は濡れていないし、地面も当然乾いている。
違和感なようなものを感じつつも俺は体を起こした。違和感はそんな記憶違いだけではなかった。空が明るく、どこか暖かな陽気に包まれているのに太陽がどこにもない。光源がないのに明るいのだ。
俺は自分の置かれている状況を知るために、視線を空から周囲に変えた。目に入ったのは見慣れない大きな扉のようなものだった。全体は磨かれた銀白色の鉱物的な素材で出来ている。装飾はほとんど最低限なものにとどまっており、ドアノブはなく、本来ドアノブがあるであろう位置には不気味なことに漢字で<死>と書かれている。
何より扉はそれ単体で草原に佇んでいる。背後に建造物らしいものもないので、本格的にに存在意義がわからない。もしかしたらこれは扉ではないのかもしれないが、形状的な特徴は本当に扉なのだ。
「お目覚めですしょうか。」
背後から声がした。
俺は立ち上がりつつ振り向くと、そこにはいかにもな不審者がいた。それは白い装束に身を包み、顔には<使>と書かれた紙がぶら下がっている。先ほど見渡した時には誰もいなかったはずなのだが、さもあたり前かのようにこの白装束は少し腰を曲げた状態でこちらを見ている。
あまりにも現実味のない出来事の連続に既に頭が痛くなりそうだが、実はこの状況には多少なりと心当たりがある。
「ここは...異世界か?」
そう、俺の記憶は雪交じりな雨にタイヤを取られたトラックに轢かれたところで途絶えている。つまり今の俺は異世界転生をしていてもおかしくない状態なのだ。
「最近の人はそう言う方が多いですね。何かの流行でしょうか。」
白装束は首を傾げながら言う。
「まあ今は異世界転生物の著作物が流行してるからな。」
俺は自信満々に答えると共に一つの疑問へとたどり着く。"最近の人"とこの白装束は言った。ということは俺以外にもこの世界に来た人間がいるということだろうか。でないとそのような言葉は出ない。他にも俺と同じように異世界転生した奴がいたという事だ。
「それなら納得ですね。ですがここは異世界とは言っても死後の世界、三途の川ですので恐らく想像とは違ったものになるでしょう。普通なら最初に死後の世界であるかと疑う物でしょうに。」
なるほど。確かに普通に考えれば、トラックに轢かれた人間が見知らぬ場所にいたら死後の世界であると疑うのが筋という物だろう。世の中には死後の世界を経由してから異世界に行くタイプの物語もあるので、ここが三途の川であろうとも特に気にすることはない。
それを仮定すると、目の前にいる白装束は俺にチートスキルを与え、異世界転生させてくれる神というやつなのだろう。楽しみだ。
「三途の川って言うけどよ、川っぽいのがないじゃないか。」
周囲に目を向けながら小言を言う。ついでを言うと彼岸花もない。そして俺の服装がスーツのままというのも気になる。実際の三途の川と現実に伝わっている三途の川には多少なりと差異があるのであろうか。
「川でしたら向こうにありますよ。そして私はあなたをそこまで案内するためにここにいるのです。」
白装束は扉とは反対の方向に指を指しながら言った。確かに川という物は直線的な物なので、常に視界に入る場所に存在しているとは限らない。
「ふーん。で、異世界転生はいつできるんだ?」
俺は到底神に対してとるべきではない不敬な態度をとる。異世界転生物では、神は大抵腰が低く、上から目線で要求し続ければ転生させてもらえることが多い。
「?あなたはできませんよ。」
俺は驚きのあまり息がつまってしまった。
トラックに轢かれたら異世界転生できるのはもはや確定と思っていたが、違っていたらしい。それにそもそも異世界転生システムがないというわけではないということは"あなたは"という言葉から推察できる。というか以外にもこの白装束はそこまで腰が低くない。
俺は生前、異世界転生で知識無双をするために毎日必死に勉強して、いい大学に入り、異世界で活躍しそうな研究もしたというのに悲惨なことだ。
「なんでできないんだよ。どうやったら異世界転生できるんだよ。」
もはやうろたえながら質問を投げかけていく。俺は非常に迷惑なクレーマーとなり果てた。俺には既に冷静さが失われている。
「異世界転生というのは、生前心残りを残したまま若くして亡くなられた方のための最後の慈悲なのです。あなたは生前十分と言えるほどの生活をし、そして壮年にて死去したため、それらの規定を満たしません。」
大学で成果を残し過ぎたことが敗因か。それとも資格を三桁台まで取ったのが原因かはわからないが、俺は心残りなしと判断されてしまった。事故死なのに。
「いや、心残りならある。異世界転生できなかったという大きすぎる心残りがな。それに人生百年時代と言われる現代においては、50で死ぬのは十分すぎるほど若い。だから頼むよ。なんかこう、神パワー的なのでさ。」
俺はあきらめなかった。もはや大声でゴリ押しするしかない。
「...そうですね、少し上に相談しますね。」
白装束は左手を耳に当て、人差し指を何度か耳あてに当てた。
「あ、申し訳ありません。PU-4900担当の588番代です。浄化予定の死者がどうしても異世界転生をしたいと。はい。申し訳ありません。」
白装束は何度も頭を下げながら空中に向かって話している。
どこか既視感あるその行動から、この白装束は神ではなく、神の使いという立場なのだろうと推察できる。完全にクレーマー対応に追われる新人社員だ。そういえば顔にも<使>と書かれていたし、その時点で神ではないという事を察するべきだったのだろうか。
電話らしき行為を終えた白装束はこちらに向き直った。
「間もなく責任者の方がいらっしゃいますので、少々お待ちください。」
その謝罪の完成度に関心を寄せていると、先ほどの扉の<死>の文字が<拠>の文字に変わり、そこからこれまた神と表現するしかないであろう狐人が出てきた。和風なんだな。
今回は顔にしっかりと<神>と書かれた紙を貼っている。間違いない。この人が神だ。
「貴様か。異界を望むものは。」
それの顔は紙で見えないはずなのに、確かに俺を睨みつけていることがわかる。
不良相手でも啖呵を切る俺ですらそれに怯えざる負えなかった。
「ふん、では牧場にでも送っておけ。」
神はそれだけ言うと、再び扉の向こうに消えていった。
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うるさい。
赤子の泣き声が耳に響く。誰も泣き止ませないのだろうか。親は何をしているのだろうか。親に世話をさせてもらえない子供がいてたまるか。
いや、違う。これは俺の声だ。泣いているのは俺だ。産声を上げているのだ。
そして俺は運ばれている。誰かが俺を運んでいる。
体は自由に動かせない。視界はぼやけてほとんど見えない。
思うに、これは赤子として転生したということなのだろうか。
けど思っていたものと違う。
俺を抱きかかえて喜ぶ母親も、それを見守る父親の気配すら全くない。ただただベルトコンベアのようなものに乗せられて、運ばれているという感覚しかない。
しばらくすると、ガタンという音と共にカプセルのような場所に入れられる。未熟児用の保育器だろうか。
そして頭に何かが着けられる。
「「皆様、ご誕生おめでとうございます。」」
合成音声と共に目の前に<ようこそ>の文字が映し出される。
先ほどまで不明瞭だった視界が突然に晴れる。いや、これは脳に直接映像が映し出されているのか?
「「今日から皆様を感情豊かで思いやりのあふれる人間に育つよう、教育を行います。」」
その一言で理解する。
つまりこの世界は俺のいた世界よりも技術力の進歩した近未来的な世界で、生まれたばかりの子供はこのVR機のようなもので育つ。そういうことだろう。
その予想に答える様に、俺の目の前には今の世界の様子と一般的な家庭の様子が映し出され、合成音声でその説明が加えられる。
淡々と行われるその教育を見ながら、俺は今の世界に期待を寄せる。
高い技術力により、人々はあらゆる問題-食糧難、人口偏向、少子高齢、災害、その一切から解き放たれ、労働は半分娯楽と化し自由を謳歌している。
そして何よりもこの育成機により邪な思想を持つ人間が0という完全なる治安を手にしている。
確かに異世界転生して俺TUEEEはできないかもしれないが、それでも満足行く生活ができそうだ。
前に俺がいた世界では、自分の住んでいる国の法律すらもろくに知らない連中ばかりいたが、ここの世界ではこの育成機があるために、教養のある人間のみで社会が構成されているのだ。まさに理想郷と言えなくもないだろう。
俺にとって一番楽しみなのは転生システムである。
この世界で優秀な成績を収めた人間は望んだ世界に転生できる制度があるのだ。刺激の少ないこの世界でのほぼ唯一の生きる目標になり得るものだ。
つまり俺はこの世界でトップに立ち、今度こそファンタジー世界に転生するということなのだが、残念なことにそれはもう目標にしていない。今いる世界でも前にいた世界に比べれば、いや、これからさらに転生するであろうさらなる世界に比べても十分と言える生活ができる。
もう一生この世界にいよう。
何年経っただろうか。頭から育成機が外されていることがわかる。
生まれて初めて俺は体を起こすと、周囲を自分の目で見渡す。
育成機から初めて出た人間が三十人ほど俺と同じように周囲を見渡したり、自分の体を動かしたりしている。
「初めまして。」
俺は隣の育成機にいた少年から話しかけられる。
育成機から出たらまず、周囲にいる同期に挨拶をするように育成機に言われた。おそらくこいつはそれを実行しているのだろう。
「おう、今日からよろしくな。」
俺は右手を差し出し、握手を求める。握手はこの世界での挨拶として事前に学んでいる。
相手も同じように右手を差し出し、俺と握手をする。その動きはややぎこちないが、それはまだ体を動かし慣れていないからだろう。
そこで俺は名乗ろうとしたが、自分たちに名前がないことに気付く。にも関わらずだ。
「私はD-05と言います。同室出身ということで、今後とも仲良くお願いします。」
は?D-05?何故こいつに名前があるんだ?俺には名前がないのに。
そして俺は周りに耳を向ける。
他の奴らもお互いに名乗り合っている。幸いにして俺はそれらから名前の規則性を見出した。
「俺はD-04。よろしくな。」
どうやら育成機の順番から名付けられているらしい。
にしても何故俺だけ名前が教えられなかったのだろうか。不具合かな。
「「皆様、こちらの出口から受付へ移動してください。」」
左後方から音声案内と共にドアが開く音がした。
確か育成機から出たばかりの人は、まず自分がどう生きるかを役所で決めるはずだ。
俺たちはまるで訓練されたかのように二列縦隊で部屋を出、確かな足取りで役所へと向かう。
ここには誰か先導者のような者はいない。みんな自分の意志で並び、役所へと向かっているのだ。
役所にはすぐについた。それもそのはず、役所は俺たちが育った病棟の隣にあるのだ。迷うことなく来れる。
役所の最上階で俺たちは人生の道を決めることになる。
各個人の番号ごとにそれぞれの窓口に並ぶはずなのだが、何故か俺、つまりD-04は存在しないことになっている。
D-03とD-05がいるのにD-04がいないというのはどういう状況なのだろうか。
「「あなたの個人番号を入力してください。」」
機械に言われる。
俺は再びD-04と入力する。
「「エラーが発生しました。もう一度入力してください。」」
今度は04とだけ入力する。
「「桁数が不足しています。もう一度入力してください。」」
じゃあどうしろというのだ。
俺は嫌になって適当に入力した。
「「不正なデータを検知しました。あなたを拘束します。」」
突然のアラート音と共に武装した人間が何人か出てくる。銃に見える武器を俺に向け、警告もなしに発砲する。
その弾丸はきれいに俺の両ひざ両肘を打ち抜き、動けなくなった俺を今度は鈍器のようなもので頭部を殴りつける。
無抵抗な人間相手に何もそこまでしなくてもいいのにという俺の思いは気を失うことによって消えていった。
-Happy_End-
『牧場生まれの俺は異世界転生して最強を目指す』
ver.1.01
人の声という物は男女に差はあれど、普通齢と共に低くなっていくものである。
よって、今俺の耳に響いているこの高周波な泣き声は赤子の物とわかる。
うるさい。
赤子は人間に限らずどの生き物も本来泣くものである。
だが無意味に泣いているのではない。
生まれた瞬間、肺呼吸を始めるために泣く。
空腹などの時、周囲の大人へそれを伝えるために泣く。
だがうるさい。
周りの大人は何をしているのだろうか。
赤子がこんなにも精一杯泣いているのに、駆け寄る足音さえ聞こえない。
非常に悲惨な赤子もいたものだ。
...いや、違う。
泣いているのは俺だ。
俺が産声を上げているのだ。
輪廻転生...一般にはそう呼ばれている現象だ。
元々はインドの宗教的な考えだった。
全ての生き物は生と死を無限に繰り返している。
それから解脱するために苦行を積むのだという。
俺は前世で特に仏教的な修行を積んだ覚えはない。
輪廻転生することは必至と言えるだろう。
そんな中、転生した先で早速育児放棄が行われている。
近くに母親らしき人物や助産師の気配などは一切感じない。
目を開けて周囲を確認しようにも、生まれたばかりでまだ視力が安定しない。
仕方なく俺は五感の内の一つである触覚に頼ることにした。
ガタン...ガタン...
わずかだが、俺の体が機械的に揺れているのを感じる。
これはベルトコンベアだろうか。
とても人間の赤子を運ぶような物ではない。
そこで一つ思い出す。
確か仏教では、必ずしも人間に転生するとは限らないと言っていることだ。
即ち、何らかの畜産関係の動物に転生している可能性もある。
だが生まれたての俺にはどう足掻くこともできない。
運ばれた先で何かが頭に装着される。
「皆様、この度は御誕生おめでとうございます。今日から皆様を感情豊かで、思いやりのある立派な臣民になれるよう、教育を致します。案内役のA-01です。」
頭に直接語りかけられる。
昔読んだ近未来SF科学雑誌に載っていた、脳接続式VRのようだ。
いや、それそのものだろう。
少し考えれば、転生という現象が過去の方向に起きるということは、考えにくい。
確率的に考えるのであれば、前世よりも進んだ世界に行くのが数学的に必然だ。
(※1:詳しい計算は最下部に記す)
この世界では、人工知能が教育を行うことが一般的なようだ。
俺は十四歳になった。
厳密にはカウントしていないのだが、A-01が言うのだからそうだろう。
保育機からの卒業の日が来たのだ。
生まれて初めて体を起こし、生まれて初めて伸びをした。
保育機から出たおれは自分の目で周囲を確認する。
自分と同じような状況の人間が三十人程度視界に入った。
「初めまして。私はD-02005と言います。同室出身同士、仲良くお願いします。」
俺の隣の保育機から出て来た青年はそう言い、左手を伸ばしてきた。
これは握手を求めているという事だろう。
前世とは違い、この世界では左手で握手をすることが常識とされている。
右手で握手をするのは、絶交の合図だ。
「おう、俺はE-002004だ。よろしくな。」
同じく左手を伸ばし、握手をする。
D-02005は笑顔を向けて来た。
初めてできた友達という物に感動しているのだろう。
そのままの勢いで他の人にも挨拶をしていく。
気づいたことが一つある。
他の人の名前はD-から始まっているにも関わらず、俺だけE-だ。
このことに何か意味があるのだろうか。
「それでは皆様、住民登録を行うため、こちらへ移動してください。」
放送が鳴る。
俺たちはあたかも訓練されていたかのように列を作った。
まあ実際保育機内で訓練を受けたのだが。
住民登録は全て機械で行う。
人はあくまでイレギュラーが起きたときの為だけに脇で待機している。
「まずはお名前と呼称を入力してください。」
パネルから音声案内がされる。
まず名前の欄にE-002004と入力する。
入力が終わると同時に欄の右側に緑色の半リングが現れ、回転する。
少しの間と共にその半リングは緑色のチェックマークへと変化した。
次に呼称を入力する。
この呼称というのはいわゆるあだ名のようなものだ。
名前を必要とする度にE-002004と名乗るのは大変この上ない。
そのため俺はふざけて"勇者"と入力した。
すると今度はチェックマークではなく、赤色のイクスクラメーションマークが出た。
そして新たに現れたウィンドウに"この名前は既に使われております。呼称を勇者43に変更しますか?〇はい●いいえ"と表示された。
勇者43という名前はやや微妙ではあるが、他の四十二人はそれを受け入れていることを考えると、渋々はいを選択した。
「次に希望する職業をお選びください。」
選択画面が出て来る。
ただ、選択肢のほとんどが暗い色に塗られていて、選ぶことができなくなっていた。
分類:公務員と犯罪者しか選べない状態になっていた。
なんだよ職業犯罪者って、と言いたくもなるが、この世界の治安維持能力が高すぎるため、自然に犯罪者は現れない。
その上、多少の犯罪であれば問題にならないレベルで保証が効く。
なのでここでの犯罪者はある種のエンターテイナーとして扱われている。
当然俺は前世の影響で犯罪者に負のイメージしかないため、公務員を選択する。
すると次の画面が表示されるのだが、またしてもほとんどの選択肢は暗い色に塗られていて、選べない状態になっている。
選べるもの言えば一つだけ。
"奴隷"...だ。
この世界に奴隷の概念があるだなんてA-01は言っていなかった。
だがもしかしたら俺のイメージしている奴隷とは違うのかもしれない。
一途の望みをかけて奴隷を選択した。
「ビーッビーッビーッ。保安員は直ちにE-002004を拘束してください。アラートコード:RB-04。アラートコード:RB-04。」
突然の出来事に困惑する。
そして冷静さを取り戻したころには、既に保安員によって拘束されていた。
何やらオレンジ色の液体の入った注射器を打たれ、気を失った。
次に目を覚ました時には、宇宙服を着せられ、永遠と岩石だらけの星の上でつるはしを振らされていた。
そこで二百二十年、死ぬまでただただ働き続けた。
-Happy_End-
※1
全ての異世界の集合をA={An|n∈R}とする。(Rは実数全体を表す記号)
文明レベルをC(n)としたとき、nはC(n)が単調増加になるよう決定する。
即ち、k>l(k,l∈R)→C(k)>C(l)が成り立つ。
現在の世界をAi、転生後の世界をAjとしたとき、そのi、jはn全体のうち普遍的である可能性が高い。
即ち、C(i)とC(j)の期待値E(i)、E(j)は共に等しいと言える。
転生にかかった時間内に発展した技術をΔCとする。
E(i)<E(j)+ΔCより、転生後の世界の方がより高い文明レベルを保持している可能性が高い□