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売り子と保安官と手配書

 保安官詰め所。

 デスクの上に褐色の紙を広げ、保安官が作業をしている。

「なーにしてるんですかっ」

「何だ売り子。仕事の邪魔をするんじゃない」

 売り子は特に悪びれる様子もなくへへ、と笑う。

「それ何ですかー?」

「手配書だ」

「あ、この前店に来たときに持ってたやつ?」

「まあ、それも入っている」

「それでその手配書広げて何やってんですかー?」

「整理だ、見ればわかるだろう」

「整理?」

「地域、金額、種族……定期的にソートしておかないとばらばらになってしまうからな」

「保安官さんは真面目なんですね」

「馬鹿にしてるのか?」

「してませんよお。でも……俺は不真面目だから。真面目な保安官さんのこと、尊敬するなぁって思って」

「急に何だ、気味が悪い」

「いえ? ……ね、保安官さん」

「何だ」

「友達になってあげましょうか?」

 ばさばさばさ、と書類を落とす保安官。

「な、な、な」

「あらら」

「帰れ!」

「いやこれ俺のせいですし、拾うくらいは手伝いますよ」

「ふざけるなよ……」

 保安官がわなわなと震えている間にもひょいひょいと書類を拾う売り子。

「はい、どうぞ」

「……」

「じゃ、帰りますね」

「さっさと去れ!」

「はいはい」

 売り子が去った後、保安官は大きなため息をつく。

 手配書をぺらぺらとめくり、

「ソート、されている……」

 保安官は手配書を力なくデスクに置き、ファイルにしまった。

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