表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
信仰値カンストの神官、我が道を行く  作者: 栗木下
4章:クレセート

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

235/284

235:夜の語らい-3

「死ねっ!異端者!!」

「異教の徒は滅びるがいい!!」

「殺してやる!化け物!!」

 教皇様を『エオナガルド』に入れた直後。

 私の部屋の隅にある影から三人の男が、手に武器を持った状態で飛び出してくる。

 私は彼らの姿を認識すると、腰のニグロム・ローザを抜き放つ。


「『スィルローゼ・プラト・エクイプ・ソンウェプ・ツェーン』」

 そして、メンシオスの黒い霧を纏わせつつ魔法によって鞭化すると……外に繋がる窓を塞ぐように動かす。


「「「うおおおおおおぉぉぉぉ!!」」」

 ニグロム・ローザと窓の外から飛んできた何かがぶつかり、弾け飛ぶ。

 弾け飛んだ欠片を見る限り、どうやら昼間に射られた矢の質を多少悪くした物のようだ。

 で、その間に男たちは私の目前に迫り、手にした蘇芳色の光を纏った剣が私を切り裂こうとしているわけだが。


「説教でもされてきなさい」

「「「!?」」」

 私はメンシオスの黒い霧を消した鞭を一閃。

 全員の武器を持った腕を斬り飛ばした上で『エオナガルド』に飛ばすと、アチラで待機しているエオナ=トレインに拘束と治療を任せる。


「アンタたちは破壊よ」

「「「っつ!?」」」

 それからメンシオスの黒い霧を再び纏わせた上で更に一閃。

 男たちの持っていた武器……E12やE13と同じように意志を持っているそれらを破壊する。


「スリサズ」

 私はスリサズを呼び出しつつ窓の外を見る。

 敵の位置を私が的確に知れる事を分かっているのだろう。

 矢の射手はとにかく私から距離を取ることを優先するように建物の屋根の上を駆けているようだった。

 だが、その姿を直接視認できる距離ならば、今の私にとっては無いも同然である。


「行けっ」

「バウッ」

 私を乗せたスリサズが窓から最高速で外へと飛び出す。

 すると窓から飛び出す私を狙うかのように糸の輪のような物が絞られ始めるが、スリサズの速さに比べて糸が絞られる速さはあまりにも遅く、糸が絞られ切る頃には私を乗せたスリサズは射手の横に居る。


「逃がす気は無いわ」

「なっ!?」

 そう、この展開をまるで予想出来ていなかった射手の横にだ。

 射手の顔は驚愕に包まれている。

 だが、昼間のと違って、仕事ではなく歪められた信仰に従っている気配が、その身に纏っている悪意と表情から窺える。


「アンタも説教コースよ」

「ごがっ!?」

 まあ、とりあえず『エオナガルド』に送ってしまった方が都合がいい。

 と言う訳で、スリサズが腕を振り下ろして屋根に叩きつけて動きを止めると、素早く矢筒を切り離した上で『エオナガルド』に移送。

 それから直ぐに矢筒と叩きつけられた衝撃で手放していた黒い弓を破壊しておく。


「さて……」

 襲撃者を殺す意味はない。

 実力的には大したことは無いし、今の『エオナガルド』にはルナリド様が居るからだ。

 彼らが捻じ曲げられた教えに基づく信仰に従って行動を起こしたのであれば、拘束と治療を行った上で彼らが信じる神自身からの言葉によって洗いざらい喋ってくれるだろう。


「バウッ!」

 私が一息吐こうとした瞬間を見計らうようにスリサズが警戒の声を上げ、それと同時に下以外のあらゆる方向から私たちに向けて無数のナイフが飛んでくる。


「まあ、これで終わる訳が無いわよね」

 どうやら私がこのタイミングで射手を倒すと敵は判断していたらしい。

 これはそう言う罠である。


「なんと言うことは無いけど」

「バ、バウ……」

 尤も、この程度なら背中から何本か茨を生やして操り、飛んでくるナイフを片っ端から回収。

 所有者だと認識されたタイミングで、ナイフに込められた意思が『エオナガルド』に入り込んで来るので、それを量産型の私がメンシオスの黒い霧を纏った茨の棒で順次粉砕していけば終わりだ。


「……」

 この時点でG35の暗躍は確定したと言っていい。

 E12やE13と同じような意思持ちの武器を作れる人間が早々居るとは思えない。

 後は何処に隠れ潜んで武器を提供しているかだが……そこは今捕縛した連中からの情報に期待するしかないか。


「おっと」

「バウ」

 と、此処で私は悪意の急激な増大を感知して、スリサズに跳ねさせる。

 すると直後に私が居た屋根の上が、足元から生えてきた無数の黒い影の刃によって満たされる。

 あのままボウっとしていたら、全身串刺しだっただろう。

 どうやら新手が来たらしい。


「何者かしら」

「何者かだと……」

 私は大通りへと着地すると同時に攻撃者へと目をやる。

 攻撃者は枢機卿の衣服でその身を包んだ黒髪の男性で、顔はありふれた顔と言った感じだが、手には細部までこだわって作られた事が一目で分かる銀色の長杖を持っている。

 そして男性の周囲では、全身を金属鎧で固め、剣と盾を握った護衛の神官騎士が数人が身構えている。


「誰が異教の徒如きに我が神聖な名を明かすものか!」

 大通りには男性たちと私以外にも人影はある。

 だが、彼らは一般人ではない。

 怯えた様子で短剣を握っているが、本当の一般人はルナリド信者と言えども此処まで遅くまで起きていないし、スリサズの姿を見た時点で逃げ出している。

 おまけに私に対して確固たる悪意など持っているはずが無い。

 まあ、なんにせよだ。


「やれっ!お前たち!!異教の化け物を殺すのだ!!」

「「「うおおおおおっ!!」」」

 今日の襲撃はあの男性、セキセズ枢機卿が主導で起こしたものとみていいだろう。

11/07誤字訂正

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ