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不器用な僕の彼女達の助け方  作者: アツシルック
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白間メメの暗躍

黒戸 白が退学を思い悩み東桜台高校で白愛会が乗り込んで来た騒動から数時間後。


ーー黒戸家ーー


「ただいま……」

黒戸 白が家の玄関を開けて家の中に入ると、家の中は静寂せいじゃくに包まれ誰もいない事を空気や雰囲気で感じられた。


「まだ紅は帰ってないのか」

白はそう思い、いつものように自分の部屋へと向かう二階への階段に足をかけたとき。


「あら、おかえりなさい白」


「えっ!?」

誰も居ないと思われたはずの背後のリビングから声がした、その声は紅とは違う女性の声で白は驚きを隠しつつ咄嗟とっさにリビングの方へ顔を振り向く。


「か、母さん……帰っていたの?」

そこには白の母、黒戸 紙子かみこが立っていた。


「あらやだ、母親を見て驚くなんて失礼ね、ふっふっふっ」

紙子は口に手をやり笑う。


「だって……」

白は困惑していた、確かに人の気配はなかったはずだったし、なにより数年音信不通の母が突然目の前に現れ声を掛けてきたのだから。


紙子は白が物心ついた時からいつも突然居なくなる事が多かった、そして暫くして音信不通になったかと思えば唐突に現れる、そう白達の様子を見計みはからった様なタイミングで紙子は平然とまた現れるのだ。


「ちょっとね、今日は白に伝えておきたい事があってね」

紙子は白に向かい話し掛ける。


「……」

白はただ黙って母・紙子の様子を伺う、何故ならいつもそうだからだ、リビングから突然現れては用事を伝えて忽然こつぜんと姿を消す。


「白? 話をしてもいいかしら、母さんはしばらくの間は用事で帰って来れないけれど心配しないでいいわよ、だから家の事は任せたわ? もし何か有ればお隣の美人で綺麗な白間 女女めめさんに相談しなさいね、話は通してあるから」

紙子はそう白に告げると玄関に向かい颯爽さっそうとその場を立ち去ったが白はしばらくその場に立ち尽くす追いかける事はしない。


(そう今までと何も変わらない光景、突然現れては突然消えるいつも通りの……いつも通り……? いや違う、今日の母さんの様子はいつもと違っていた)

白はただ玄関のドアを見つめるがいつもと違う違和感に気づく。


「いつもの母さんは『家の事は任せたわよ?』で話は終わって颯爽と姿を消していた、でも今回は『白間 女女メメさんに相談しなさいね』と美希の母親に頼る様に言っていた」

白は慌てて玄関ドアを開け、紙子の後を追う様に外へ出るがもうそこには紙子の姿は無かった。


ーー黒戸家・玄関先ーー


一方、黒戸家の玄関ドアから出てきた黒戸 紙子は周辺を左右見渡し誰もいない事を確認すると紙子の身体は徐々に薄れ霧の様に消滅した、そしてその地面には一枚の白い人形ひとがたかたどった紙だけが残った。


ーー

ーー

ーー


〜白間家〜


「ふっふっふっ、これでもう紙子役はお役御免かしらね、やっと白ちゃんは本来持つ力の解放が始まったみたいだしふっふっふっ」

白間家のリビング、美希の母・白間 女女メメが照明もつけずテーブルのノートパソコンに向かい、モニターから漏れる明かりに銀色の長い髪と鋭く冷たい瞳を輝かせ、妖艶に笑う口が暗い部屋に浮き上がっていた。

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