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不器用な僕の彼女達の助け方  作者: アツシルック
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白間 美希の罪と罰

それは小学ニ年生の暑い夏の日、白間しろま 美希みきはいつもの様に玄関で白が出てくるのを待ち、いつも白が登校する時間を見計みはからっては美希も玄関を出て、偶然を装い一緒に登校出来る様にタイミングを合わせていた。


そんな事を繰り返していたある日、いつもの様に白が登校したので、美希もすぐ家を出ては、白より先を歩き登校した、でもその日の白はいつもとは少し様子がおかしく、歩くペースも遅く、少しフラフラしている感じがしていた。


美希はしばらく歩いて後ろを振り向くと、白が自分の後ろを歩いていない事に気づき、最初は白が途中で登校ルート変えたのかと思ったが、なんか変な胸騒ぎがした美希は心配になり来た道を引き返し走った。


来た道を引き返すと、遠くに何か物体が道に倒れているのが見え、美希は嫌な悪寒が全身を走り抜け、全速力でその倒れている物に近づく。


「し、白!? 白……どうしたの? ねぇ? 白!」

美希が近づくと道に倒れていたのは白だった、白は意識を失い、それを見た美希は体が震え、どうしていいか分からず何度もそこに倒れている白を揺らす。


「ねぇ、白ってば、冗談だよね、ねぇ起きてよ、白」

美希は泣きながら何度も何度声を掛けたが、白は一切の反応を示さない。


誰かを呼ぼうとしたが周りには誰もいない、美希は直ぐにでも病院に連れて行かないといけないと思い、自分のランドセルと、白のランドセルを道の端に置き、倒れてる白を必死に自分の背中に背負い、病院に向かいおぶって歩き出した。


いくら子供だからと言って、女子が男子を背負うのはとてもキツかった、足は震え、支えてる手も重みで痛み出し、夏日なつびもあってどんどん体力を奪われる、白に日差しを浴びせてはダメだと思い美希は歩く時も日影を歩く様に心掛けた。


白をおぶってからどれぐらいの時間が過ぎたのだろう、足も手も腰も全身が痛くなったが、それでも白を助けたいそんな思いでカラカラの喉に、荒い息、全身が汗でビショビショになっていたが、美希は歩みを止める事はせず一歩ずつ前に足を進める。


「白、もうすぐ着くから、だからもう少し我慢してね」

白に美希の声が届いてるか分からないが、何度何度も声を掛け意識を取り戻して欲しいと願った。


いつ頃着いただろうか、美希には何十時間もかかった感覚だっただろう、病院につき入り口に入った時には美希も力尽き倒れ、しばらくして美希はベッドの上で目を覚ましていた。


「うん……ここは?」

朦朧もうろうとしながらベッドから上半身を起こし、頭を抱え、美希は今の状況を整理した、部屋には6個のベッドがあり、集団部屋の病室だろう、そして美希が寝てるのは窓際のベッドだった。


「わ、私は……学校に行こうとして……白が……白……白は!?」

美希は慌てた様に起き上がりベッドから降り、近くにいた看護師のズボンの端を掴む。


「か、看護師さん、白は! 白は……私が連れてきた男の子は?」

美希は必死に尋ねる。


「あら、目が覚めた? 大丈夫よお嬢ちゃん、男の子ならあなたが寝ている横の仕切りのカーテンをしてるベッドで寝ているわ」

看護師のお姉さんは優しく答えて、美希は隣のベッドのカーテンの間から中に入りベッドの横にあった椅子に腰掛けた。


「し、白……大丈夫? ねぇ白……」

美希は涙を流しながら、白の手を握りながら白に声を掛けた、白の手には全く力が入っておらず、握り返してくる気配がない。


「ご、ごめんなさい……ごめんなさい、私の……私のせいで、私が白を……」

美希は白の手を自分のひたいに当てて、何度も何度も白に届いてるか分からないが謝った。


「私のつまらない一言がキッカケで白をこんな状態にしちゃったんだよね……許してとは言わないから、起きてお願い! わたし……ヤダよ……白がいなくなっちゃうの……」

白のベッドの布団に顔を埋め、涙が枯れるまで泣き、

白の手を握り続けて話した。


「私ねクラスのみんなに言うよ、もうそんなくだらない虐めをするのは辞めてって……前から白の事好きだって、そしたらきっと白へのいじめも無くなるだろうし、私がみんなに白への誤解を解くように呼びかけるから、だからお願い白……お願いだから目を……目を覚ましてよ」

美希が握っていた白の手をギュッと握るとそれに答える様に白の手が美希を握り返してきた。


「白……!?」


「み、美希ちゃん……ごめんね、また泣かしちゃったのかな……」


「私ね明日……」

美希が話そうとすると、白は首を横に振り話し出した。


「ごめん、話は聞こえてた、それはダメだよ……美希ちゃんは今まで通りにいつもの生活した方がいい、僕は大丈夫だから、倒れたのは虐めとは関係ないし、ただ単に僕が貧弱だったのが原因なんだよ」


「みんなに正直に話せば、白への誤解もきっと解けて虐めも……」


「違うんだよ美希ちゃん、そんな事やっても虐めは無くならない、仮に僕の虐めがなくなっても今度は別の誰かが虐めの対象になるだけだ、きっと次を作るなら美希ちゃんになる可能性のが高いんだ」

白は天井を見つめながら話す。


「それでも良いよ、白が苦しまなくなるなら私が、私が白の虐めを受けるから……だからもう、こんなのヤダよ……白や紅ちゃんと疎遠になるのは……」

美希は泣きながら白の手を握り続け、体を震えさせていると、白は美希の涙を手で拭い、頭をポンポンと軽く叩き。


「僕が良くない、美希ちゃんが苦しんでるのを見て僕がのうのうと生きろと言うの? 紅には僕から説明するから、美希は今まで通りに僕を避けて生活してよ」

白は優しく、そしてとても残酷の選択を私に頼んだ。


「む、無理だよそんなの……私が起こした罪なんだから、その罰は私が受けないと……」

その時、美希の話を、口を閉ざす様に、白は目を瞑り私にキスをして言った。


「お願いだ美希ちゃん……もし罪の意識があるなら、僕を助けない事が美希ちゃんの罰だと思ってよ」


ーー

ーー

ーー


あれから何日か経ち、お見舞いの帰りの病院近くで紅と美希は久々に会った時に紅は美希に告げた。


「お兄ちゃんからは話は聞いたわ、私個人的には許せないけど、お兄ちゃんがそう決めたなら私はそれに同意する。 だから美希ちゃんはその罪に対しての罰をちゃんと守ってね、また裏切る様な事があれば私は絶対に美希ちゃんを許さない……だから、だから美希ちゃん……あなたはもうその罪を自分だけで背負うことはしないで、お兄ちゃんが悲しむし私も……」

紅は厳しい口調で美希に話が、でもその厳しさは所々に優しさを感じられた。


「ごめんなさい、紅ちゃん……私、私あなたの……」

美希はその場で泣き崩れ座り込むと、紅は私を抱き包む。


「いいの美希ちゃん、私はこの事がきっかけでお兄ちゃんの事が大好きになれたし、あなたはこれから厳しい罰を受ける事になる、でもお兄ちゃんはきっとずーとあなたの味方だから、だからあなたはこれからは明るく元気に過ごして」

とても優しく温もりを感じる声で紅は美希を包み込む様にギュッと抱きしめた。


「因みに、私は味方じゃないから勘違いしないでよね、お兄ちゃんは誰にも渡さないし、言うなれば美希ちゃんはライバルよ!」

しばらくして紅は美希を抱きしめた手を話すとおどける様に立ち上がると腰に手を当て、美希を挑発する様な笑顔で言い放ち。


「えっ、な、なにそれ……白の件なら話は別だよ私は手を引かない、だって……だって私は罪と罰によって白に囚われてるんだから……それにその契約もされちゃったし」

美希は唇をさすりながら、顔を赤らめて

紅に対抗する様に笑顔を見せた。


「んっ!? えっ! 何? なんなのよ、その意味ありげな仕草と笑みは、まさかお兄ちゃんになんかしたの? されたの? きーー! 許さないやっぱ許さないもん」

紅は冗談混じりに怒り、そんな美希に優しく笑顔を返す。


そうこれが美希の罪に対する罰であり、白に対しての償いなのである。


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