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不器用な僕の彼女達の助け方  作者: アツシルック
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白間 美希の三つ巴の想い人

白間しろま美希みきが白間家の玄関前で黒戸くろと しろの妹、黒戸くろとくれないと口論していた時、お互いのスマホに私にはメールが届き、紅には誰からか電話の着信が鳴り響いた。


私はメールの差出人を見て。

「あっ、礼子からだ」

久須くす 竜也たつやに襲われていた沢村さわむら 礼子れいこからメールが来た事で、少し友達を置いて逃げてしまったことへの罪悪感がやわらぎ、無事だった事に安心した。


「良かった、白が上手くやってくれたのかな……」

私は礼子から来たメールを開き、その内容を見て絶句し、その場に腰から力が抜け、座り込んでしまった。


その内容とは

『美希どうしよう、あの後ね黒戸、うちの同じクラスの黒戸が助けにきてくれたんだけど、刺されて、何十箇所も刺されて、血が大量に、今桜ヶ丘中央病院に搬送中なんだけど、わたしどうしたら』


現実を受け入れらない内容に、私は大声で嗚咽おえつするような声で叫ぶとその場にへたり込んでしまった。


「み、美希ちゃん……!? だ、大丈夫?」

私が泣き叫び地面にへたり込む姿を見た紅は鳴り響く電話に出るのを止め驚いた顔をして私に駆け寄り、スマホを鞄にしまうと私に声をかける。


「し、白が……白が、また私のせいで……」

私は紅にしがみつき震えながらスマホのメール画面を見せる。


「えっ……!? な、な何これ、なんでお兄ちゃんが刺されたって!? ねぇ……ねぇ、冗談だよね? 美希ちゃん? ねっ? ねっ……?」

紅はメール画面の内容が理解出来ず、私の肩を掴み何度も何度も私の事を揺らしながら問いかける。


私は中々頭の整理が出来なかったが、とりあえずメールに書いてあった『桜ヶ丘中央病院』に行き、一刻も早く白に会わないといけない気持ちを抑えることが出来ず、紅の手を退けて、病院に向かい走り出した。


「ちょっ、ちょっと美希ちゃん待ちなさいよ! まだ話が……」

紅もまた何が今お兄ちゃんに起きているのか理解出来ないまま、とにかく先程さきほど美希に見せられたメールに書かれていた病院、たぶん美希が向かって走ってる所に行けばお兄ちゃんがいるのだろう。


二人は夕闇の中、桜ヶ丘中央病院に向かって走っていった。


ーー

ーー

ーー


どれくらいの時間が経っただろうか周囲は既に薄暗く、桜ヶ丘中央病院の近くに来た頃には周囲は既に薄暗くなっており、病院の正門はすでに閉められていた。


「はぁはぁ……もう面会時間が終わってる……」

私は長い事走っていた為に息切れし、疲労で歩くのすら足を引きずるようだった。


正門がダメなら裏門が開いているはずと思い、私と紅は裏門に向かい歩いて行く、裏門の近くにはなぜかパトカーが一台停まっており

、パトカーを見た私はさっきのメールが思い浮かび、良くない事ばかり脳裏を走り不安が増していく。


痛い足を引きずるようにやっと裏門に私達は到着したが、夜遅くの病院の裏通りとあって薄暗うすくらく、その場所はとても静寂に包まれていた。


裏門を通り私達は病院の裏口に近づくと、二人の男性が立っているのが見え、一人は警察の方だろう制服を着ていて、もう一人はしなびれたスーツを着たボサボサ髪をした中年男性だ。


私と紅はその裏口に向かい歩いて行こうとするとその裏口のドアから一人の女性が口元を指でさすりながら出て来た、その姿は制服のいたるる所に血の跡の様な汚れが目立ち、白いワイシャツにいたっては半分近く真っ赤に染まっていいた、その女性は裏口を出ると近くにいた二人の男性に軽く会釈えしゃくし何かを話し始めた。


女性は背が高く、モデルのようなスタイル、ショートカットの金髪がよく似あう……!?


「れ、礼子……!?」

私はその見覚えのあるその容姿を見て、会話中にも関わらず声を掛けずにはいられなかった。


「えっ!? あっ……美希!」

礼子は問いかけに驚き私の事に気ずくと二人の深々と頭を下げて男性と会話を一旦辞めて私の方に歩み寄って来た。


「美希……ごめんね変なメールしちゃって、あの時は色々と動揺しちゃって……私なら大丈夫だから……ありがとう来てくれて、今ね刑事さんが夜遅いから家までパトカーで送ってってくれるって話をしていてね……」

礼子は私を見て安堵したのか、少し嬉しそうなそんな表情で私が来た事に喜び謝った。


「ううん、私こそごめん……何も、何もしてあげられない上に礼子を置いて逃げて……それにその……その血……怪我したの?」

私は何度も頭を下げ、礼子の今の姿を心配した。


「あぁコレは……気にしないで美希が無事で安心した、あの後にしばらくして黒戸がね……あの黒戸が来て私を助けに……この血も……私を……私を助けてくれた時に黒戸を……その抱きかかえた時に付いちゃっただけだから……」

礼子は事件時の事を思い出してしまうのか話すトーンが徐々に低くなり、少し悲しい表情で震える自分の体を両手で抱きしめ何かを想うように涙声で話す。


「その白……黒戸は、黒戸は大丈夫なんだよね!?」

私は一番の聞きたい質問をした。


「えっ!? あっ……黒戸は……黒戸君なら今のところ大丈夫……最初は意識失ったりしていたけど、お医者さんも驚くほどの驚異的な回復だって……」

礼子はなぜ美希がこんなに黒戸の事を心配するのか不思議に思ったが聞かれた問いに対して素直に答えた、確かにクラスメイトの一人がこんな大怪我したんだから気になるのかもしれないが、でも明らかにいま私の前にいる美希は大切な人を心配するかの様な表情で私に問いかけている様に見えた。


「そ、そっか……よかった……」

礼子の話を聞いて私は安堵し、両手を胸の辺りで祈る様に組み、目をつぶって、早く白が元気になるよう願った、するとそんなやり取りを礼子としている後ろからイライラした様な明らかに不機嫌そうな声が私達に向けて投げられた。


「あのねさっきから話聞いてると、人のお兄ちゃんを気安く呼び捨てで馴れ馴れしく呼ばないで頂けます、そこで世間話されると邪魔で仕方ないですし、さっさと貴方あなたがたのような赤の他人は、大事な事だからもう一度言うわ、赤の他人はさっさとお引き取りして頂けないでしょうか? 二度と白お兄ちゃんに近付かないで下さい、さようなら」

黒戸 紅は二人の会話から白が無事な事や、今は回復傾向にある事を察して安堵した一方、目の前の美少女二人がお兄ちゃんの事を口に出している事にいら立ち隠せず、紅は手をぶらぶらさせ、「シッ、シッ」と二人の美少女に対して悪い虫を追い出す様な仕草で悪態を示した。


「まったく私が見張ってないと変な虫が近寄ってきて嫌になりますね、あ〜あ早く私も白お兄ちゃんと同じ高校に入って、お兄ちゃんの近辺管理をしてあげなあといけないわね」

紅はぶつぶつ独り言を呟きながら、裏口のドアの取っ手を掴み入ろうとした。


「おいおい嬢ちゃんダメだダメ、もう面会時間は終わってんだ、おじさん達がパトカーで家まで送ってやっから今日は諦めて明日にしな」

紅にボサボサ頭の萎びたスーツを着た男が駆け寄り、裏口から入ろうとする紅を制止しようとした。


「あん!」

だいぶ年の差のあるだろうその男性に紅は物凄い形相で睨み威嚇した。


その目を見たボサボサ頭の萎れたスーツの男は体が硬直し、その場から動けなくなった。

(な、なんだこの感覚は……恐怖? この俺がこんなお嬢ちゃんに……まるで蛇に睨まれた蛙の様なこんな感覚はあの時以来……あの時……)

ボサボサ頭の男は冷や汗をかき生唾なまつばを飲み込み、その少女をよく観察した。


「薄紫の髪、三白眼の眼差し、そして全体を覆うような凄まじいオーラ……!?」

男はかつて唯一ゆいいついままで生きてきた中で一番の恐怖を感じ、死を覚悟した時の事を思い出した。


「お、お、お前!? パ、パ、パープルデビ……ぐはぁ!!」

男がある名前を口に出しかけた瞬間、紅は男の懐に一瞬の速さで入り込み、お腹の溝に一撃のボディーブローを畳み込む、男は一瞬で気を失いその場に倒れこんだ。


「だ、だ、大丈夫ですかおじさん?」

紅は何事もなかったのかの様に、ボサボサ頭の萎れたスーツの男を心配するフリをして声を掛けた。


周りも突然何が起きたのか分からず駆け寄り心配する、そう紅がボサボサ頭の男におこなった行動はあまりの速さに誰も気づいていなかった、それぐらいの速さでこの少女は事を瞬時におこなったのだ……だがしかし一人だけはその行動に気づいていた者がいた……そう沢村 礼子、彼女だけはたまたま見てしまった、紅がボサボサ頭の萎れたスーツの男に一撃を喰らわす一瞬を、だから目の前で心配する振りをしてる紅のそんな様子を後ろから凝視せざるおえなかったのだが。


「えっ……!?」

礼子の体は全身硬直しすさまじいプレッシャー圧が彼女を襲った。


それもそのはずである、疑いの目で見ている少女が首を九十度動かして礼子の事を見つめ、こちらに向けてニコッと笑っていたのだから。


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