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不器用な僕の彼女達の助け方  作者: アツシルック
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白間 美希と少女との因縁

パトカーのサイレンが鳴りひびく、日が沈む夕刻時ゆうこくどき白間しろま 美希みきは重い足取りで足を引きずる様に、うついて歩いていた。

久須くす 竜也たつやから逃げ、黒戸くろと しろに救われ、私は彼の後ろ姿を見送ってから何時間が経っただろうか。親友の礼子れいこに対して何も出来ない悲しさ、白に、大好きな彼にまた迷惑をかけてしまった申し訳なさ、そして久須ににらまれた時の恐怖、色々な感情が私をおおい、家に向かう最中、体が震え、涙が止まらなかった。


家の近く来た時、隣の家、黒戸家の門前もんぜんで誰かがこちらを見ているのがうかがえた。

日も沈みかけ、周辺は街灯で照らされてるとはいえ、薄暗うすくらいためその門前もんぜんにいたのが誰だか分からないがこんな涙でぐちゃぐちゃな顔を近所の人に見せるわけにはいけないと涙を拭き取り、顔をせながら自分の家の門を開けようとした時である。


「あら、美希さんじゃなくて?こんばんわ」

黒戸家の門前にいた人がこちらに向かって近づきながら話しかけてきた。

美希は自分の名前を呼ばれ、チラッと声をする方を見ると。

そこにはこちらに向かって歩いてくる、綺麗な薄紫うすむらさき色のボブカットの髪型をし、目が三白眼さんぱくがん、服装はカジュアルな茶系のジャケットに白いロングスカートで、とても気品があり、見た目は子供っぽいがとても大人びていた女性がいた。

「……んっ?……あっ!?もしかしてあかちゃん?そうだよね、その目、その髪色!」

「だ、誰があかちゃんよ! く・れ・な・い、くれないよ……もう、人の名前ぐらいちゃんと覚えてよね美希ちゃん」

「ご、ごめん、つい昔のくせで」

私は最初誰だか分からなかったが、特徴的な髪の色に、三白眼さんぱくがんの目、最近はあまり会う事がなくなったが、子供の頃に白と一緒によく遊んでた、白の実の妹、黒戸くろと くれない15歳の中学3年生だ。

紅はあきれた顔で。

ひさしぶりですわね、何年振なんねんぶりですかねお会いするのは」

軽くスカートのすそを上げて、お辞儀じぎしながら、とても上品な口調といで美希に挨拶あいさつした……が、その顔は決して笑っておらず、むしろ私をにらみ返してると言ってもおかしくない目をしていた。

「ところでおたずねしたいのですが、白お兄ちゃんはまだ帰られていないのかしら?もう帰宅してもおかしくない時間のはずなんですが」

くれないにらみながらも、目上である美希に丁寧に尋ねた。

「えっ!? あっ……た、たぶん今晩は少し遅くなるんじゃないかな……たぶん……」

美希は睨まれている事もあるが、とても動揺どうようした口調答えた。紅がなぜ自分を睨んでいるかもなんとなくわかるし、彼女は私を今はとてもきらっているはずだから。

それはやはりあの小学生2年生の頃が発端だ。私が言った一言が周りの、白や紅ちゃんの人生を狂わせた、あの時から白やくれないちゃんとは遊ぶ事がなくなったのだ。


「……あの……くれないちゃん、私……ご、ごめんね、本当にごめんなさい、私のせいで……」

私は過去の事を、彼女にも謝らないという思いがこみ上げてきて、深く彼女に頭を下げて謝罪した。


「美希さん、突然謝られてもこまりますわ、私はただ白お兄ちゃんがどこにいらっしゃるかたずねただけですの? 仮に過去に何か謝らなくてはいけない事があろうと、私達に起きた事が消える事はないし、許す許さないの問題でもないのですよ」

紅の口調はとても淡々としていてとても冷たく、美希をにらみながら放たれた。

「そ、それでも私はくれないちゃんにもちゃんと謝って、また昔みたいに一緒に3人で……仲良くなれたら……なりたいって思ってるから」

私は涙痕るいこんがある情けない顔だったけど、顔を上げてくれないちゃんにうったえかけた。


「『も』ってなんですの?私に『も』って言い方だと、白お兄ちゃんにも謝ったって言い方に聞こえるのだけれど、私としてはもう白お兄ちゃんに関わって欲しくないのが正直な感想ですわ……3人仲良く? どの口が言うのかしら」

くれないはとても不愉快ふゆかいそうな口調で、美希を馬鹿にするように答えた。


「し、白に謝ったていうかね……し、白から、こう両手で……わ、私を抱きしめて『大丈夫、大丈夫、分かってるから』って抱きしめてくれたから……だから……」

私は赤面せきめんしながら、先程さきほど白にされた行為を思い出しながらくれないちゃんに話し出していると


「あん! 抱きつかれた? はぁ!? 私に対しての自慢かしらね美希さん? よくもまぁ、平然と私のお兄ちゃんをもてあそんでおいてぬけぬけと」

額に血管が浮き出るんじゃないかという形相ぎょうそうくれないは睨みを強めていた。


「ち、違うんだよくれないちゃん、ほら白は優しいから、たぶん私をなぐさめようと思って、こうぎゅーっと抱きしめて……ただ、そう! 私の事を思ってやった行動なだけでね」

美希は手振り、身振りを交えながら、くれないのご機嫌を取ろうと誤解ないようにさらに詳しく話そうと頑張った。


「『想って』だぁぁ? 誰が誰を想ってだクソあま、お、お兄ちゃんはわ、わ、私のものだバーカ、バーカ」

くれないはもう最初の頃の上品さは何処どこへいったのか分からない発言を繰り出すようになってしまった。


そんな平行線なやり取りを繰り返してると、美希のスマホに一通のメールが届いた音が鳴り、くれないのスマホにも誰からかの着信が鳴り出した。


「ん?  あっ! 礼子からだ、無事だったのかな」

そんな事を言いながらメールの内容を見ると、美希は一瞬何が書いてるのか理解するのに数秒かかり、その場に腰から力が抜けるような感覚におちり、地面に座るように崩れ落ち。

「うあぁぁぁぁ!」

美希は顔を上げ、夜空に向かって叫ばずにはいられなかった。


メールには件名は無く、『美希どうしよう、あのね黒戸、うちの同じクラスの黒戸が助けにきてくれたんだけど、刺されて、何十箇所も刺されて、血が大量に、今桜ヶ丘中央病院に搬送中なんだけど、わたしどうしたら』と書かれていた。




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