表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
40/42

39話

西部最大の都市リミッテッドには連合軍総司令部が置かれており、その中の1部署、参謀本部に設置された巨大な水晶球にはデルマルチ参謀のルルアンルが映し出されていた。


「…以上が、ゴルダン率いるゴブリン部隊の戦闘結果になります。」


水晶球を囲むように円卓の席が設けられ、魔族、不死族、妖精族などの様々な種族の連合軍参謀部に所属する者たちは報告を聞いていた。

そして部屋の最奥に座る1人の女性が言葉を発すると全員が振り返った。彼女は漆黒の長髪に捻れた二本角を生やし、肌は雪のように白く、瞳は真紅に染まり、その体型は美の権化のように出るとこは出て、引っ込むとこは引っ込んでいる理想的なものだ。種族は夢魔族または淫魔族と言われる。


「…見た事もない蜘蛛と人族の女性の融合生物に、自由意志で動く全てを溶かす液体生物。そしてそれらが住まう機動要塞…。最早架空の存在ね。」


「長官もご存知ないと?」


「ええ。過去の記録にもその様な存在がいた事はなかったわね。精々、御伽噺話でしか聞いたことないわ。」


「自然と生命を弄んでいるというのか…。神への冒涜ではないか!」


黒い肌に尖った耳をした、ダークエルフと言われる妖精族の男が怒りを露わにテーブルを叩いた。

彼等、連合軍が主神と仰ぐ存在は“生命と自然の女神”。それは命の平等性と自然への感謝を教示する宗教であった。だからこそ人族以外を根絶やしにしようとする統合軍に対抗する為に連合軍を発足し戦い続けている。


「冒涜…然り。故に、多数の贄を喰らい、異形の化け物を創り出したのやも知れぬ。」


「邪法の錬金術とでも言うのか…。」


部屋の空気は重くなり、皆が言葉を失い思考に飲み込まれていた。その中、長官は深い溜息を吐くと、ルルアンルに向けて、報告への感謝と忠告を告げた。


「ルルアンル、報告をありがとう。こちらで対処を検討し、追って連絡をするわ。」


「御意。」


「でもね、情報が戦いの決め手だけど…仲間を当て馬にして情報収集をして良いわけではないから、次から気を付けなさい。」


「……御意。」


ルルアンルの姿は消え、透明な水晶球へと戻った。


「本格的な対策はこれから検討するとして、一旦私は魔王様にこの件のご報告をしてくるわ。その際に、鬼人隊、巨人隊と魔法特化のダークエルフ隊を対機動要塞防衛として国境砦への派遣を進言するけど異論はあるかしら?」


殆どの者は首を振り異論はない様だったが、1人の猫族の女性が手を上げた。


「異論ではにゃいのですが、夢魔族の魅了で錬金術士を籠絡するのはどうかにゃ??」


「…マリーアは相変わらずゲスいわね。その視点は有難いけど、男か女かがわからないと派遣する要員が決められないでしょ?だからその作戦を行うにしても情報が出揃ってからね。」


「そうでしたにゃ。早計だったにゃ。すまにゃいです。」


「いえ、良いのよ。意見は大切だから思い付いたらいつでも言って頂戴。でも、あまりにもゲスいのはやめてね。」


部屋には笑いが起き、深刻だった空気は少し軽くなった。狙ってやったのか、天然なのかはわからないがマリーアの発言はいつも皆をリラックスさせ、良い潤滑油の役割をしてくれる。長官はこれなら良い対抗策が出るだろうと、一安心し部屋を出て行った。


その後、魔王は参謀部長官のテレサの進言を受け入れ、即日で鬼人隊、巨人隊、ダークエルフ隊をデルマルチへの派遣を決定し、出兵した。

今回は短くてすみませんでした。

仕事が多忙で執筆に殆ど回せていないのが現状です。

ですが、毎週1話は投稿していくつもりではいますので、引き続き読んで頂ければ幸いです。

よろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ