2話
「なんじゃこりゃぁぁぁぁぁぁあっ!!??」
そこには寝室の雰囲気とは正反対の近未来的な光景が広がっていた。
一言で例えるならガン◯ムに出てくる戦艦の司令室の様な空間だ。
室内は三段に分かれており、上段は座り心地の良さそうな豪華な椅子とそれを囲う様にキーボードやモニター、何か分からないボタンやスイッチやら受話器があり、椅子の後部には何かごっつい箱と箱からすっごい量のコードが繋がっている。
中段には左右に上段の内容を簡易化させた様なものがあった。あっでもごっつい箱とコードは無かった。
下段にな3つ席が並んでいて、右はモニターとキーボード、そしてインカムが設置されていて、中央はハンドルやシフトレバー、アセルやブレーキの様なペダル、幾つかのスイッチが設置されていて、左にはモニター、キーボード、備え付けのゴーグル状のものに戦闘機の操縦桿の様なものが設置されていた。
そして司令室を覆う様に窓なのかTV画面なのかよくわからいけど、リアルに外を映すしている。
司令室には扉が2つあり、1つは俺がさっきいた寝室の扉とあと1つはまだ謎だ。
「とりあえずこの部屋の大部分はアニメとかで見た事もあるし、何となく予想はつくんだ。だけど、天井に浮いてるあの球体は何??照明…な訳ないよね?何か薄く発光してるし、光渦巻いてるし、地球儀ならぬ宇宙儀的な?」
『見当違いも華々しいですね。』
「えっ?だ、誰?」
突然、女性の声が聞こえてきた為に、俺はキョロキョロと辺りを探しても人影は見当たらない。
『間抜け面晒して滑稽です。さすが私の創造神様がチョイスしたモルモット。素晴らしいチョイスです。』
「どこ?誰かいるのですか?」
『何をキョロキョロしてるのですか?私はここです。そう正面向いて、右に行き過ぎです。そうそこ。そこから視線を上に……はいストップ。そうです。これが私です。』
「た、たたたたた…」
『た?』
「タマタマが喋った!?」
『いえ、私はタマタマではなくてナビゲーターです。それでは自己紹介も終わりましたので次のフェーズに移行するために上段の艦長席にお掛け下さい。』
こっちの言動は基本無視して話を押し進めるタマタマ、じゃなくてナビゲーター。
『その間抜け面はもう頂きましたので結構です。テンドンもお笑いの手法としてはよくありますが、このタイミングでやられても面白くはない上に…あぁもうなんですか?あれです。兎に角、艦長席に早く座ってください。』
あれ?このナビゲーター、ナビするの面倒になってないですか?仕事放棄してない?でもヒキニートはコミュケーション苦手だし、臆病なので大人しく艦長席に座った。
ガシャンッ!
両手両足腰肩首が一瞬で拘束された。
「え?えええええええ!?」
『今週のびっくりどっきりメカァァ。ポチッとな。』
棒読みのナビゲーターがそう告げると、椅子に取り付けられていた箱からヘッドセットが出現し、強制的に俺の頭にセットされる。
次の瞬間、頭が割れる様な激痛と情報が流れ込んできた。
俺の“この世界”に来た役目とこの“自宅”について理解した。