10話
偵察機を増やしてから早3日が経過した。
この3日の間は特に代わり映えもせずに、
過ごしていたと思っただろ?そうでもなかった。
初日の夜、俺はスヤスヤと寝室で寝ているとナビに起こされた。
『偵察機小型円盤型からの報告です。未確認の物体が一体自宅に接近しています。距離はおよそ400メートル。すぐにこちらのレーダーにも引っかかると思われます。』
慌てて布団から飛び出して、司令室の艦長席へと座り、操作盤を起動させる。
「円盤からの映像はあった?」
『いえ、木の枝を伝って移動してる為に詳細の映像はないです。生体センサーと魔力センサーに引っ掛かってはいます。真っ直ぐこちらに向かってきていますね。』
「なるほど。そうなるとゴブリンの生き残りか?いや、連合軍の偵察?んー…それとも他の里って線もあるし、統合軍の可能性も捨て切れない。」
『不明点が多過ぎる状況での相手の所属を絞ることは視野を狭くしますよ。それならば何が来ても対策出来る準備に思考を切り替えましょう。』
ナビの助言に納得しつつ、操作盤から操縦装置に切り替え、キャタピラの始動とブーストの準備を整える。
そして俺なりに何がベストなのかを考える。
優先して相手が何者なのかは知る必要がある。今の戦力では軍に抵抗できる気がしないから軍関係なら逃げの一手だし、他の里なら迎撃&襲撃する選択肢もある。ただ、怪しいってだけの偵察相手なら紳士な対応したら警戒心を解いてくれたりは出来ないかな?そんなに甘くないか?それでも…それでも、できる事なら手に入れたい、消耗品関係。
「……ナビ、対象を自宅の敷地内まで引き寄せるぞ。」
『よろしいのですか?』
「あぁ。対象が何なのか知りたいからな。庭に入ればモニターで視認できるから、ある程度は予想も絞れるだろ?」
『一理ありますね。ですが本当によろしいのですか?危険も伴いますよ?』
「そこはナビと兵器達を信じてるから。」
『……男らしくないですが、信じられるのは嫌ではないですよ。』
「助かるよ!円盤は降下していざという時の為に備えてくれ。偵察機鳥型の2機も頼む。警戒兵器達は庭に散開し、待機。
ナビ、対象の距離と方角は?」
『距離はおよそ170メートル、北北東より接近。』
「迎撃自動小銃は常に対象をロック、距離が20メートルを切ったら教えてくれ。それまでに何か対応出来そうなカスタマイズがないか確認する。」
『かしこまりました。』
俺はカスタマイズ一覧を開き、確認していく。迎撃用の対人兵器にするか、それとも銃器を増やすか?いや、攻撃用の機動兵器から鹵獲用を使うか?ダメだ、どれもポイントが高くて手持ちでは厳しい。仮にできたとしても完成まで時間がかかり過ぎる。
ポイントが少なく、設置まで速く、かつ強力な物は……ん?これならもしかすると、イケるか?
カスタマイズ操作をして、玄関の外側に屋根と左右には屋根から地面に伸びる鉄格子を設置する。完成時間短縮を使って合計300ポイントを消費した。かなり痛い。
『何をなさっているのですか?』
「策の一つだよ。」
あとはこれをセットして、完了!さて今後は野となれ山となれだ!乞うご期待!
『対象、20メートルを切りました。』
深く息を吐き出して、モニターを凝視する。
表示されるレーダーには対象がゆっくりと慎重に自宅周りを回って様子を伺っているのがわかる。
俺は降下させた円盤からの映像を確認するが黒装束に身を包み、顔まで隠していて何者かを判断することが出来なかった為に思わず舌打ちをしてしまった。
対象は一周するとキャタピラに手を掛け登り始めた。運良く、玄関が視認出来る位置だ。
『どうされますか?自宅を動かせば、降り落とせますが?』
「振り落としたところで、俺達が逃げると木をなぎ倒すからね。すぐ逃げた先がバレるよね?」
『はい。最初からお気付きだと思ってたのですが?』
「実はゴブリン討伐にテンション上がっててそこら辺考えてなかったんだ。ごめん。」
『それで今冷静に考えてその当たり前のことに気付いた訳ですね。おバカさんですね。』
「御尤もです。そんな訳だから作戦は続行するけど、方法を変えるよ。」
『方法を?どういう事ですか?』
「それは対象を捕獲する。」
『どの様にですか?迎撃用の兵器は設置されてますが、捕獲用のは設置されてませんよ?』
「それは、これからご覧に頂きますよっと。少しは見直してくれると嬉しいけどね」
そう告げてから艦長席から立ち上がり、一階へと繋がる魔法陣へと歩んでいく。
『貴方は虚弱、脆弱、貧弱なのですよ?貴方が出て行ってどうすると言うのですか!?』
「まぁ見ててくれって。あまり時間が無いからね。」
俺は一階へと降り、ワザと照明を灯す。
「偵察機鳥型、鳴け。」
俺の声を聞き取った偵察機鳥型が鳴き始める。そして俺は玄関の扉をゆっくりと開ける。
「急に鳴き出してどうしたんだ?」
何も知らない体で、騒ぎを聞きつけた様に俺は外へと進む。すると玄関の目の前に黒い影が一瞬で飛び込んできた。
掛かった!俺は内心でガッツポーズする。
カチャッ
次の瞬間光の柱が地面から天へと登り、対象は拘束された。
そう、俺はとある罠をしかけていたのだ。それは至極簡単なもので、慎重に警戒しながら進む対象にとって、急に建物に灯りが点けば警戒心が刺激される。次に急に物音(今回は偵察機鳥型の鳴き声)が響けば少なからず動揺が走るというものだ。そして最後の仕掛けで俺が玄関に登場する。
これで対象の選択肢は4つ。逃げ、隠れる、俺の殺害or捕獲だ。逃げられたなら偵察機鳥型に追跡させて情報を得る。隠れたのなら兵器全機で力技で捕獲する。そして俺を殺害or捕獲するためには一度玄関の前まで来なければならない、そうなる様にカスタマイズしたからな。上は屋根、横は鉄格子、正面しか道が無いように。
だから俺は玄関の前に拘束光魔結界地雷式をさっきカスタマイズした。
「いらっしゃい。こんな夜更けに何の用ですか?」
光の柱の中で動けなくなっている黒装束の侵入者に俺は問いかけた。
▽▼▽▼
前回残り2170ポイント
使用ポイント
・玄関の屋根(90)+完了時間短縮(ポイント2倍)
・玄関の鉄格子(30)+完了時間短縮×左右の2ヶ所
・拘束光魔結界地雷式(70)
使用合計370ポイント
獲得ポイント
・初侵入者ボーナス:300
・初侵入者捕獲ボーナス:500
・まさかのお前が頑張ったで賞:10,000
獲得合計10,800ポイント
残り:2170-370+10,800=12,600ポイント




