エレィニアの神々(概要)
エレィニアは多神教の世界です。まだ出番の少ない「はい、マイマスター」のエミルが育った施設の持ち主であったり近々投稿開始予定の「エレィニアの救世主」(仮)でも中心的な宗教団体として天神教団というものが登場しますが、これは数多く存在する神様の中でエレィニアの主神である天神エレナを最高神として奉っています。
今回はそのエレナも含めた神話をざざっとお話ししたいと思います。
先ず世界の始まりとされる時代にあったのは混沌です。
その混沌はあるとき四柱の天使を呼び出します。彼等は土、水、火、風の四柱で混沌はその四柱に世界を整理するように言い付けます。
混沌と天使達がああでもない、こうでもないと言いながらセントレイドという大地を造り上げます。
次に混沌が望んだのはセントレイドの独立です。それまでは混沌や四元の天使の助けがなければ住人は何もできなかったのをどうにかして自分達で生きていけるようにしろというのが新たな混沌の望みです。
そこで四元の天使が出した答えが昼と夜を等しく照らす統治者を用意することでした。
こうして混沌が生み出したのが第五元素である光と創造を司るエレナとヘレナの二柱の女神です。
彼女等は地上の全てを照らし目を配り、四元の天使と交流し新たな神々が生まれ世界も充実したものへと昇華していきます。
この中でも特に重要な者はエレナとヘレナ、それに四元の天使との間の三世です。
それはエレナと土の子、エレナと水の子との間に生まれた豊穣の乙女。エレナと火の子、エレナと風の子との間に生まれた守護者。ヘレナと土の子、ヘレナと火の子との間に生まれた鍛冶の主。ヘレナと水の子、ヘレナと風のと子の間に生まれた天候の主の四柱です。
いつからかエレナとヘレナの親友にロアナという娘が現れます。三人は姉妹のように暮らしていたのですが、それをよく思わない者が現れます。
その者はロアナを唆してヘレナを殺させ罰としてロアナをエレナ達の神殿から追放させるにいたります。
エレナは姉妹であるヘレナを喪い、また親友のロアナも失い塞ぎ込みます。他の神々はエレナを慰め、ヘレナを弔うために訪れますが、エレナは塞ぎ込んだままで途方に暮れます。
そこに訪れたのが死国を治めるデイルでした。普段デイルは地下深くにある死国に於いて死者の管理をしてる神です。そのため彼はエレナにもし条件さえ飲めばヘレナを返すのも吝かではないと話します。
その条件はデイルと床を共にし、子をなすことでした。
最早追放され行方の知れないロアナは無理でもヘレナだけでも帰るならとエレナはその条件を飲みます。
そして生まれたのは最初の晩の子としてエルフの祖先の男女。次の晩に生まれたのが人の祖先の男女。そして最後の晩に生まれたのが牛頭の魔人の男女。
牛頭の魔人を産み落としたところでこれ以上は許して欲しいとエレナが望み、デイルもそれを受け入れます。
こうしてヘレナは帰還することが叶いますが、一度死国に行ったことで穢れを受けエレナと共にいると身を焼かれるようになります。
それを如何にするかとエレナが四元の天使を呼び出し相談したところ、今ある神殿を二つにしてそれぞれに住まい、昼と夜とで交互に大地を照らすのが宜しいと薦めます。
そうしてできた二つの神殿は同じ場所には置かれないことから空に置かれることとなり、また今までと違い一人では充分に照らすことができないために昼を太陽となってエレナが、夜を月となってヘレナが照らし目を配りながらそれぞれの時間に世界を翔巡ることとなります。しかしヘレナは穢れのお蔭で病弱となり一定の期間毎に体調を崩し照らせないことがあり、その為に太陽と違い月は満ち欠けすることとなりました。
ちなみに死国のデイルは光と創造を司る女神の対として混沌により生み出された同じ第五元素の闇と死を司る者です。デイルはエレナ等と同様に四元の天使との間に四柱の子を持ち死国に暮らしています。
それらは土との間に憎悪を、水との間に疫病を、火との間に嫉妬を、そして風との間に噂の四柱です。
また彼がエレナとの間に子を望んだのは地上の者に等しく老いと死を迎えさせるためで、このお蔭で二人の間に生まれた者たちはエレナの創造の力で自らの子孫を作ることができ、デイルの死の力により死ぬことを強いられています。
これはそれまでの地上の住人が殺害や事故以外では死ぬことがなかったためなかなか得られなかった死国の住人を手を汚すことなく増やすためのもので、デイルはこの計画を見事に成功させたことになります。
――と、駆け足で話してみましたが、これがこの世界での神話となります。




