魔王VSベリアル その二
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「オースティン!? あれがベリアルなの?」
「ええ。そうでございます。確かにベリアルに間違いありませんが、どうかなさいましたか?」
「どんな、恐ろしげな悪魔かと思ったら何よ! すっごいイケメンじゃない。悪魔って魔王以外はゴツゴツした奴ばっかだと思い込んでたから、少し驚いちゃったのよ!」
私のお馬鹿な発言を耳にしてオースティンはクスクスと声を出して笑っていた。それにしても、あの見事なウェーブのかかった黒髪にキュッと切れ長の涼しげな瞳。瞳の色はあれは銀色? 鼻筋の通ったすごく綺麗な顔立ちをしている。きっと、人間界でなら超モテモテだったんだろうな。なんてね。私がベリアルの美貌に見とれているなんてこれっぽっちも知らずに魔王は、そのベリアルに向かって怒りをあらわにして叫んでいた。
「オイ! オレ様のチビ共から奪った短剣を返しやがれ!」
「何のことでしょう? 短剣なんて私は存じませんがね」
「うるせえ!! 証拠はあがってるんだ。さっさと返さねえと手加減してやらねえぞ!」
「相変わらず、魔王は血の気が多いようですね。困ったものです」
ベリアルは困ったような顔をしてみせながら、飛び上がると魔王と間合いを取って戦う体制に入ったように私には感じられた。
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「お前やる気か?」
「ククククク」
ここからが、なんともすごかった。アザゼルの時もかなりすごかったけど、あんなものじゃなくて二人とも容赦なくお互いに向けて本気で魔力をぶつけていた。どう見ても、あれは殺す気満々にしか見えない。周りにいた兵士や魔物たちは慌てて魔王たちから離れて身を隠していた。そりゃそうよね。兵士たちも死にたくないだろうし。
「ちょっと! ちょっと! どうなるの? オースティン!」
「困りましたねー。魔王がこうなると、本当に誰にも止められません。ベリアルや兵士たちには気の毒ですがね。死んで頂くしかないでしょうね」
「兵士たち? 兵士たちまで死んじゃうの?」
「この勢いで魔王が戦われたら、屋敷一体は吹き飛んで消滅するでしょうし、助ける術が……。あ。そうですね。美乃里さまなら、止められますね♪」
私の顔を見て、オースティンはニッコリ笑顔でそれでは参りましょうかと私の右手をしっかり掴んでいた。
「嘘! マジで行くの? あそこに?」
「このままでは、兵士たちまで巻き添えになって死んでしまいます。きっと、美乃里さまなら魔王とベリアルを止められます」
私がジタバタしていると、今度はすごく真面目な顔をしてオースティンは私を抱き上げると瞬間移動の呪文を唱えていた。




