第十八話 ドラゴンの短剣と小悪魔たち その一
魔女たちのおかげで小悪魔たちは、竜人と和解することが出来ただけではなく竜の歯の短剣と知恵の玉を竜人から貰い受けて、おおはしゃぎで洞窟から魔王のもとへ戻って来ていた。
「お前ら!! どこにいやがった!? オレ様に断りも無く、勝手に知らねえ所をウロチョロするんじゃねえっつっただろ?」
「父さま! ごめんなさ~い!!」
「父さま! ごめんなさ~い!!」
スッカリ酒の酔いも冷めてしまって、小悪魔たちがいないことに気付いて慌てて魔王は兵士たちに小悪魔たちを探させていた。だから、小悪魔たちが戻ってくると魔王は二人のお尻を容赦なく順番に叩いてお仕置きをしていた。
「これはオレ様との約束を守らなかった罰だからな!!」
「いたい! いたい! ごめんなさ~い!!」
「いたい! いたい! ごめんなさ~い!!」
魔王にお尻をぶたれて泣き叫んでいる小悪魔たちをフレイムとバーンは見ていられずに魔王の前に立ってお仕置きをやめてくれと頭を下げて頼んでいた。
「魔王さま! おやめ下さい。お二人を洞窟へ誘ったのはワタクシたちです」
「そうでございます。罰ならワタクシたちが代わりにお受けいたします」
「オイ! お前ら、いつから言葉が話せるようになったんだ?」
フレイムとバーンが言葉を話したので魔王は少し驚いて、お仕置きをしていた手を止めていた。
「ちえのたまえをもらったの~! りゅうじんさんに、はなせるようにしてもらったんだよぉ~!」
「そうだよ~! ほら~! 父さまー! これ! これも、もらったのよぉ~!」
魔王から開放された小悪魔たちは、少し誇らしげにドラゴンの短剣を魔王に差し出していた。
「オイオイ! これは、なかなか手に入らねえドラゴンの短剣じゃねえか!?」
「エへへへ♪」
「エへへへ♪」
短剣を手にして魔王はもっと驚いて小悪魔たちを抱き上げて頬ずりしていた。
「すげえなぁー! よくこんなもん手に入れたな! どんな悪さしやがったんだ? へへへ♪」
「ええー!? ミーアわるいことしてないよー!」
「さきにこうげきしたのはりゅうじんだよねー!」
小悪魔たちは魔王に今日二人に起きた出来事を、一生懸命身振り手振りをいれながら説明していた。
「チッ! オースティンの野郎め! こっそり魔女なんて寄越してやがったのか!」
魔王が魔女たちの話を二人から聞いて、悔しそうに舌打ちをしているとフレイムとバーンが思いつめた顔で魔王の前に跪いて頭を深く下げていた。
「魔王さま! お願いがございます!」
「ワタクシたちを双子さまの護衛にお連れ下さい!」
「父さま、おねがい!」
「父さま、おねがい!」
それを見た小悪魔たちも魔王に必死にすがり付いてお願いしていた。
「しゃーねー! わかった。お前らの母ドラゴンが許すというなら、聞き入れてやる!」
「ありがとうございます! 魔王さま!」
「ありがとうございます! 魔王さま!」
魔王に許しをもらうと、小悪魔たちとフレイムたちは母ドラゴンの所へ行って二つ返事で許しをもらった。このことでドラゴンたちは魔王たちと良く話し合い。休戦ではなく、自らの意志で魔王の配下に下ることになった。
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