第十六話 小悪魔 VS 竜人 その一
フレイムとバーンの炎に包まれてしまった竜人を見て、驚いたミーアとイーヴィルは慌てて魔力で炎をすぐに消してフレイムとバーンに向かって叫んでいた。
「ダメダメーー! 傷つけたら、かあさまにおこられちゃうよ!」
「そうだよね~! もう、ぜったいにだれもころさないって、かあさまとやくそくしたんだからね!」
「クァァァーーー!!」
「クァァァーーー!!」
小悪魔たちに怒られた小さいドラゴンたちは、申し訳無さそうに二人に向かって頭をペコペコしていた。
「へへへ♪ でもでも、すこしすっきりしたよね~。イーヴィル!」
「ククク♪ あたりまえじゃないかぁー(笑)ミーア!」
「こんのクソガキ共め! よくもやってくれたな!!」
やっとの思いで立ち上がった竜人は顔を真赤にして怒り狂っていた。
「なんだよ~! オレさまたちがほのおをけしてやったんだぞ!!」
「そうよ! かんしゃしなさいよ! このバカ!!」
炎に包まれて焼け死にそうになっていた所を小悪魔たちが助けてやったのに、竜人はお礼を言うどころか、偉そうな態度で顔を真赤にして怒っている。その竜人の態度にムッとした小悪魔たちは、やはり怯むこと無く大きな態度で竜人を見下していた。
「なななななな、なんだと~!! もう許さん。絶対に許さんぞ!!」
「うるさいな~! ミーア! もう、かえろうぜ!!」
「そうね~! つまんないからか~えろ~! いくよ! フレイム~、バーン」
地団駄を踏んで怒っている竜人に対して、小悪魔たちは特別冷たい視線をお見舞いしてから、もと来た道を小さいドラゴンたちと戻り始めた。
「はははははは! このまま、黙って帰すと思うなよ! クソガキ共ーーー! それーーー!! わははははは!!」
「ああああああーーー!! 入り口がふさがれちゃったぁー!!」
「なにしやがんだ!? このクソジジイ!!」
目の前にあった入り口を竜人に塞がれてしまった小悪魔たちは、大声を上げて竜人を睨みつけて本気で怒っているようだった。
「オースティン! あの子たちが外へ出られなくなっちゃったわよ!」
「大丈夫です。美乃里さま! 落ち着いて下さい(笑)」
「でも、あの子たちの顔を見てよ! 本気で怒ってるわよ!」
「フフフフ♪ 本当ですね。あれは相当ご立腹のようですね」
洞窟の外へ出る道をふさがれて竜人に本気で怒りの表情を浮かべている小悪魔たちを見て、私が叫ぶとオースティンはニコニコと余裕のある笑みを浮かべて私に落ち着くようにと言ってから立ち上がっていた。
「もうーー! すっごくムカついた! イーヴィル! あのクチョジジィをやっつけよう!」
「オレさまもすっげえームカついた! かくごしやがれ! クチョジジイ!!」
「クワァァァァーーー!!」
「クワァァァァーーー!!」
フレイムとバーンもやる気満々という顔で竜人を睨みつけて鳴き声を上げていた。
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