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第十二話 ドラゴンと小悪魔たち その七


 小悪魔たちとフレイムが疲れて眠ってしまったので、私は自分の寝室に戻って鏡を覗いて魔王たちが今どうしているのかを鏡を通して急いで確認していた。鏡に映し出された映像は、サタナキアの城の中のようで魔王と魔王軍の将軍と兵士たちがサタナキアをすでに取り囲んで、ドラゴンの子の行方を聞き出している所だった。


「サタナキア! ドラゴンの子をどこへやった?」

「おやおや魔王よ! 何か誤解されているのでは無いのですか? ドラゴンの子などワタクシは存じませんがね~。クククク」


「魔王さま! 地下の隠し部屋の中でドラゴンを見つけました!!」

「そそそそ、そんなはずは無い! ワタクシはドラゴンの子なんて!!」


最初は余裕すら感じる口調で魔王を相手にしていたサタナキアも、魔王軍の兵士たちが地下でドラゴンの子を見つけたと籠を抱えて魔王の前に現れると、口元をワナワナさせて知らぬ存ぜぬと悪あがきを始めた。


「お前さ! ドラゴンの子なんか捕まえてどうするんだ?」

「いや。あの。だからワタクシは知りませんよ! 城の誰かが勝手にドラゴンの子を捕まえてきて地下に隠していたんですよ」


「お前。本気で言ってんのか? さっさと本当の事を言わねえと、このまま闇の谷の牢獄にぶち込んで二度と出してやらねえぞ!!」

「そ、それだけはご勘弁を魔王さま! ドラゴンの子は小さいうちに食らうと肉が柔らかくて美味だと耳にしてつい……」


魔王に怒鳴られ脅されたサタナキアは、観念した様子で本当のことを洗いざらい話して魔王に何度も何度もペコペコと頭を下げていた。


「ドラゴンたちとは休戦中だぞ! しかも肉を食らうってお前……」

「牛の肉も豚の肉も馬の肉も飽きてしまって、人の肉は魔王が禁止令を出されたし、人の肉はもともと上手くないので良いのですがね。そんな時にインキュバスの奴がドラゴンの子の肉は美味だと言うので……つい、出来心で」


「わかった。今回だけは許してやる。妙なことを企んでんのかとちょっとオレ様も冷やっとしたんだが、城の中を見てもそんな様子も無さそうだしな! インキュバスはオレ様がキツくお灸を据えてやる!」


そして、魔王はサタナキアの肩をポンポンと叩くと、耳元でなにかコソコソとつぶやいていた。するとサタナキアが恐怖に怯えた表情で何度も何度も頷いていた。


こうしてあっという間にフレイムの兄弟は魔王に救い出されて、翌日小悪魔たちの目の前で対面することになるのだけれど。そこで、小悪魔たちは私と魔王を困らせる事件を起こしてくれるのでした。



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