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第十一話 ドラゴンと小悪魔たち その六



 ドラゴンの子が口から出した小さな炎で、籐で出来た籠はあっという間に半分が真っ黒に焼けて崩れて灰になってしまった。ドラゴンの子は外へ出て気持ち良さそうに伸びをして部屋の中を飛び回り始めたので、小悪魔たちはキャッキャと

声を上げて一緒に部屋の中を走り回って楽しそうだった。


「ちょっとちょっと~! ミーア! イーヴィル!」

「なぁに? かあさまー」

「なぁに? かあさまー」


「ドラゴンの子をつかまえてちょうだい!」

「はーーーい♪」

「はーーーい♪」


 あんまりにも小悪魔たちが楽しそうだったから、ついついしばらく私も黙ってドラゴンの子を見ていたけど、ふと我に返って二人にドラゴンの子を捕まえるように言うと、ミーアがドラゴンの子に手を伸ばしておいでおいでをすると小さなドラゴンに気持ちが通じたのか? 素直にミーアの手の中に戻って来た。


「これじゃー籠はダメね。ミーアとイーヴィルの部屋のどこかにこの子の寝床を作ってあげようね。あと、名前も考えてあげてね」

「わーい♪ ミーアはニトラがいい~」

「オレはフレイムがいい~! ミーア! フレイムにしようよ」


小悪魔たちはヒソヒソと二人で相談を始めて、結局ドラゴンの子の名前はフレイムに決まったようだった。


「フレイムね。いい名前だわ~! 良かったわね♪」

「クァーーー! クァーーー!」

「かあさまー! フレイムもよろこんでるね♪」


ドラゴンの子は名前を付けてもらえて嬉しかったのか? 嬉しそうに声を上げてミーアの頬に擦り寄って甘えていた。


「かあさまー! あのね。フレイムのかあさまはどうなるの?」

「だいじょうぶだよね? すぐにあわせてあげられるよね?」

「かあさまもわからないのよ。父さまが決めることだからね。でも、きっと大丈夫よ! まずは、もう一匹の子を見つけ出さないとね」


 私が小悪魔たちを宥めていると、魔王が部屋へ戻って来てこれからサタナキアの城へ魔王軍を引き連れて魔王が直々に出向いて、城の中を隅から隅まで調べてくると勇んで出て行った。


もちろんその後すぐに私はオースティンにお願いして、二人の魔女たちを魔王に付いて行くように上手く手配してもらった。


「イーヴィル! ミーア! フレイムが火を吹いたら消せる?」

「はーーーい。できる~!」

「はーーーい。できる~!」


小悪魔たちとフレイムを二人の部屋へ連れて行って、フレイムの寝床も世話係の小さい魔物たちに用意をさせて、私が二人に確認するとミーアもイーヴィルも小さな指先から魔力を出して見せると、側にあった花瓶に生けてあったバラの花をカチンコチンに凍らせてしまっていた。


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