小説『うばっつ!』完結します。
「うばっつ!」という連載を、そろそろ終わらせようと思う。
始めたのは2021年11月8日だった。
最初はファーストシーズンとして12話。
離婚、退職、引退とも解放ともつかない話、そのまま文章にした。
その後、ウーバー配達員としての日常を書くようになり、題材は自然と「あるある」に寄っていった。
正直に言えば、この手の話は他にもたくさんある。
中年、ウーバー、生活、愚痴。
どれも珍しいものではない。自分で書いていても、そう思うことはあった。
それでも書き続けてきたのは、
これはネタではなく、「俺」の記録だと思っていたからである。
雑談三昧には、そういう話を書いておきたい。
いかんな、と思ったのだ。
「うばっつ!」を、自分で書いていて、普通に楽しかったのである。
主人公は、バツイチで、無職で、オタク。
世間的に見れば、いわゆる落伍者に分類されるのだろう。
だが本人は、まったく気にしていない。
それどころか、わりと楽しんでいる。
別に、そういう人物を書こうと狙ったわけではない。
書き始めたのは、病院の廊下で診察の順番を待っていたときだった。
なんとなくスマホを触って、なんとなく文章を書き始めただけだ。
途中で更新が止まった時期もあった。
だが、私の中では、物語は止まっていなかった。
セカンドシーズンでは、ウーバー配達員のあるあるネタが中心になった。
これはこれで、書いていて面白かった。
実体験をそのまま投げ込めばいいのだから、筆は進む。
ただ、同時に思ってもいた。
この手の話は、ほかの人もいくらでも書いている。
自分でなくても成立する話だ、と。
「うばっつ!」は、続けようと思えば、いくらでも続けられる。
ネタもある。時間も流れていく。
それでも今回、物語を閉じることにした。
この「うばっつ!」は、私にとって大切な作品だったからである。
楽しかったからこそ、終わらせることにした。
主人公である「俺」は、
たぶん今日も、どこかでアニメを見ているのだろう。
それが、この物語の終わり方だと思っている。
それでいい。
2026年1月7日から、「うばっつ!」のファイナルシーズンが始まる。
毎週火曜日更新。第10話から第27話まで。
完結は2025年3月11日の予定だ。
ウーバー配達員の話として読めば、特別なことは起きない。
劇的な成功も、大きな挫折もない。
淡々とした日常が続き、淡々と終わる。
だが、それでいいと思っている。
中年になってからの時間は、だいたいそんなふうに流れていく。
派手さはないが、確かに積み重なっていく。
「うばっつ!」は、ある中年ウーバー配達員の物語である。
同時に、何者でもない時間をどう過ごしたかの記録でもある。
雑談三昧に書くには、ちょうどいい終わり方だと思う。
最後まで、静かに付き合ってもらえたらありがたい。




