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雑談三昧  作者: カトーSOS


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初婚1000万円が老後を救う

結婚支援と聞くと、多くの人は若者向けの政策を思い浮かべる。

しかし、制度を年齢で区切らずに考えてみると、まったく別の景色が見えてくる。

高齢化が進む日本では、老後の不安、孤独、生活保護リスクといった“人生の後半に訪れる問題”こそ、むしろ深刻だ。

もし結婚という仕組みを、若者だけでなく、人生の後半にも適用できる社会的なセーフティネットとして再設計できるなら、国が抱える老後問題は大きく緩和される。

今回は、初婚1000万円という制度をその視点から捉え直し、老後の安定にどう効くのかを考えてみたい。

初婚に年齢の上限をつけないというだけで、この制度は一気に“若者向け”の枠を超える。

たとえば50歳でも60歳でも、極端にいえば70歳で初婚でも構わない。

そのときに受け取る1000万円は、もはや結婚資金ではなく、生活の再設計そのものに使える。

生活資金に充ててもいいし、老後の備えに回してもいい。

あるいは投資にして、年間数十万円のリターンを得るという使い方もできる。

これは年金制度よりはるかに柔軟で、本人の判断で未来を組み立てられるという点で、自由度が高い。


そして重要なのは、国にとっても負担になりにくいことだ。

1000万円の給付は一度きりである。

年金のように何十年も払い続ける必要がなく、むしろ“支出の前倒し”として考えれば、長期的には生活保護費や医療費の圧縮につながる可能性が高い。

結婚によって生活が安定すれば、孤立による生活崩壊や身体的な不調も起きにくくなる。

その意味で、国が支払う1000万円は十分に回収可能な投資だ。


結婚という関係は、老後のリスクを下げるという点でも非常に効果が大きい。

高齢者にとって最大の問題は孤独である。

孤独は生活が崩れ、精神が不安定になり、病気のリスクが高まり、結果として医療費が増える。

ときに生活保護へとつながり、本人にとっても国にとっても負担になる。

しかし、50代・60代での結婚であっても、パートナーがいるだけで生活の基盤は大きく変わる。

生活費を共有でき、精神的な支えが生まれ、互いの家族や親族を巻き込んだ支援ネットワークができる。

介護を完全に孤立した状態で迎えるリスクは大幅に下がる。

この一点だけでも、国が1000万円を支給する価値は十分にある。


特に女性の老後貧困率への効果は著しい。

日本では単身高齢女性の貧困率が突出して高い。

非正規雇用が多く、年金の受給額も低く、家族の支援ネットワークが弱いことが背景にある。

ここに初婚1000万円が加わると、生活資金に余裕が生まれ、老後の不安が大きく減る。

さらに、結婚という関係そのものが孤立を和らげ、精神的な安定にもつながる。

その意味では、この制度は単なる少子化対策ではなく、老後貧困を抑制する社会保障政策としての側面をもつ。


高齢になると、結婚の目的は恋愛だけではなくなる。

「助け合いたい」「一緒に暮らせる人がほしい」「孤独を避けたい」

こうした生活基盤としてのニーズが前面に出てくる。

そこに1000万円が支給されることで、経済的な不安が和らぎ、結婚が現実的な選択肢になる。

若い頃とは違った意味で、結婚が人生の支えとして機能し始める。


初婚1000万円は、若者だけに向いた制度ではない。

老後問題、孤独問題、生活保護リスク、医療費の増大――

社会が抱える複数の課題を同時に緩和する“多機能政策”になり得る。

国にとっても、少子化対策にとどまらず、社会保障費の抑制、地方の人口維持、税収の安定など、多方面に効果が広がる。

結婚という行為が社会的なセーフティネットとして働くなら、1000万円は決して高い支出ではない。


制度の細部まで詰めれば、これは本格的な人口政策として成立する。

むしろ、ここまで効果の多い政策は、現代日本には他にほとんど存在しないのではないか。

初婚1000万円という発想は、結婚だけでなく、老後の不安まで射程に入れた、極めて合理的なアプローチなのだと思う。


結婚という仕組みは、若者のためだけに存在しているわけではない。

人生の後半においても、経済的な安定と精神的なつながりを同時に与えてくれる、きわめて有効な社会的装置になり得る。

初婚1000万円の制度は、その“本来の機能”を再び可視化し、老後の不安を構造的に減らす力を持っている。

少子化対策、孤独死の抑制、生活保護リスクの低減、医療費の圧縮――

一見ばらばらに見える課題が、実はひとつの制度でつながっている。

結婚を個人の努力だけに委ねず、社会の仕組みとして支える発想を持てるなら、日本の老後はもっと落ち着いたものになるはずだ。

制度の是非はさておき、結婚という営みには、それだけの潜在力がある。

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