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こんなにきれいな夜だから

作者: 曲尾 仁庵

 月のきれいな夜だから


 ひとりでいようと思う


 分かち合うには透明すぎるから




 こんなにきれいな夜だから


 ひとりでいようと思う


 私が私を忘れてくれるから




 ただ、見上げる




 分かり合いたいと願うから


 ひとりでいようと思う


 臆病だってわらって




 分からないよと泣いているから


 ひとりでいようと思う


 泣き顔なんて見せるのヤだし




 吐息、白く




 誰かを求めているのだと

 知っているから

 拒む

 だってそれは

 醜さでしょう?

 寂しさを埋め合わせる

 道具としての他者

 そんな都合のいい誰かなんて

 いるはずもない

 いていいはずがない




 夜闇に溶ける

 光が滲む

 世界が歪む

 私が消える

 いつの間に?

 最初から?




 言葉を、呑む




 星の見えない夜だから


 ひとりでいようと思う


 立ちすくむ言い訳ができるから




 声の聞こえぬ夜だから


 ひとりでいようと思う


 音階のない歌を


 うたうから


 誰にも届けない歌を


 うたうから

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― 新着の感想 ―
拝読しました。 >寂しさを埋め合わせる  道具としての他者  そんな都合のいい誰かなんて  いるはずもない  いていいはずがない パチンと頬を叩かれた気持ちになりました。 目が覚めますね。考えを改…
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