海
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乾いた大地を、白い素足で踏みしめる。
空に浮かぶ金色に焼かれた砂を指が掴み、
――跳躍
飛沫を上げる青色に身を投げ入れれば、
纏わりつく冷たさが熱に焼かれたこの身を冷ます。
静かに底を揺蕩いながら見上げれば、揺らめく白光が入り交ざる、
空と海の碧が織り成す神秘に満ちた世界が柔らかな流れをなして包み込んだ。
音一つ無い、静寂。
螺旋を描いて浮かぶ、極小さな小さな粒は、道を作り、
上へ、上へ、遥か遠くの透青の彼方へ。
この道はどこへ続くのだろうか?
それともどこにも続かないのだろうか?
辿りつけない微かな焦りが、身を焦がす。
伸ばした手が掴む、細く柔らかな感触に、
――嗚呼こんなにも、胸が苦しい。
か細い腕に、優しく強く力を込めて。
一瞬の、快楽
一際大きな粒が、海月のようにゆらゆらと、天へと消えた。
この青はほら、身体の中にまで入り込んで、
中から外から熱を逃がしてくれる。
一つになれる。
青い碧いさざめきの、そのずっと下、
人知らない深青の世界に、
人が誰しもその身に宿す、最も美しい結晶が壊れる音がした――
………………
カオスでしたね。
ここまで読んでくれてありがとうございました。