トラップに引っかかる
今俺たちはダンジョンにいる。
竹松 勇斗が突然言い出したのだ。
反対した人もいたが竹松のごり押しで負けたようだ。
ダンジョンに入るには冒険者カードと呼ばれる冒険者の資格を持った者だけがもらえるカードが必要だが王様が用紙してくれたのでダンジョンに入ることができた。
ダンジョンの中には様々な魔物がいたがどれも弱かった。
ちなみにいうと俺は戦っていない。
戦っているのは剣を持っている人だけ。
なんで俺が持ってないかって?
そんなの決まってるじゃないか
竹松が俺だけに渡さなかった。
なので俺はずっと戦いを見ている。
活躍しているのは荒井と佐藤だ。
荒井はもともとの身体能力が高いので即戦力になることができた。
佐藤は「隠れる」という能力を使用しながら戦っている。
主に暗殺だ。
見つかったらまた隠れて背後から暗殺。
佐藤が死にそうなときは魔法で援助をする。
約束だからな。
そんなこんなで俺たちは5階層まで到達することができた。
5階層からはトラップがある。
俺には神々の祝福があるから魔法のトラップは効かない。
だがそれは俺だけで他のやつらは効いてしまう。
例えば佐藤だ。
隠れてるからと言ってトラップに当たらないわけがないのだ。
トラップに引っかかった佐藤はどこかに飛んで行った。
可愛そうだし助けてあげるか
そして俺はみんなが先に行ったのを確認してそのトラップに引っかかった。
ここは……どこだ?
魔素の濃度が濃いな。
ここにいる魔物は強そうだ。
「佐藤!いるかー。助けに来たぞー」
いないみたいだ。
――サーチ
俺は魔法を使って佐藤を探すことにした。
この魔法は地図を作成し対象の人物がどこにいるかを探すための魔法だ。人だけでなく魔物にも適応される。
おっとこれはまずいな。
ついさっきトラップに引っかかったばかりなのに佐藤がまたトラップに引っかかっている。
佐藤の周りには大量の魔物がいるようだ。
急ぐか
――英傑召喚:風の賢者
「ここにいる佐藤ってやつを助けてこい。」
「わかった」
こいつは約300年前に活躍した賢者で風魔法を使い大規模な亜人戦争を誰の血も流さずに止めた平和主義のガチの英雄だ。
こいつにあこがれているのもは多いらしい。
さすが風の賢者。一瞬で佐藤のところについたな。
じゃあ俺も行くか。
俺はダッシュで佐藤のところへ向かった。
まだ魔法を使うことに慣れていないので風魔法で移動するのはやめた。
――――――
「うわ、宝箱があったから開けようと思ったけどまさかトラップだなんて……。このダンジョン、やるな。」
とりあえず隠れるか。
俺は能力を使用して魔物に気づかれないように気を付けながらじっとしていた。
やばい!押しつぶされる!
てかこいつらの圧強すぎるだろ!
吐き気がする……
あ、おわった。
必死に避けていたが魔物に当たってしまった。
あぁ、せっかく異世界に来たのに……
そんなとき強風が俺のことをさらった。
うわぁぁ
強風で魔物たちが死んでいく中俺だけが生き残っていた。
「お、お前は……いや、ありがとう。助かった。お礼は何をすればいい?」
「き、消えた……」
俺のことを救った男は突然泡になって消えたのだ。
「いったいなんだったんだ……」
「おーい!佐藤!」
「ん?おお」
「なんだよその反応。助けてやったんだぞ」
「まさかさっきのって……」
「ああ、俺の能力の一つだ」
「なるほど、助かった。ありがとう。で、これからどうする?」
「とりあえずこのダンジョンを攻略しよう。どうやって帰るかわからないからな」
まあわかるけどな
でもダンジョンを攻略したいので佐藤には付き合ってもらう。
「わかった。お前ならこれくらいのダンジョンクリアできるだろう?」
「ああ、さっきくらいの魔物なら余裕だよ」
「いや、まあさっきのってAランクの魔物だぞ?王様直属の騎士たちでさえ苦戦するレベルだぞ!」
「いや、まあ俺が倒したわけじゃないし……」