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調子乗りました

「そう言えば、ミズハさんは剣士と聞いていますがミズハさんの剣は何処にあるのですか?先程は持っていたと思いますけど。」


 アマミちゃんに没収されたけどね!


「アマミちゃん?そんなところに座っていないでちょっと降りてきて?」

「呼ばれたんです!バナナピラミッドを壊したらバナナを穴に突っ込むんです!」


 本棚の上で何やっているの?!さっきまで本棚の上に座っていた模様。で、バナナが積み木代わり?…で、最後の発言は突っ込まないからね!R指定食らうからね!


「えっと、僕の剣出して?」

「分かったんです!どこから出しますか!頭上100万メートルですか!お姉ちゃんのお腹から出してもいいんです!」


 普通に出してください。それどっちも僕死ぬからね!


「えっと、これが僕の剣だよ。」

「なんだこれ?脆そうな剣だな?」


 ノヴェラ君が僕から勝手に剣を奪って抜いた件。


「…確かに…これで…戦えるんですか…」

「うん。少なくとも学校にあった木刀よりは頑丈だったから平気かな。」

「は?何処が?ちょっと変に力を加えたら折れちまあねえか?」

「私も疑問に感じますわ。ミズハさんが強いことは知っていますがいくらなんでもこれでは意味がありませんわ?私のお父様の伝で新しいものを購入して差し上げますわ。」

「うーん、そんなことはないと思うけど。…じゃあ、簡単に検証してみようか?」

「検証って、どうやってやるんですか?」

「アマミちゃん?ちょっとお願いできる?」

「お、お姉ちゃんからのお願いなんです!…手数料は100万Gです!」


 アマミちゃん100万好きだな!で、そんな金ありません!


「えーっと、後で頭撫でてあげるから勘弁して。」

「ムー、じゃあ100Gで我慢するんです!」


 僕の頭を撫でる動作って100万G弱の価値もあるの?!驚きだわ!


「じゃあ簡単に。アマミちゃん、バナナ1本頂戴。」

「バナナ交換会ができるんです!」

「それは後でね。で、アマミちゃん、そのバナナが絶対壊れないように結界を貼れる?」

「これにですか!構わないんです!最強のバナナにするんです!」


 アマミちゃんがバナナを人差し指でつついた。…何も起きない。


「完成なんです!」

「ありがとう。誰かこれが固くなっているか確認して。」

「じゃあ僕がするよ。えっと、折ればいいかな。」

「めっちゃ固くしたんです!最強バナナです!」


 フロウミ君がバナナの両端を持って折ろうとする。


「あれ、本当だ。全く折れないよ。」

「あ?貸してみ?…なんだこりゃ、くそが!」


 ノヴェラ君に至っては膝を使ってまでしてへし折ろうとするが無理。


「アマミさん?これも結界の分類ですの?」

「強化魔法なんです!このバナナさんは最強なんです!」

「ちょっと試させていただきますわ。」


 シャロルさんがバナナに向かって呪文を唱えるとかまいたちの様な風魔法が飛んでいきバナナにぶち当たった。


「おい、てめえ!俺がバナナ持ってるからってバナナに向かってぶちこむな!ずれたら怪我すんじゃねえか!第一、俺も若干痛かったぞ!」


 かまいたちを食らったバナナはノヴェラ君の手から飛んでいき床に落ちた。かまいたちはバナナを吹っ飛ばした瞬間消滅。バナナに傷はなし。ある意味でシャロルさんの魔法の腕はかなりのものと推測される。バナナという対象以外には無害だったからね。前の熱球の時とは大違いだね。…まああれは制御できていなかったが正しいとは思うけど。


「やはり固いですわ!アマミさんの魔法は規格外過ぎますわ!」

「…私でも…無理そう…」


 現状、アマミちゃんが使った魔力はおそらく魔術師の魔力の数百倍程度かな。それでもアマミちゃん全体の0.1%すらいかないんだよね。やっぱり色々おかしい。


「まあ、わかったよね。このバナナが固いということは。」

「おいおい、まさかこれをそのおんぼろ剣でぶったぎるって言うのか?」

「そうだけど。」

「無理だろ!剣が壊れるぜ?」

「まあ、見ていて。あ、そのバナナも貸して。」


 で、僕は自分の剣にガンガン魔力を詰め込んでいく。少しずつ青白く輝いていく。


「ギャー!お姉ちゃん!だから駄目なんです!ここ一体が壊れちゃうんです!」

「大丈夫。今回は剣で切るだけだし。」


 そのまま僕はバナナを上空に投げて剣で素早く微塵切りにする。…大体32分割ぐらい出来たかな?


「どう?僕の剣の切れ味。」


 ねえ、なんで全員顎外れた顔しているの?!


「酷いんです!折角最強化したバナナさんを粉々にしちゃいけないんです!あれ、でも何だかお菓子みたいで美味しそうなんです!固いんです!」


 輪切りで粉砕されたバナナを食べようとしたアマミちゃん。強化魔法かかってるからね。自分でかけたんだよ?


「いやいや、あんな固いものを一瞬で…マジかよ。切れたこのバナナ一切まがんないぜ?どうなってんだこりゃ!」

「…剣が…複数見えました…」

「その剣は青く光った時が本来の姿なのかな。まだ輝いているけど、さっきとは全く別物に見えるよ。」

「フロウミさん冷静すぎますわ!私達が束になっても一切傷つけれないアマミさんの魔法をミズハさんは簡単に破壊してしまいましたわ。つまりミズハさんはアマミさんより強いということですわ!考えられませんわ!」


 完全にやってしまいました。あーあ、もうどうしようもない件。諦めよう。


「えっと…まあ、この剣が頑丈だと分かってくれれば良いだけだから、あまり僕の強さは控えてくれると有りがたいと言うか。」


 剣をしまいながら誤魔化してみる。


「分かりましたわ!このオラクル子爵令嬢、ご両親以外には一切口出し致しませんわ!」


 だから、両親にも黙っていて!


「えっと、僕は別に構わないけど…」

「まあ、アマミが常に俺らにミズハさん最強説言いふらしているからな。現実見て再度納得したっと言う形だが?」


 僕の情報漏洩しまくる女の子が僕の身内にいるじゃん!意味無いじゃん!この少女は口止め不可能だよ!


「このバナナ、美味しそうなのに食べられないんです!酷いんです!仕方がないんです!持ち帰って師匠の食べ物に混ぜておくんです!師匠なら何とかしてくれるんです!」


 で、異空間にしまう小さな魔女である。そんな石より固いものを料理に混ぜたらマジーラさんの歯が折れると思うけど大丈夫?

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