魔女の仲間達
「ノヴェラ君。どちらにしても初見拳銃は流石にいけないと思うけど。」
「あ?だからおもちゃにしてやっただろ。本物は本当に殺りてえ奴以外には向けねえよ。」
「…ノヴェラの武器は色々あります。…メインは初動しやすい銃なんです…」
はあ?!マジで?!冒険者で拳銃使う奴初めて知ったわ。もうそれだけで対人は無敵じゃね?!
「…私の武器は…これです…」
サーラさんはなんか証書とかを丸めて入れる入れ物を背中から引っ張り出した。背負っていたみたい。
「サーラの武器は弓だよね。ただ、ちょっと普通とは違ってとっても細長いんだよ。だからあの筒に全部入るんだよ。」
へぇ。弓と聞くと弓自身は結構幅をとると思ったけど特殊らしい。
「武器の見せ合いになってしまいましたわ。折角ミズハさんをデコりましたのでもう少しそちらを評価してもらいたいものですわ。」
それは結構です。よし、武器の話に全部持っていこう!
「シャロルさんはやっぱり学校にいるとき見たロッドを使っているの?」
「そうですわ。今は学校用のでなく護身用ですわ。学校用では腰につけているとはいえ地味に大きいので邪魔ですわ。アマミさんが羨ましいですわ。」
「呼ばれた気がしたんです!高く手を挙げるんです!」
高すぎだよ!手をあげたまま天井に突っ込む奴が何処にいる!
「天井さん!どうして穴が開いているんですか!器物破損なんです!うーん、あ!そこの本棚さんは刑務所行きなんです!」
天井の破片が降ってきたけど下に到着する前に上に飛んでいって天井にくっついた件。もはやこれぐらいで突っ込むほど僕はアホじゃないよ!…いや、アマミちゃんの常識に飲まれ始めているのかこれは?
「シャロルさんすいません。もとに戻ったとはいえ壊してしまいまして。」
「気にしていませんわ。アマミさんが何かを壊すのは日常茶飯事ですわ。もとに戻りますし場合によっては元々より綺麗になりますので誰も気にしていませんわ。」
ねえ、これで本当に良いの?アマミちゃんのクラスアマミちゃんのカオスな行動受け入れ始めちゃってるよ!
「そんなことより私のロッドについて話させてくださいまし!私は既にロットを10本以上持っていますわ。各々大きさの違いや威力の違いが色々ありますわ。それゆえ例えば冒険者ギルドの依頼に使うロッドと学校に持っていくものはかなり違った性能ですわ。何せ相手が学生に対し強力なロッドはやりすぎですわ!その為学校では…」
放っておこう。とにかくシャロルさんが魔法が大好きであることはわかった。
「フロウミ君も特に何も持っていないね?ミカオさんと同じでファイターと言ったところ?」
「え、父の事を知っているんですか?」
「あー、今アマミちゃんと依頼を受けているんだけど、話を聞いていると一緒に依頼を受けているミカオさんの息子で合っているかなと思って。」
「そうなんですか!それは光栄です。父はちょっと流されやすいところがありますが大丈夫でしょうか。」
「いえいえ、大変便りになる冒険者です。今、ミカオさんが所属しているパーティーと僕とアマミちゃんは合同で依頼をこなしていますから。」
「それは良かったです。」
まあ、流されやすいは当たっていると思うね。何しろアマミちゃんのオモチャにされてるからね!さっきのフロウミ君の言葉的にフロウミ君もアマミちゃんのオモチャにされているみたいだけど一切触れないことにします。
「おいおい、ちゃんと答えてやれや!フロウミはミズハさんの言う通りファイターだぜ?このチームメンバー前衛はこいつだけだからちと心配なんだよな。」
「そう言えばそうだね。拳銃ってやっぱり後衛なんだ。」
「違いますわ。武術士は前衛か中衛に分類されますわ。後衛は私みたいな攻撃重視の魔術師かアマミさんのような守備重視の魔術師だけですわ。」
あ、戻ってきたんだ。
「え、そうなの?」
「…私は腰に短剣を控えています。…ノヴェラも同じです。…武術士は最低限近傍でも戦えるように剣を持つことが多いです。…その為、完全な後衛ではないです…」
「魔術師の場合はロッドで防衛する方法もありますがそれは最終手段でありますし、第一ロッドでは殺傷能力はありませんわ。杖になりますと防衛すら出来ませんわ。アマミさんの様に体術が全く出来ず武器も持たない型も…いえ、魔術師は何かしら魔法を出すための武器は持っていますわ。アマミさんは例外ですわ。」
結局アマミちゃんは例外かい!まあしょうがない。アマミちゃんは基礎魔力がおかしいからね。多少の常識はねじ曲げても問題ないかな?
「まあ俺は、短剣なんて全く使えねえから飾りだけどな!第一今まで俺が持ってる武器を全部迂回して来た奴なんていねえから気にしてねえぜ。」
全部?さっきの話もそうだけどこの少年拳銃以外も何かもっているのか?僕は力を関知する能力を持っているけど武器に魔力とか含まれていない限り武器その物を関知することは出来ません。生きていないからね。