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疑心暗鬼で殺されそうになりました

「これはフロウミさんたちにも見せに行くべきですわ!ノヴェラさんの反応が面白そうですわ。」

「え…見せにいくの?」

「当然ですわ!持ったり無さすぎですわ!」

「で、でも僕は男装しているんだよ?こんな姿見られたらまた変な目で見られる。」

「問題ありませんわ。既にミズハさんは私達のクラスで女性であることは共有されていますわ。」

「え?まさか、アマミちゃん?」

「違いますわ。アマミさんの編入日にミズハさん自身が帽子を落としてバレていますわ。」


 あー、そう言えばそうだったな。


「で、でもこれじゃ流石に…」

「問題ないんです!お姉ちゃんはお姉ちゃんにグレードアップしたんです!完璧なんです!」


 だからそれは何も変わっていないよ!


「分かったんです!一緒に来ないと…うーえー、分かんないです!脱がしてもいいですか!」


 その脅しは卑怯だから止めて!


「駄目ですわ!ここまで形作ったのに持ったりないですわ!お屋敷から出るまで逃がしませんわ!」


 もうヤダこの娘!時と場合によってはアマミちゃんより厄介だよこの令嬢!


「ほら行くんですわ!逃がしませんわ!」

「行くんです!この毒キノコの餌食になりたくなければ行くんです!」


 ここで物騒なもの出すな!乙女のじゃれあいに毒キノコが割り込んだらおかしいだろ!…で、結局連行されました。あー、本気出して凪ぎ払いたい!なお、僕が普段身に付けている剣も似合わないということでアマミちゃんが快く保管してくれている。…本当に快いかは知らないけどね。


「ここでお待ちするんですわ。」


 書籍室前でシャロルさんからストップがかかった。もう好きにしてください。僕の体力はもうゼロです。で、シャロルさんとアマミちゃんが先に入っていった。


「入って良いですわ。」


 少し経って中からシャロルさんの声が聞こえたため入ります。めっちゃ緊張します。


「えっと?貴女がスペシャルゲストですか。」

「…綺麗です…お姫様です…」

「ガハッ!…おい、シャロル様!いきなりこんな奴連れてくるな!」


 フロウミ君は誰この人と言った目、サーラさんはうっとりしていてノヴェラ君は一瞬失神したあと書棚にぶつかって目をそらしてシャロルさんに文句言っている件。いやあれは失神でしょ。鼻から血が垂れてる。


「どうしたんですか!皆さんお姉ちゃんを見ておかしくなっちゃったんです!異常事態なんです!回復魔法なんです!」


 アマミちゃんが適当に手を振るとノヴェラ君の鼻血は止まった…他は影響なし。まあそうだよね、精神攻撃は治療できないからね。ノヴェラ君も別に貧血とかが原因で失神したわけではないので未だフラフラしている。


「おかしいんです!最近回復魔法がうまくいかないんです!なんでですか!これはミズハさんが悪いんです!今日は一緒にお風呂に入らないとミズハさんのお布団に潜り込むんです!あ、お風呂に入らなくてもお布団に入るんです!一緒にお風呂は強制なんです!事件です!」


 いやいや直近冒険者集団が魔物にズタボロにされたとき一瞬で治していたじゃん。後半何言っているか全くわからないので無視します。


「お姉ちゃんって…おいてめえまさかミズハさんか?!」


 てめえと言われるのにさん付けされるのが違和感ありすぎ問題。


「えっと…この二人に完全に嵌められました。ごめんなさい。」


 なんで謝っているのか全くわからないけどとにかく謝罪します。


「凄いですね。こう見ると本当に女性だったんですね。」


 おい待て、ってことは今までどう見ていたんだよ?…いや、普段男装しているから男性に見えるのは当たり前か。


「…お姫様です。…シャロル様より貴族に見えます。…お持ち帰りしてよろしいでしょうか…」


 このエルフは何いってるの?!


「おい、本当にミズハさんなのか?ちょっと確かめさせろや!」


 確かめる…って、この少年内ポケットから拳銃出したぞ!


「前見たミズハさんは先生瞬殺だったんだぜ?これぐらいよけれるだろ。」


 その瞬間発砲された件!あまりに急だったので、力を急回収して銃弾の位置を速やかに把握して右手で掴んでしまった件。その時間総出で0.2秒。勿論怪我はない。


「うん?これはおもちゃ?」


 よくよく見てみると本物の銃弾じゃなく、吸盤の弾だった件。


「う…嘘だろ?!本来所見じゃ、ぜってえ逃げるぜ?!それを素手て掴むってどういう神経してんだよ!」

「あ、避ければ良かった?まあ、返すよ。」


 ノヴェラさんに投げ返した瞬間にノヴェラさんが倒れた。額には吸盤の弾がくっついている。ってうそーん。力を吸収しすぎた?こんな威力が出るとは思っていなかったよ!


「ギャー!お姉ちゃん!本気を出しちゃいけないんです!死んじゃうんです!」


 アマミちゃんが指をノヴェラさんに向けるとノヴェラさんがちょっと輝いて…目を覚ました。


「イッ…痛くねえ。」

「ノヴェラさんはアホですわ!ミズハさんに喧嘩売ればこうなるのは目に見えていましたわ!」


 貴女もさっき散々僕をおもちゃにしていたよね!そう言うなら、今度やり返すよ?!と言うよりシャロルさんはどういう目で僕を見ているの?!普通の女の子だよ僕は!


「顔つきはミズハさんだからミズハさんで良いんですか?」


 フロウミ君は未だ半信半疑だな。まあ、とにかく信じてはもらえました。

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