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子爵令嬢&魔女のタッグに勝てなかったよ…

「それにしてもちゃんと戻ってこれるか正直不安でしたわ。第一関門突破ですわ。」


 いやいや、既に迷子になってましたが?と言うよりこの調子なら書籍室に到達できただけでも上等だよ。


「迷子になっていたから結局僕が案内したんだけど…それよりこの部屋は?」


 回りを見渡すと色々な女性の服が掛けてある。ドレスっぽいのもある。


「見ての通り衣服室ですわ。ミズハさんは女性ですわ。1度ぐらい女性物の服を着ているところを見てみたいですわ。とりわけミズハさんはドレスが似合いそうですわ。私より少々背が高いですが着れないことはないと思いますわ。」


 えーっと、これは嵌められたか?


「お姉ちゃんは綺麗な青髪の長髪なんです!着てみるんです!そうしないとえーっと、うーんと…」


 また何か悪巧みしてるぞ?というかアマミちゃん共犯かこれ?!


「ネタが思い付かないんです!どうしてくれるんですか!」


 それはメタ発言だよ!一番ダメなやつだよ!何でも良いから何かしら考えて!


「アマミさん、チャンスですわ!」

「行くんです!」


 うん?なんだなんだ…って、僕の帽子取るな!


「髪の毛沢山なんです!」

「これは素晴らしいですわ。お手入れはしていますの?」

「え…それはまあ程々…じゃなくって返して!」

「駄目ですわ!アマミさん、次の手段ですわ!」

「分かったんです!」

「今度は…キャ!!!」


 アマミちゃんが、僕の帽子と服を異空間に閉まってしまった件。この魔法まさか僕に牙を向くとは思っていなかったよ!


「は…恥ずかしい…返して!」


 完全に下着姿になっちゃんだけど!なお、僕は男装しているためブラジャーつけていなかったり…そんな目で見るな!別にアマミちゃんだって未だ着けてないし!僕胸まな板だし!第一上だって肌着くらい着けてるし!


 ここだけの話パンツだって女性ものです。そこは譲れない。どうせ誰も見えないから良いの。ブラジャーだとたまに透けて見えてしまった時終了なので無理。


「帰るときにお返ししますわ。」

「じゃあもう帰る!」

「それは駄目ですわ。」

「なんで?!」

「なんでもですわ。」

「言うことを聞くんです!聞かないと全部脱がすんです!」


 これ完全にシャロルさんに仕込まれてるだろ!まさかこんなことで負けるとは思わなかったよ!


 因みに本気を出せばアマミちゃんの異空間魔法奪って空間干渉して服を奪い去り2人共魔力枯渇で瀕死にさせて逃げるという方法もあるけど…そこまでする必要性がないから諦めます。


「わかった、わかった…はぁ…うーんどうしてほしい?折角なら口調も女子っぽく心掛けるけど?別に生まれたときから男子として生きてきた訳じゃないし出来なくはないと思うけど。」

「そこまでは求めていませんわ。ただ、安心しましたわ。ミズハさんが本気で抵抗をすると私達の命が危ないと思っていましたわ。」

「お姉ちゃんは優しいって言ったんです!こんなことぐらいで私達の魔力を全部奪って半殺しにして逃げるようなことはしないんです!」


 まてまて!アマミちゃんには完全に読まれてるじゃん!ここは抵抗した方がよかったか?!


「魔力を奪うってどういうことですの?」


 しかも失言しちゃってるよ!


「えーっと、そんなことより…で、僕はどうすれば良いの?」

「簡単なんです!シャロルさん曰くここの服を全部着れば問題なんです!」

「それは違いますわ。着せ替え人形にするだけですわ。全部一度に着てしまったらお団子になってしまいますわ。」


 アマミちゃんの爆弾発言はシャロルさんが回収してくれたけどシャロルさんの発言もいただけないよ!ただ、何とか誤魔化せたか?


「そんなこと言われても僕あまり服を選んだことはないからよくわからないけど。」

「私にお任せするんですわ!昔から式典にはよく参加していますわ。相性が良いものは直ぐ分かりますわ。」

「と言うことなんです!シャロルさんが服を探している間は私がお姉ちゃんのお世話をするんです!」


 お世話って何する気?…って、結局抱きつくだけかい!


「はぁぁ、羨ましいですわ。では色々探してきますわ。」


 で、結局着せ替え人形にされてしまいました。で、30分後…


「アマミさん、どうでしょう?この服が一番似合うと思いますがアクセントが微妙ですわ。ここは髪飾りも必須ですわ!」


 もはやシャロルさんの方がアマミちゃんより暴走している件。アマミちゃんはシャロルさんがいなくなる度に僕に抱きつくという簡単な仕事しかしていないからね。


 アゲちゃんも器用にアマミちゃんの魔女帽子の上に止まり続けている件。こう見ると大きさも異常とはいえ全然蝶らしくないよね。


「出来ましたわ!私オラクル子爵令嬢の目には狂いはありませんわ!」


 お、おう…もはや疲れたからどうにかして欲しい。


「異常事態発生なんです!お姉ちゃんがお姉ちゃんになったんです!レベルアップです!」


 それ変わってないだろ!


「そのような不思議な顔をしていないでここに立つのですわ!」


 どうなったか気になったので鏡の前に立ってみる…誰この人?!もはやどう見てもどこぞのお嬢様が鏡に写っているんだけど。こんな人は僕は知らないよ?


「素晴らしいですわ!まさか普段真面目な顔しかしていないミズハさんがこんなにも驚くとは思いませんでしたわ。」


 いや驚くでしょ!少なくとも鏡に写っている人はどう見ても長髪のお嬢様である。髪に刺さってるカンザシがこんなにマッチしているとは思っていなかった。


 着ている服もお嬢様服であり完全に貴族の娘になってしまっている。少なくともこの格好で外へ出歩いたら間違えなく間違えられる自信がある。


「ムー!綺麗すぎるんです!抱きつく場所がなくなっちゃんです!どうしてくれるんですか!」


 知らんがな。

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