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暴走

「ユルサナイ…」

「あ?何か言ったか?」


 山賊が煽る。


「ユルセナイ…」

「ほら、顔あげなさいよ?何いっているか聞こえないわよ~?」


 違う山賊が煽る。既に僕の堪忍袋はズタズタにまで粉砕してしまっていた。


「ユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイユルサナイ!!!!!!!!!!!!!」


 僕は持っていた剣を真上に向ける。その瞬間、青色の雷が僕らを取り巻いてる山賊全員に命中した。


 ドカーーーーーーーーン!!!!!!!


 一瞬で僕らの足止めをしていた山賊が倒れる。全員から灰色の煙が立ち上っている。


「ジャマ」


 僕が更に剣を一振りすると前の方で倒れていた山賊共が風で吹っ飛んでいった。


「え…?」


 僕はアマミちゃんの方を睨み付けている。気配だけで、後ろに入るであろうロックさんとリネーラさんが硬直しているのがわかる。


「スイマセン…預かっていて下さい。」


 僕は帽子を後方に投げ付ける。僕は力を吸収するとき体の至るところから回収する。髪の毛も例外ではない。要は長髪の僕にとって、長髪自体が武器であり髪の毛を帽子で隠すと言うこと自体手加減に分類される。


「あ…ああ…構わないが…」

「死にたくなければ、商人が居るところに戻るか…最低でもここから動かないで下さい。」


 二人に振り向かずに忠告する。既に僕自身多大な力を回収している。おそらく目の色は眼球そのものが水色に輝いてしまっている可能性がある。第一視界が若干青い。最早自分自身を制御出来ていないことがわかる。ここで振り向いて化け物認定されるのはごめんだからね。相手からの無言を肯定として捉えて僕はいよいよアマミちゃんに襲撃している奴等のところに行く。既にとんでもない爆音を鳴らしていることもあり連中はずっとこちらを見ている。逆に僕は自己制御に必死なため、目を瞑って精神統一しながら奴等に近付いていく。


「おい、なんだよ?文句あっか?」

「おい見てみろよ!美少女じゃねえか!こいつも高く売れるぜ?こいつは通常通り生け捕りだな。死体じゃ価値ねえぜ?」

「そりゃいい。おら、お前に勝目はねえんだよ。とっとと捕まりな!」


 アマミちゃんを取り囲んでいた者のうち10人程が僕を取り囲むことがわかる。僕は完全に無視して、囲まれた円の端にいるアマミちゃんの方に向かっていく。


「痛いです…止めてください…先生は…守るんです…お姉ちゃん…ミズハさん…」


 既にアマミちゃんの喉は叫びすぎて潰れてしまっているみたい。声が弱々しくなっている。


 ゴンッ!


 そしてまだアマミちゃんを金槌で殴っている山賊を目の前にして僕は目を見開いた。


「あ?なんだやるってーのか…って、その目は一体…?!」

「シネ」


 次の瞬間、相手の右腕は武器と一緒に吹っ飛んでいた。


「あ?…っつ…ぐわああ!!」


 最早こちらの速度が早すぎて相手は腕を切断されたことすら気付かなかったみたい。本来であればこんなことすればアマミちゃん辺りが僕を止めるのが鉄板である。ただ、僕自身理性が怒りで破壊されている以上制御不能になっている上、アマミちゃんは声も出ない位まで大泣きをした挙げ句頭を抱えたままミネガル先生を覆い被さる形である。最早僕を止めれる奴が誰もいない状態である。


「て…てめえ…おい、てめえらこいつを殺せ!」

「お…おう。」

「えー?折角のベッピンじゃねえか、ちゃんとそれ相当に労ってからでも良くね?」

「まあ彼奴は弱っちいからな。おいクソガキ?この人数で勝てると…」


 チュドーン!


「ニンズウッテ?」


 既に10人ぐらいの山賊がここから10m圏外に吹っ飛ばされている件。しかも全員僕の後方から仕掛けてきた連中である。


「て、…火を放て!」


 炎魔法や火が付いた弓が飛んでくる。それを全て剣で叩き落とす。


「う、嘘だろ…四方八方だったじゃ…」

「指光矢。」


 打ってきた方向全体に向かって剣を一振りすると、その方向に光の矢みたい見たいのが飛んでいく。


「「「「ギャーーーー!!!」」」」


 全ての矢が相手の何処かに的中し貫通…しないようにぶっ指した状態で止めてあげる。予めであるが銃の球等の場合打たれた場合まだ貫通してしまった方が生き残った場合治療がしやすい。僕は敢えて相手の体に刺さった状態を維持させた。中途半端な苦しみはさせない。徹底的に地獄を見せる。


「お…おいてめえ…こいつがどうなってもいいのか!」


 振り向くと、知らないうちにアマミちゃんが抱えられていて首もとに剣をつけ突きつけられている。


「ウワーン!止めて下さい!!離して下さい!!」


 アマミちゃんは必死に抵抗している。目の先は剣の方を向いているためこっちを向いていない。僕自身も虐殺の手を止める。


「ほら、そこで武器を捨てな!」


 僕の思考回路は、アマミちゃんの発言が山賊に向けてではなく僕に向けてであるような気がした。僕を止めようと思っている。だから離せと言っているのではないか?まあ、何でもいい。僕は武器を真上に投げる。


「い…今だ!全員そいつを殺…」


 僕が目を見開いた瞬間、アマミちゃんを人質に取ったやつの四足が全て砂になった。その瞬間、僕を襲おうとした奴の両腕が同じく砂に成った。


「「「ギャーーーー!!!」」」


 そのまま僕は落ちてきた剣を掴む。回りを見る。最早、山賊だった者のうち生きているものを踏まえ原型を留めているものはいない。完全に地獄図化していた。

 主人公の暴走は場合によっては嫌いですが、そうでもない時があります。キレるタイミングが読者と主人公でマッチするかしないかなのかな。

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